講演情報
[15-O-P108-06]通所リハビリ利用者増に向けた取り組み新規利用者を獲得するための改善
*平野 経文1 (1. 愛知県 介護老人保健施設さくらの里)
通所リハビリの利用者数の増加を目指すにあたり、新規利用者の獲得が重要と考えた。そのため、利用者やケアマネジャーの視点に立ち、問題点が何なのかを分析し改善を図る取り組みを実施したので報告する。
【はじめに】
当施設の通所リハビリセンターは月利用延べ人数が訳1,700名の大規模型であるが、通所利用者数はピーク時と比べ約20%減少している。利用者数の増加を目指すにあたり、新規利用者の獲得が重要と考え、その点から利用者やケアマネジャーの視点に立ち、問題点が何なのかを分析し改善を図る取り組みを実施したので報告する。
【問題点と改善策】
新規利用者を獲得するためには、「初めて利用する」利用者本人と、利用者を「新しいサービスの利用につなげる」ケアマネジャーに対して、当施設の通所リハビリについて理解していただき、納得していただく必要があると考えた。そのため、利用者本人とケアマネジャーの視点に立ち、問題点を挙げ、改善策を検討した。
~利用者本人の視点~
1)体験利用のプログラムの改善
本利用の前に、体験利用を実施していたが、通常6時間以上利用されている利用者に対し、体験利用は3時間程度だったため、利用中のプログラムが中途半端になってしまい、大勢の中に一人取り残されてしまうように感じさせてしまい、良い印象につながらないことがあった。そのため改善策として、体験利用時のスケジュールを明確にし、介護、リハビリ、管理栄養士、相談員等のそれぞれが利用者に説明や体験を行う時間を確保し、利用者にサービスについて分かりやすく伝えることができるようにした。
2)体験利用日の拡大
体験利用の送迎は当初、相談員に限って行っていたため、相談員の業務の都合で体験利用の日が設定され、実施可能日が限られていた。そのため改善策として、体験利用の送迎も介護職員が実施することで、営業日全てで体験利用が実施できるようになった。
~ケアマネジャーの視点~
3)体験利用後の情報共有
利用者が体験利用した後に、ケアマネジャーに利用中の様子を伝達していたが、体験内容が統一されていなかったこともあり、伝達内容も曖昧な内容になっていた。そのため改善策として、体験利用時の内容や様子を伝達する様式を作成し、利用者に関わった職員が記入することで、体験内容やその時の様子などを漏らさず報告できるようになった。
4)サービス内容や対応可能な利用者の情報共有
ケアマネジャーはそれぞれ通所リハビリに対する認識や、送迎エリアやサービス内容が分からないことや、以前得た情報のままで、現在の当施設のサービス内容を知らないことがあった。そのため改善策として、サービス内容や利用中の状況が分かる広報誌やInstagramの案内などを、各居宅介護支援事業所や地域包括支援センターへ相談員が訪問するなどして伝達した。
5)医療依存度の高い利用者についての対応
ケアマネジャーから新規利用希望者のストマや在宅酸素などの対応可否について、その都度看護師に相談、確認後に回答することになっていたため返答までに時間や手間がかかっていた。また、職員により対応可能な条件が異なるなど、統一されていないことがあった。そのため改善策として、対応可能な処置を明確にし、看護師と相談員で共有した。医療依存度が高いケースは看護師と連携し、必要に応じ事前に確認すべき情報を収集し、利用時の対応方法について利用者やケアマネジャーに報告できるようにした。
【結果】
改善策を実施することで、利用者やケアマネジャーの通所利用前に生じていた不安や不明な点について解消することができた。また、職員間でも新規利用者獲得に対する認識や、利用者に合わせた受け入れの体制づくりを考える機会となった。
【まとめ】
今回、新規利用者の獲得に向けて、相談員の立場から見直し、介護・看護職員を中心とした通所リハビリに関係する職員と一緒になって改善を試み実施した。利用者を受け入れる側で業務をしていると、利用者やケアマネジャーからの視点や考えに気がつかないことがある。今後も、利用者が何を要求しているのか、その要求にどのように応えられるかを常に考え、業務の改善を実施したい。
当施設の通所リハビリセンターは月利用延べ人数が訳1,700名の大規模型であるが、通所利用者数はピーク時と比べ約20%減少している。利用者数の増加を目指すにあたり、新規利用者の獲得が重要と考え、その点から利用者やケアマネジャーの視点に立ち、問題点が何なのかを分析し改善を図る取り組みを実施したので報告する。
【問題点と改善策】
新規利用者を獲得するためには、「初めて利用する」利用者本人と、利用者を「新しいサービスの利用につなげる」ケアマネジャーに対して、当施設の通所リハビリについて理解していただき、納得していただく必要があると考えた。そのため、利用者本人とケアマネジャーの視点に立ち、問題点を挙げ、改善策を検討した。
~利用者本人の視点~
1)体験利用のプログラムの改善
本利用の前に、体験利用を実施していたが、通常6時間以上利用されている利用者に対し、体験利用は3時間程度だったため、利用中のプログラムが中途半端になってしまい、大勢の中に一人取り残されてしまうように感じさせてしまい、良い印象につながらないことがあった。そのため改善策として、体験利用時のスケジュールを明確にし、介護、リハビリ、管理栄養士、相談員等のそれぞれが利用者に説明や体験を行う時間を確保し、利用者にサービスについて分かりやすく伝えることができるようにした。
2)体験利用日の拡大
体験利用の送迎は当初、相談員に限って行っていたため、相談員の業務の都合で体験利用の日が設定され、実施可能日が限られていた。そのため改善策として、体験利用の送迎も介護職員が実施することで、営業日全てで体験利用が実施できるようになった。
~ケアマネジャーの視点~
3)体験利用後の情報共有
利用者が体験利用した後に、ケアマネジャーに利用中の様子を伝達していたが、体験内容が統一されていなかったこともあり、伝達内容も曖昧な内容になっていた。そのため改善策として、体験利用時の内容や様子を伝達する様式を作成し、利用者に関わった職員が記入することで、体験内容やその時の様子などを漏らさず報告できるようになった。
4)サービス内容や対応可能な利用者の情報共有
ケアマネジャーはそれぞれ通所リハビリに対する認識や、送迎エリアやサービス内容が分からないことや、以前得た情報のままで、現在の当施設のサービス内容を知らないことがあった。そのため改善策として、サービス内容や利用中の状況が分かる広報誌やInstagramの案内などを、各居宅介護支援事業所や地域包括支援センターへ相談員が訪問するなどして伝達した。
5)医療依存度の高い利用者についての対応
ケアマネジャーから新規利用希望者のストマや在宅酸素などの対応可否について、その都度看護師に相談、確認後に回答することになっていたため返答までに時間や手間がかかっていた。また、職員により対応可能な条件が異なるなど、統一されていないことがあった。そのため改善策として、対応可能な処置を明確にし、看護師と相談員で共有した。医療依存度が高いケースは看護師と連携し、必要に応じ事前に確認すべき情報を収集し、利用時の対応方法について利用者やケアマネジャーに報告できるようにした。
【結果】
改善策を実施することで、利用者やケアマネジャーの通所利用前に生じていた不安や不明な点について解消することができた。また、職員間でも新規利用者獲得に対する認識や、利用者に合わせた受け入れの体制づくりを考える機会となった。
【まとめ】
今回、新規利用者の獲得に向けて、相談員の立場から見直し、介護・看護職員を中心とした通所リハビリに関係する職員と一緒になって改善を試み実施した。利用者を受け入れる側で業務をしていると、利用者やケアマネジャーからの視点や考えに気がつかないことがある。今後も、利用者が何を要求しているのか、その要求にどのように応えられるかを常に考え、業務の改善を実施したい。