講演情報
[15-O-R005-06]当施設での地域貢献活動としての新たな取り組みひとみの里AEDマップを作成して
*氣仙 裕1、四ツ谷 隆輔1、大槻 理香1 (1. 青森県 東通村介護老人保健施設「のはなしょうぶ」)
当施設では地域貢献活動の一つとして新たな取り組みを行ったので紹介する。当施設の所在する村の中心地区は若年層が多く居住し、多くのイベントが開催され、散歩やジョギングなどをしている住民が多い。そのためいざという時にAEDがどこにあるかを一目でわかるようなマップ「ひとみの里AEDマップ」を作成して地域の施設に配布した。さらに、このマップの掲載に協力してくれた施設の方を対象に、AEDの講習会を企画した。
【はじめに】当施設が所在する東通村のひとみの里地区は、役場やこども園、東通村小中学校などがあり、また、電力関係の施設が多く、新築の住宅が増加中の村の中心地である。そのため、地区内でのイベント開催が多く、散歩やジョギングをしたりする住民も他地区より多く見受けられる。かつては、老健における地域貢献活動を通して地区住民や近隣施設スタッフとの交流機会があったが、コロナ禍もあり、ここ数年はなかなか思うような活動ができていなかった。【目 的】今回、当施設が所在する地区の特徴を踏まえ、イベントやジョギングなどの活動中に心停止した方が発見された際、できるだけ近場のAEDを使用できれば命を救うことができるのではないかと考え、一目で地区内のAED所有施設が確認できるAEDマップを作成する取り組みを地域貢献活動として行った。AEDマップ作成という新たな活動を振り返るとともに、求められる地域貢献活動内容といった今後の活動について検討したので報告する。【AEDマップ作成】1)AEDマップ作成は老健内のリスク管理委員会が中心となり進めていった。2)地区内にある施設に電話でAEDの所有について問い合わせ、所有している施設には訪問をし、AEDマップ作成の目的や掲載事項の説明をし、協力の可否を伺った。3)設置場所や使用時の留意点などを確認し、マップへ掲載する外観の写真撮影をした。4)マップ案の作成→マップ案についての修正確認。5)完成したマップの配布。【マップ配布後の取り組み】マップの配布後、協力してもらった施設に対し、AEDマップを配布するとともに、AEDの使用方法に関して、老健内で医師及び看護師を講師としたAEDの講習会を企画し、開催案内も配布した。また、マップは役場のホームページなどへの掲載依頼をし、村民への周知もはかった。今回はひとみの里地区を対象とした講習会であったが、他地区の集会施設へもAEDが設置されていることから、来年度は村民全体へ案内を広げ、多くの方に講習会へ参加していただく機会を作ろうと考えている。【考 察】今回、老健としての地域貢献活動の一つとしてAEDマップを作成したことで、この地区にAEDを所有する施設が予想より多いことが判明し、作成者としても驚いた。また、当村の総人口は5,636人(令和6年5月末現在)であるが、多くの地区が散在し人口も分散している中で、この地区の人口は469人と、他地区に比べるととても人口密度が高いこと、村の高齢化率35.5%に対してこの地区は5.54%ととても若い住民が多いことが判明した。このような特徴のある地区で、ただマップを作成して配布するだけの活動ではなく、地区の方が実際に使用することができるための講習会も企画できたことはとても意義のあるものと考える。これを機に老健の存在を多くの方に知ってもらい、地域に根差した施設にしていきたいと考える。【今後の課題】老健と聞くとどうしても老人のイメージが強く感じられるが、当施設としては、今回の取り組みで把握できたこの地区の特徴を踏まえ、若い住民に向けた新たな地域貢献活動に取り組んでいきたいと考える。