講演情報
[15-O-P105-07]機械が苦手を克服する為の取り組み。
*榮村 公祐1 (1. 愛知県 こもれびの里・高浜)
近年、介護現場におけるICT機器が急速に進展し、利用者の安全と職員の負担軽減の
為に様々なICT機器が導入されていますが、機械が苦手な方にとってはメーカーの説
明書も読みたくない、触りたくない方もいるのではないでしょうか?当施設ではそれを
克服する為の取り組みを実施しました、その過程と結果を詳述します。
為に様々なICT機器が導入されていますが、機械が苦手な方にとってはメーカーの説
明書も読みたくない、触りたくない方もいるのではないでしょうか?当施設ではそれを
克服する為の取り組みを実施しました、その過程と結果を詳述します。
【はじめに】
介護職員の業務効率化や負担軽減のために、当施設も、介護現場におけるICT機器の
導入に踏み切ったが、恥ずかしながら、パソコンも機械も分からない、苦手意識が強い
職員は、機器を触らないから説明書を読もうともしませんでした。そこで、誰もが使え
る取り組み易い簡易マニュアルの作成を決意しました。
【経過】
当施設では2023年度、ナースコールシステムの更新に伴い、新たに見守りカメラと
眠りスキャンを導入する。見守りカメラはナースコールが作動すると利用者の行動を離
れた場所から画像を確認することが可能であった。眠りスキャンは、睡眠状況や呼吸、
脈拍数の測定ができ、異変を早期に察知する上で有用な機能を備えていた。設定、操作
方法はメーカーの説明書を読めばわかるものでしたが、機械への苦手意識と、少し読ん
だだけで難しいと感じて、読むことに挫折してしまい、導入当初は有効に活用されてい
ないことがわかった。導入後3ヶ月間で分かったことは、機械が苦手な職員は、導入し
た機器自体を避け、設置・設定などの操作が可能な職員に業務を依頼していた。操作が
可能な職員の業務負担の増加や、担当部署に操作ができる職員が居ないと、別部署に操
作ができる職員を探すため、担当部署を離れる問題が起き始めた。また、説明書を読ん
でいない職員が見よう見まねで設置することで誤操作が増え、その対応に振り回されて
いた。
【問題解決のための方法】
誰もが簡単に操作できる簡易マニュアルを作成し、機械が苦手な職員1人でも操作が行
えるようになること、及び、特定職員への業務負担の軽減、利用者の異変察知遅延の軽
減、誤操作による業務効率の低下の軽減を目標に設定する。簡易マニュアルは設置、設
定手順が順序通りになるよう作成、説明の文章も実際に操作している写真と少ない説明
文で分かりやすくし、苦手意識を持たないよう配慮する。実際に苦手意識があり設置が
できない職員と一緒に設定し、使用後、意見を集め、反映し改良していく。
簡易マニュアルの作成手順としては
1 苦手意識が強く機械を触らない職員の視点中心に考えてテストタイプの簡易
マニュアルを作成。
2 実際に機械が苦手な職員に協力していただき、テストタイプのマニュアルを
見てもらい意見を反映。当施設のケースの意見としては文字が多すぎて頭が混乱
するという意見があり、図と最低限の文字数の説明で1つずつ操作場面を作成。
3 意見を取り入れて改善したテストタイプの簡易マニュアルを、再度機械が苦
手な職員に使っていただき、1人で設置ができるかテストを実施。
4 機械が苦手な職員が1人で設置ができるまで2~3の手順を繰り返す。
【結果】
簡易マニュアルの導入から6ヶ月後、基本操作を一人で行える職員の割合が大幅に上昇
し、積極的な活用を報告する職員が増加した。その結果、問題だった特定の職員への業
務負担は軽減、利用者の異変察知遅延は軽減、誤操作による業務効率低下が軽減、当初
の目標を達成し、職場の労働環境が改善された。副次的効果の一つとして、機器の導入
前はセンサーの検知が頻回にあるとその度に各居室に出向いて確認していたが、導入後
は映像で確認することができるようになった。また、利用者の介護中に他でセンサーが
検知しても瞬時に映像で確認できるため、状況判断がしやすくなった。カメラの映像が
あると映像先の相手の状況把握ができ、早期に的確な介護が可能で介護職員の精神的、
身体的負担の軽減に繋げることができた。業務負担が軽減されると職員のICT機器へ
の興味が広がり、自主的な学習を行う職員を増加させ、職員間のコミュニケーションを
活性化させる結果であった。
【考察】
一方で、課題が明らかになりました。どの施設でも機械が新しいものになった時、機械
が苦手な職員が操作設定などに戸惑う場面は必ず訪れるのではないでしょうか?当施設
の今後の課題としては、職員が施設のICT機器をどの程度活用できるかを確認するた
め定期的なアンケート調査、年齢や経験の異なる職員それぞれのニーズに応え、必要で
あれば簡易的なマニュアルの作成、操作できない職員にマンツーで指導、定期的な研修
、などの継続的な教育の取り組みが必要と考えています。今回の、簡易マニュアルの作
成と導入の取り組みを通じて、パソコンや機械が苦手な職員に対して、単純にメーカー
の説書を渡すだけでは理解が難しいと思います。私はこれからも寄り添って、機械が苦
手な職員を孤立させないように、努力していきます。
【おわりに】
当施設の取り組みが成功した要因としては、機械が苦手な職員の協力のもと、機械が苦
手な人の気持ちを自分が知り、その目線に合わせて、導入した機器を1人で設置・操作
が行える簡易マニュアルを作り、誰もが簡単に操作できる簡易マニュアルの完成という
目的を達成するために、機械が苦手にもかかわらず挫けずに私と共に完成まで付き合っ
ていただいた機会が苦手だった職員の努力の賜物です。
介護職員の業務効率化や負担軽減のために、当施設も、介護現場におけるICT機器の
導入に踏み切ったが、恥ずかしながら、パソコンも機械も分からない、苦手意識が強い
職員は、機器を触らないから説明書を読もうともしませんでした。そこで、誰もが使え
る取り組み易い簡易マニュアルの作成を決意しました。
【経過】
当施設では2023年度、ナースコールシステムの更新に伴い、新たに見守りカメラと
眠りスキャンを導入する。見守りカメラはナースコールが作動すると利用者の行動を離
れた場所から画像を確認することが可能であった。眠りスキャンは、睡眠状況や呼吸、
脈拍数の測定ができ、異変を早期に察知する上で有用な機能を備えていた。設定、操作
方法はメーカーの説明書を読めばわかるものでしたが、機械への苦手意識と、少し読ん
だだけで難しいと感じて、読むことに挫折してしまい、導入当初は有効に活用されてい
ないことがわかった。導入後3ヶ月間で分かったことは、機械が苦手な職員は、導入し
た機器自体を避け、設置・設定などの操作が可能な職員に業務を依頼していた。操作が
可能な職員の業務負担の増加や、担当部署に操作ができる職員が居ないと、別部署に操
作ができる職員を探すため、担当部署を離れる問題が起き始めた。また、説明書を読ん
でいない職員が見よう見まねで設置することで誤操作が増え、その対応に振り回されて
いた。
【問題解決のための方法】
誰もが簡単に操作できる簡易マニュアルを作成し、機械が苦手な職員1人でも操作が行
えるようになること、及び、特定職員への業務負担の軽減、利用者の異変察知遅延の軽
減、誤操作による業務効率の低下の軽減を目標に設定する。簡易マニュアルは設置、設
定手順が順序通りになるよう作成、説明の文章も実際に操作している写真と少ない説明
文で分かりやすくし、苦手意識を持たないよう配慮する。実際に苦手意識があり設置が
できない職員と一緒に設定し、使用後、意見を集め、反映し改良していく。
簡易マニュアルの作成手順としては
1 苦手意識が強く機械を触らない職員の視点中心に考えてテストタイプの簡易
マニュアルを作成。
2 実際に機械が苦手な職員に協力していただき、テストタイプのマニュアルを
見てもらい意見を反映。当施設のケースの意見としては文字が多すぎて頭が混乱
するという意見があり、図と最低限の文字数の説明で1つずつ操作場面を作成。
3 意見を取り入れて改善したテストタイプの簡易マニュアルを、再度機械が苦
手な職員に使っていただき、1人で設置ができるかテストを実施。
4 機械が苦手な職員が1人で設置ができるまで2~3の手順を繰り返す。
【結果】
簡易マニュアルの導入から6ヶ月後、基本操作を一人で行える職員の割合が大幅に上昇
し、積極的な活用を報告する職員が増加した。その結果、問題だった特定の職員への業
務負担は軽減、利用者の異変察知遅延は軽減、誤操作による業務効率低下が軽減、当初
の目標を達成し、職場の労働環境が改善された。副次的効果の一つとして、機器の導入
前はセンサーの検知が頻回にあるとその度に各居室に出向いて確認していたが、導入後
は映像で確認することができるようになった。また、利用者の介護中に他でセンサーが
検知しても瞬時に映像で確認できるため、状況判断がしやすくなった。カメラの映像が
あると映像先の相手の状況把握ができ、早期に的確な介護が可能で介護職員の精神的、
身体的負担の軽減に繋げることができた。業務負担が軽減されると職員のICT機器へ
の興味が広がり、自主的な学習を行う職員を増加させ、職員間のコミュニケーションを
活性化させる結果であった。
【考察】
一方で、課題が明らかになりました。どの施設でも機械が新しいものになった時、機械
が苦手な職員が操作設定などに戸惑う場面は必ず訪れるのではないでしょうか?当施設
の今後の課題としては、職員が施設のICT機器をどの程度活用できるかを確認するた
め定期的なアンケート調査、年齢や経験の異なる職員それぞれのニーズに応え、必要で
あれば簡易的なマニュアルの作成、操作できない職員にマンツーで指導、定期的な研修
、などの継続的な教育の取り組みが必要と考えています。今回の、簡易マニュアルの作
成と導入の取り組みを通じて、パソコンや機械が苦手な職員に対して、単純にメーカー
の説書を渡すだけでは理解が難しいと思います。私はこれからも寄り添って、機械が苦
手な職員を孤立させないように、努力していきます。
【おわりに】
当施設の取り組みが成功した要因としては、機械が苦手な職員の協力のもと、機械が苦
手な人の気持ちを自分が知り、その目線に合わせて、導入した機器を1人で設置・操作
が行える簡易マニュアルを作り、誰もが簡単に操作できる簡易マニュアルの完成という
目的を達成するために、機械が苦手にもかかわらず挫けずに私と共に完成まで付き合っ
ていただいた機会が苦手だった職員の努力の賜物です。