講演情報

[15-O-R006-06]フレイルサポートナースによる取り組みの報告地域高齢者が老健を利用するまで

*渡邊 学1、東 憲太郎1 (1. 三重県 医療法人緑の風 介護老人保健施設いこいの森)
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当施設では平成23年度より介護予防サロン(現:生活支援通所リハビリ)を開始、地域高齢者のフレイル対策として介護予防を実践してきた。対象者の紹介は、併設のクリニックが中心であったが、令和4年~5年、厚生労働省の調査研究事業の「フレイルサポートナース」という取り組みに参加し、地域の医療機関からフレイル高齢者の紹介を受けた。今回地域のフレイル高齢者が老健の予防サロンへ参加することができたので、報告する。
【目的】
当施設では平成23年度全老健の研究事業として介護予防サロンを開始、昨年9月に津市の総合事業である生活支援通所リハビリに変更し、地域高齢者のフレイル対策として介護予防を実践してきた。 対象者は、介護認定を受けていない地域の高齢者が主になっている。当初は地域のクリニックや歯科などに、声掛けやチラシで協力を依頼、参加者を募っていたが、参加に繋がることが少なく、参加者の多くが併設のクリニックからの紹介となっていた。「フレイルサポートナース」は、厚生労働省・令和4年度、令和5年度老人保健健康増進等事業の調査研究事業として2回実施された、「医療機関等と連携した介護予防の推進に関する 調査研究事業」の中での取り組みである。当施設はこの調査研究事業に協力を行い、地域の医療機関からフレイル高齢者の紹介を受けた。本発表では、地域のフレイル状態の高齢者が、老健の介護予防に参加するまでをまとめ、考察、報告したいと思う。
【取り組み】
フレイルサポートナースは、上記の調査研究事業の中の取り組みであり、「地域の医療機関において、介護予防やフレイル対策に関する一定の研修を受けた看護師・准看護師が、フレイル等のリスクがある高齢者を抽出し、地域包括支援センターや地域の介護予防の取組等につなげる」というものである。
当施設は、フレイルサポートナースに取り組む複数の医療機関から、フレイルの可能性があるとされた高齢者の紹介を受け、フレイルの評価を行うとともに、当施設の介護予防サロン(現:生活支援通所リハビリ)において介入を行った。の体験と、評価の結果、フレイルやプレフレイルにあった方については、その後の介護予防サロンの継続的な参加を促した。
【結果】
今回のフレイルサポートナースによる結果は表の通りとなった。
【考察】
フレイルサポートナースの取り組みによって、地域の医療機関からサロンに紹介があり体験した数は、2年間で17名である。当施設では、以前より地域の医療機関、歯科医等に周知を行い、フレイルの高齢者の紹介を依頼していたが紹介は少なく、今回の取り組みが地域の医療機関と介護予防サロンがリンクするために効果的であったと思われる。さらに、体験した高齢者の88%(15/17)が、フレイルかプレフレイルに該当したため、各医療機関で行われたフレイルの抽出方法が適切であったと推測される。
【まとめ】
フレイルサポートナースという取り組みによって、地域の医療機関から介護予防サロンに地域のフレイル状態の高齢者が紹介され、サロンの継続参加に繋がった。今後もこのようなシステムがあれば、地域のフレイル高齢者が医療機関で診断されるだけでなく、サロン等の介護予防の場を紹介され、参加しやすくなるのではないかと考える。