講演情報
[15-O-R001-05]やっぱり一人暮らしをしたい私の思いは叶いますか?多職種で繋げるその思い
*野崎 敬史1 (1. 宮崎県 介護老人保健施設 あおしまのいえ)
有料老人ホームで数年生活された後に一人暮らしへの復帰を決意した利用者がIADLの評価、訓練を目的に相談され入所サービスの利用に至ったケースを報告する。入所前から退所後まで段階的に出てくる課題の整理、支援を各専門職によるチームで実施した。その結果一人暮らしへの復帰に繋がった。課題の中には初めて経験した事も多く整理を行うなかで多職種による連携の重要性を再認識し各職種の支援の幅を拡げる事が出来たと考える。
【はじめに】
病気をきっかけに住宅型有料老人ホームへ入居。数年施設で生活をしている中で集団での生活が窮屈に
感じ自分らしく楽しみながら生活がしたいと一人暮らしへの思いは年々強くなっていく。何度もあきらめ
との葛藤を繰り返し「やっぱり死ぬ前にもう一度一人暮らしをしたい」と決意。家族もおらず一人暮らし
から離れて長期間のブランクがあり生活面での課題も不明瞭。IADLの評価、訓練を目的に当施設へ相談
された利用者の事例を報告する。
【事例紹介】
70代 男性 要介護1 生活保護受給者
ご家族は絶縁状態。KPは成年後見人。
【現病歴・既往歴】
咽頭癌術後/永久気管瘻造設状態
硬膜下血腫・外傷性くも膜下出血、心肺停止後、低酸素脳症
器質性人格行動障害
【取組・経過】
入所前:面談調査後に各専門職との課題整理と課題に対して物品を準備する等の環境調整を行う。
入所日:令和3年4月15日
~2週間:各職種によるIADL評価(入所前に挙げた課題に合わせた評価表を使用)と新たに見えた課題
の整理をして各職種による訓練を実施
~1ヶ月:カンファレンス実施。前回の評価後の状況を共有。退所後に生活するエリアの検討、エリアの
特性に合わせてより具体的な訓練内容を追加
~2ヶ月:アパート選び、自治体への確認など申請に必要な準備、かかりつけ医の検討、生活に必要な
物品の準備を開始
~3ヶ月:アパートの賃貸開始、アパート周辺の歩行、近隣のスーパー、コンビニ、薬局への挨拶廻り,
試験外泊、退所後に利用が必要となるサービスの調整,情報共有後に退所日が決定する
退所日:令和3年7月15日
【支援内容】
セラピスト:買い物後を想定(リュックに重りを入れた状態、傘をさしたり両手が塞がった状況)した
歩行、耐久力の評価等
栄養課:調理動作の評価、栄養指導、調理のレパートリーを増やす
介護:洗濯、ベッドメイキング、掃除、ゴミの分別、電動式人工咽頭の導入と発語の訓練
看護:ネブライザーの管理指導、内服管理の評価等
相談員:カンファレンスの開催、評価の内容をKP(成年後見人)、居宅ケアマネジャ―と共有。
必要な申請等を自治体へ確認してKP、居宅CMと調整
【退所後の生活】
退所後は、主治医、訪問看護、訪問介護、訪問リハ、居宅ケアマネ、KP(成年後見人)でMCS(メディカル
ケアステーション)を活用して情報を共有し本人の独居生活を支援している。退所2ヶ月後からは本人の生活圏内
の移動等は安定した為、訪問リハ⇒本人のレスパイト目的でショートステイの定期利用(毎月1週間程度)
に変更となった。
【考察・まとめ】
今回の事例で相談~面談、面談後、入所前、入所後、退所前、退所後と段階的な関わりで見えてくる課
題の中には初めて経験した事も多かった。一つ一つ整理をする中で多職種による連携の重要性を再認識が
出来て各専門職の支援の幅を拡げる事が出来たと考える。利用者の思いをごく当たり前に形に出来る、
近づける為にしっかりと利用者の声に耳を傾け多職種で知識を補いみんなで繋いでこれからも利用者の思
いと向き合っていきたい。
病気をきっかけに住宅型有料老人ホームへ入居。数年施設で生活をしている中で集団での生活が窮屈に
感じ自分らしく楽しみながら生活がしたいと一人暮らしへの思いは年々強くなっていく。何度もあきらめ
との葛藤を繰り返し「やっぱり死ぬ前にもう一度一人暮らしをしたい」と決意。家族もおらず一人暮らし
から離れて長期間のブランクがあり生活面での課題も不明瞭。IADLの評価、訓練を目的に当施設へ相談
された利用者の事例を報告する。
【事例紹介】
70代 男性 要介護1 生活保護受給者
ご家族は絶縁状態。KPは成年後見人。
【現病歴・既往歴】
咽頭癌術後/永久気管瘻造設状態
硬膜下血腫・外傷性くも膜下出血、心肺停止後、低酸素脳症
器質性人格行動障害
【取組・経過】
入所前:面談調査後に各専門職との課題整理と課題に対して物品を準備する等の環境調整を行う。
入所日:令和3年4月15日
~2週間:各職種によるIADL評価(入所前に挙げた課題に合わせた評価表を使用)と新たに見えた課題
の整理をして各職種による訓練を実施
~1ヶ月:カンファレンス実施。前回の評価後の状況を共有。退所後に生活するエリアの検討、エリアの
特性に合わせてより具体的な訓練内容を追加
~2ヶ月:アパート選び、自治体への確認など申請に必要な準備、かかりつけ医の検討、生活に必要な
物品の準備を開始
~3ヶ月:アパートの賃貸開始、アパート周辺の歩行、近隣のスーパー、コンビニ、薬局への挨拶廻り,
試験外泊、退所後に利用が必要となるサービスの調整,情報共有後に退所日が決定する
退所日:令和3年7月15日
【支援内容】
セラピスト:買い物後を想定(リュックに重りを入れた状態、傘をさしたり両手が塞がった状況)した
歩行、耐久力の評価等
栄養課:調理動作の評価、栄養指導、調理のレパートリーを増やす
介護:洗濯、ベッドメイキング、掃除、ゴミの分別、電動式人工咽頭の導入と発語の訓練
看護:ネブライザーの管理指導、内服管理の評価等
相談員:カンファレンスの開催、評価の内容をKP(成年後見人)、居宅ケアマネジャ―と共有。
必要な申請等を自治体へ確認してKP、居宅CMと調整
【退所後の生活】
退所後は、主治医、訪問看護、訪問介護、訪問リハ、居宅ケアマネ、KP(成年後見人)でMCS(メディカル
ケアステーション)を活用して情報を共有し本人の独居生活を支援している。退所2ヶ月後からは本人の生活圏内
の移動等は安定した為、訪問リハ⇒本人のレスパイト目的でショートステイの定期利用(毎月1週間程度)
に変更となった。
【考察・まとめ】
今回の事例で相談~面談、面談後、入所前、入所後、退所前、退所後と段階的な関わりで見えてくる課
題の中には初めて経験した事も多かった。一つ一つ整理をする中で多職種による連携の重要性を再認識が
出来て各専門職の支援の幅を拡げる事が出来たと考える。利用者の思いをごく当たり前に形に出来る、
近づける為にしっかりと利用者の声に耳を傾け多職種で知識を補いみんなで繋いでこれからも利用者の思
いと向き合っていきたい。