講演情報
[15-O-R006-03]地域高齢者の介護予防活動を通してみえてきたもの
*掛川 悟1、小串 香織1 (1. 千葉県 介護老人保健施設千葉徳洲苑)
地域高齢者の介護予防を目的としたミニ・デイサービスで行った取り組みついて報告する。介護申請の要因となる「足腰の衰え」をロコモチェックで判定し、3年後の要支援・要介護になるリスクを船橋市元気度チェックアプリで示した。結果として、地域活動に参加する高齢者は、介護申請のリスクが低く保たれている事が分かったが、地域活動に参加されない閉じこもり高齢者も多く存在しており地域の介護予防として課題が残った。
はじめに
当施設が所在する千葉県船橋市大穴北は、高齢化率が38%と高い地域で2/5人が高齢者であり、老々介護世帯や、独居の方も多くなっている。
デイケアのご利用者様は、ご家族の協力なしでは在宅生活が困難である方が多く、ご家族が要支援・要介護状態になった場合においては、リハビリの結果、ご本人のADLが向上したのにも関わらず、施設入所される場合もある。
地域に根ざした施設として、地域高齢者の在宅生活を可能な限りサポートし、介護予防に向けた取り組みを行っていく必要がある。
研究目的
高齢化率が高くても、健康寿命が長い地域になる取り組みを行いたい。
定期的に地域高齢者と交流機会を持ち、要支援・要介護になるリスクを早期に発見し、介護予防に取り組める環境を整えたい。
地域に根ざした施設として、地域・社会に貢献したい。
対象者
大穴地区社会福祉協議会主催のミニ・デイサービスに参加される地域高齢者。
町会ごとに開催し、頻度は月に1度。
1回の参加者は5名~15名。
方法
介護福祉士・看護師・介護支援専門員の3職種でミニ・デイサービスを開催し、参加者の「足腰の衰え」を判定するために、ロコモチェックを行った。リハビリ職が参加できない為、ロコモチェックの方法や留意点などを事前に指導を受けた。判定結果は非該当、ロコモ1、ロコモ2、ロコモ3の4段階とし、判定方法として「立ち上がりテスト」・「2ステップテスト」を採用した。
また、船橋市元気度チェックアプリを用いて元気度および3年後の要支援・要介護リスクを算定した。アプリは千葉大学予防医学センター 辻大士氏らが開発した「要支援・要介護リスク評価尺度」を用いて作られており、自身の元気度と3年後の要支援・要介護状態になるリスクを知ることができるものである。各年齢における全国の平均点と、自身の合計点数を比較したものが「元気度」として示され、単位は「スマイル」となっている。全国平均と同じだった場合は100スマイルであり、104スマイル以上で健康が保たれている状態と判定する。
結果
ロコモチェックの結果、ミニ・デイサービス参加者の5割がロコモ度3の判定となり、社会生活に何かしらの支障をきたしている状態であることが分かった。ロコモ1以上の判定が出た方には運動習慣の見直しを提案し、介護申請の相談等も行ったが、すでに何かしらの取り組みを始めている方が多かった。
船橋市元気度チェックアプリの結果は、参加者の7割が104スマイル以上となり、3年後の要支援・要介護リスクが低く保たれていることが分かった。足腰の衰えがあっても、自立して生活しようと前向きな参加者がほとんどであった。
考察
ミニ・デイサービス等の地域活動に参加する高齢者は、元々介護予防の意識が高く、足腰の衰えがあっても日常生活を続けようと努力されている為、要介護・要支援のリスクが低く抑えられている。
しかし、地域活動に参加している高齢者はごく一部の少数であり、多数の閉じこもり高齢者が存在しているのが事実である。
これからも、老人保健施設の役割として地域に根ざした活動を続け、社会福祉協議会や民生委員の方とも交流し、介護予防の輪を広げていく事が大事である。
当施設が所在する千葉県船橋市大穴北は、高齢化率が38%と高い地域で2/5人が高齢者であり、老々介護世帯や、独居の方も多くなっている。
デイケアのご利用者様は、ご家族の協力なしでは在宅生活が困難である方が多く、ご家族が要支援・要介護状態になった場合においては、リハビリの結果、ご本人のADLが向上したのにも関わらず、施設入所される場合もある。
地域に根ざした施設として、地域高齢者の在宅生活を可能な限りサポートし、介護予防に向けた取り組みを行っていく必要がある。
研究目的
高齢化率が高くても、健康寿命が長い地域になる取り組みを行いたい。
定期的に地域高齢者と交流機会を持ち、要支援・要介護になるリスクを早期に発見し、介護予防に取り組める環境を整えたい。
地域に根ざした施設として、地域・社会に貢献したい。
対象者
大穴地区社会福祉協議会主催のミニ・デイサービスに参加される地域高齢者。
町会ごとに開催し、頻度は月に1度。
1回の参加者は5名~15名。
方法
介護福祉士・看護師・介護支援専門員の3職種でミニ・デイサービスを開催し、参加者の「足腰の衰え」を判定するために、ロコモチェックを行った。リハビリ職が参加できない為、ロコモチェックの方法や留意点などを事前に指導を受けた。判定結果は非該当、ロコモ1、ロコモ2、ロコモ3の4段階とし、判定方法として「立ち上がりテスト」・「2ステップテスト」を採用した。
また、船橋市元気度チェックアプリを用いて元気度および3年後の要支援・要介護リスクを算定した。アプリは千葉大学予防医学センター 辻大士氏らが開発した「要支援・要介護リスク評価尺度」を用いて作られており、自身の元気度と3年後の要支援・要介護状態になるリスクを知ることができるものである。各年齢における全国の平均点と、自身の合計点数を比較したものが「元気度」として示され、単位は「スマイル」となっている。全国平均と同じだった場合は100スマイルであり、104スマイル以上で健康が保たれている状態と判定する。
結果
ロコモチェックの結果、ミニ・デイサービス参加者の5割がロコモ度3の判定となり、社会生活に何かしらの支障をきたしている状態であることが分かった。ロコモ1以上の判定が出た方には運動習慣の見直しを提案し、介護申請の相談等も行ったが、すでに何かしらの取り組みを始めている方が多かった。
船橋市元気度チェックアプリの結果は、参加者の7割が104スマイル以上となり、3年後の要支援・要介護リスクが低く保たれていることが分かった。足腰の衰えがあっても、自立して生活しようと前向きな参加者がほとんどであった。
考察
ミニ・デイサービス等の地域活動に参加する高齢者は、元々介護予防の意識が高く、足腰の衰えがあっても日常生活を続けようと努力されている為、要介護・要支援のリスクが低く抑えられている。
しかし、地域活動に参加している高齢者はごく一部の少数であり、多数の閉じこもり高齢者が存在しているのが事実である。
これからも、老人保健施設の役割として地域に根ざした活動を続け、社会福祉協議会や民生委員の方とも交流し、介護予防の輪を広げていく事が大事である。