講演情報
[15-O-R006-01]施設退所後の介護負担感の調査と関連する要因の検討
*山田 はる菜1、北澤 裕也1、大地 崇仁1、堤 大地1 (1. 愛知県 老人保健施設ひまわり)
施設退所後の介護負担感に関連する要因について検討する目的で、自宅退所した利用者を対象に介護負担感のアンケート調査を行った。自宅退所した利用者のうちアンケートが回収できた6名について、J-ZBI_8と、対象者の性別、主介護者の年齢、副介護者の人数、主介護者の就労の有無について相関分析を行った。結果、主介護者の年齢や副介護者の人数が介護負担感の要因に大きく関連する事が示唆された。
【目的】要介護者に対し、主介護者が在宅での介護を継続する上で問題とされている一つに介護負担感がある。回復期リハビリ病棟退院後の介護負担感については一部報告があるが、介護老人保健施設を退所後の介護負担感などついての研究は限られている。本研究では介護老人保健施設退所後の介護負担感の調査を行い、介護負担感に関連する要因について検討することを目的とした。
【対象・方法】2024年2月~2024年5月までに当施設から自宅退所した利用者を対象に介護負担感に関するアンケート調査を行った。介護負担感に関するアンケートには、日本語版Zarit介護負担尺度短縮版(以下 J-ZBI_8)を使用した。J-ZBI_8は主介護者に自記式で依頼した。自宅退所した利用者14名のうち、同意を得てアンケートが回収できたのは6名であった。J-ZBI_8と対象者の性別、主介護者の年齢、副介護者の人数、主介護者の就労の有無について相関分析を行った。統計手法はピアソンの積率相関を用い、相関係数を求めた。(r>0.7)
【結果】J-ZBI_8総得点と主介護者の年齢との間で強い正の相関(r=0.87)がみられ、主介護者の年齢が高いほど介護負担感が高いという結果であった。J-ZBI_8総得点と副介護者の人数との間で強い負の相関(r=-0.75)がみられ、副介護者の人数が多いほど介護負担感が低いという結果であった。対象者の性別と主介護者の就労の有無についてはJ-ZBI_8総得点との相関(性別r=0.01、就労有無r=0.15)はみられず、性別や就労有無は介護負担感に対する関係性がないことが分かった。
【考察】本研究では主介護者の年齢や副介護者の人数が、介護負担感の要因に関連する事が示唆された。この結果は回復期病院退所後の介護負担感を調査した先行研究とも一致していた。介護老人保健施設の退所支援を行う上で、利用者の身体機能評価のみではなく主介護者についての情報や身辺状況を把握し、それらを踏まえて退所前の家族指導やサービス調整をより強化して行っていくことが必要であると考えられた。
【今後の展望】 回復期病院退所後の介護負担感についての先行研究では、介護負担感の上昇に被介護者の日常生活動作能力が関連すると言われている。今後症例数を増やし、被介護者の日常生活動作能力との関連についても検討していきたい。また、退所後に介護負担感を少なく出来るように、利用するサービスの違いが介護負担感にどのような関連性があるかについても検討を行っていきたい。
【対象・方法】2024年2月~2024年5月までに当施設から自宅退所した利用者を対象に介護負担感に関するアンケート調査を行った。介護負担感に関するアンケートには、日本語版Zarit介護負担尺度短縮版(以下 J-ZBI_8)を使用した。J-ZBI_8は主介護者に自記式で依頼した。自宅退所した利用者14名のうち、同意を得てアンケートが回収できたのは6名であった。J-ZBI_8と対象者の性別、主介護者の年齢、副介護者の人数、主介護者の就労の有無について相関分析を行った。統計手法はピアソンの積率相関を用い、相関係数を求めた。(r>0.7)
【結果】J-ZBI_8総得点と主介護者の年齢との間で強い正の相関(r=0.87)がみられ、主介護者の年齢が高いほど介護負担感が高いという結果であった。J-ZBI_8総得点と副介護者の人数との間で強い負の相関(r=-0.75)がみられ、副介護者の人数が多いほど介護負担感が低いという結果であった。対象者の性別と主介護者の就労の有無についてはJ-ZBI_8総得点との相関(性別r=0.01、就労有無r=0.15)はみられず、性別や就労有無は介護負担感に対する関係性がないことが分かった。
【考察】本研究では主介護者の年齢や副介護者の人数が、介護負担感の要因に関連する事が示唆された。この結果は回復期病院退所後の介護負担感を調査した先行研究とも一致していた。介護老人保健施設の退所支援を行う上で、利用者の身体機能評価のみではなく主介護者についての情報や身辺状況を把握し、それらを踏まえて退所前の家族指導やサービス調整をより強化して行っていくことが必要であると考えられた。
【今後の展望】 回復期病院退所後の介護負担感についての先行研究では、介護負担感の上昇に被介護者の日常生活動作能力が関連すると言われている。今後症例数を増やし、被介護者の日常生活動作能力との関連についても検討していきたい。また、退所後に介護負担感を少なく出来るように、利用するサービスの違いが介護負担感にどのような関連性があるかについても検討を行っていきたい。