講演情報
[15-O-R007-03]地域包括ケアと老健在宅支援の想いを繋ぐ未来の構築
*鈴木 美紀1、渡辺 麻美1、植松 一樹1 (1. 静岡県 みゆきの苑)
在宅退所支援の事例を通じて、直面した課題と協力機関との連携をする中で、これからの老人保健施設の役割を見つめ直し、新しい形を創造する。
【はじめに】
みゆきの苑は令和2年より超強化型へ移行した施設である。登録以前は施設入所者の平均在日数は2年を超え、特養待機の入所者が多く、本来の老人保健施設の役割は果たせていなかった。
当施設が所在する富士宮市には入院機関も少なく、回復期リハビリ病棟は存在しない地域であり、地域のケアマネ、病院等へ調査を行い入院する程ではない骨折や褥瘡、急性期治療後の在宅退院時のリハビリ、レスパイトも含め一時的な入所のニーズが多くあることを再認識した。移行後は、在宅復帰率や回転率、稼働率の維持継続の難しさは言うまでもなく、その中でも、在宅退所支援を繰り返す中で、年々と在宅支援のあり方に変化を感じるようになった。
【目的】
在宅支援の変化とは、主に家族支援力の低下、経済的困窮者または低所得者世帯の増加、この二つが大きな課題と感じている。
今回、発表する事例は、この二つの課題を抱え、ADLは車椅子で自走はできるが、全ての動作に見守り・一部介助を要する要介護2の男性が、在宅で一人暮らしを再開したいと希望されたケースである。
このケースに関わらせて頂いたことで、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、居住支援法人(県認可)社会福祉協議会、日常生活自立支援事業等、多くの機関、他職種連携の大切さを改めて強く感じ、これからの在宅支援を見直し、更に発展していきたいと思い、本大会にて他施設からの意見を頂戴したく発表することにした。
【結果】
先ずは、地域包括支援センターと連携し年金支給の申請及び障害手帳の申請、失語症があるも当人の意思決定能力はあると判断し、日常生活自立支援事業の活用を選択した。
ADLは当人の自宅へ帰りたいという意思も強く、意欲的にリハビリが行えたこともあり装具と杖を使用するも、歩行できる状態まで回復した。身寄りがない事で、勿論保証人となる方も存在せず、居住支援法人へ相談し保証人なしで賃貸できる住居を紹介して頂き、晴れて自宅へ帰ることになった。
【考察】
機関や制度を活用するにも、年金支給の手続き一つ上げても原則は当人または家族支援が一般的になる。これは施設職員の業務なのか?包括支援センターの職員業務なのか?今まで業務範囲、所謂、常識となっていた枠組みに囚われていては施設も他機関も動きが取れないのが現実だった。人が自宅で生活すると言う事は、電気、ガス、水道等のライフラインは当然であり、その契約手続きはどの機関の仕事なのか?
ここでどの機関も手を出さなければ先には進まない。現状の在宅支援、これからの在宅支援は、改めて施設内、他機関と継続して連携し、業務範囲に囚われない新しい形を求め続けたいと考える。
【終わりに】
核家族化、団塊の世代、親族疎遠関係、年金所得の低迷等、社会的問題は増える一方だ、今後、本事例のようなケースは増加していく事は予測される中で、制度の活用や、他機関との連携は当たり前であり、他職種連携も目標ではなく当たり前の時代となった。
超強化型には地域貢献活動が必須となっているが、本当の意味での地域貢献活動とは何か?このような施設の考えに保険者の富士宮市、地域包括支援センター、社会福祉協議会、他事業所の居宅介護支援事業所等、関わってくださった全ての機関が当施設同様に垣根を超えた支援をしてくれたことで、成しえた事例であり、施設単体の力では到底結果は出せなかったと思う。
みゆきの苑は令和2年より超強化型へ移行した施設である。登録以前は施設入所者の平均在日数は2年を超え、特養待機の入所者が多く、本来の老人保健施設の役割は果たせていなかった。
当施設が所在する富士宮市には入院機関も少なく、回復期リハビリ病棟は存在しない地域であり、地域のケアマネ、病院等へ調査を行い入院する程ではない骨折や褥瘡、急性期治療後の在宅退院時のリハビリ、レスパイトも含め一時的な入所のニーズが多くあることを再認識した。移行後は、在宅復帰率や回転率、稼働率の維持継続の難しさは言うまでもなく、その中でも、在宅退所支援を繰り返す中で、年々と在宅支援のあり方に変化を感じるようになった。
【目的】
在宅支援の変化とは、主に家族支援力の低下、経済的困窮者または低所得者世帯の増加、この二つが大きな課題と感じている。
今回、発表する事例は、この二つの課題を抱え、ADLは車椅子で自走はできるが、全ての動作に見守り・一部介助を要する要介護2の男性が、在宅で一人暮らしを再開したいと希望されたケースである。
このケースに関わらせて頂いたことで、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、居住支援法人(県認可)社会福祉協議会、日常生活自立支援事業等、多くの機関、他職種連携の大切さを改めて強く感じ、これからの在宅支援を見直し、更に発展していきたいと思い、本大会にて他施設からの意見を頂戴したく発表することにした。
【結果】
先ずは、地域包括支援センターと連携し年金支給の申請及び障害手帳の申請、失語症があるも当人の意思決定能力はあると判断し、日常生活自立支援事業の活用を選択した。
ADLは当人の自宅へ帰りたいという意思も強く、意欲的にリハビリが行えたこともあり装具と杖を使用するも、歩行できる状態まで回復した。身寄りがない事で、勿論保証人となる方も存在せず、居住支援法人へ相談し保証人なしで賃貸できる住居を紹介して頂き、晴れて自宅へ帰ることになった。
【考察】
機関や制度を活用するにも、年金支給の手続き一つ上げても原則は当人または家族支援が一般的になる。これは施設職員の業務なのか?包括支援センターの職員業務なのか?今まで業務範囲、所謂、常識となっていた枠組みに囚われていては施設も他機関も動きが取れないのが現実だった。人が自宅で生活すると言う事は、電気、ガス、水道等のライフラインは当然であり、その契約手続きはどの機関の仕事なのか?
ここでどの機関も手を出さなければ先には進まない。現状の在宅支援、これからの在宅支援は、改めて施設内、他機関と継続して連携し、業務範囲に囚われない新しい形を求め続けたいと考える。
【終わりに】
核家族化、団塊の世代、親族疎遠関係、年金所得の低迷等、社会的問題は増える一方だ、今後、本事例のようなケースは増加していく事は予測される中で、制度の活用や、他機関との連携は当たり前であり、他職種連携も目標ではなく当たり前の時代となった。
超強化型には地域貢献活動が必須となっているが、本当の意味での地域貢献活動とは何か?このような施設の考えに保険者の富士宮市、地域包括支援センター、社会福祉協議会、他事業所の居宅介護支援事業所等、関わってくださった全ての機関が当施設同様に垣根を超えた支援をしてくれたことで、成しえた事例であり、施設単体の力では到底結果は出せなかったと思う。