講演情報
[15-O-P109-01]職場環境による尊重しあえる心の距離づくり
*佐野 将誉1、川上 正人1、中島 一彦2 (1. 静岡県 介護老人保健施設 ヒューマンライフ富士、2. 医療法人社団喜生会 新富士病院)
多職種職員一人一人が意見を持って発言出来る職場を目指し、職場環境向上に向けた取り組みを以下に報告する。5年前のストレスチェックの結果を下に現在の変化について考察する。業務のローテーションや全科を含めた委員会の設立、役職者無の会議を実践した結果、精神的ストレス値が減少され発言する機会の均等や専門的な役割を設けることにより上司へ意見する機会も増え尊重し合える距離づくりを図れていると考える。
【はじめに】当通所リハビリテーション(以下通所リハビリ)は、定員75名、地域ケア療養型病院と介護老人保健施設併設介護医療院の大規模事業所に区分される事業所であり、富士市・富士宮市全域を受け入れ対象とし、年末年始を除いた土日祝日を含めた全曜日で稼働している。ご利用者様の特徴として脳血管疾患・パーキンソン病・認知症・骨折等様々な方がご利用されており若年層や難病指定の方のご利用も増えている。【目的】昨今の医療現場では安心で安全な環境・感染予防・多様な利用者様への配慮など個で判断しなければいけない課題が多々あると考えられる。その中で多職種職員一人一人が意見を持ち発言出来る職場を目指し、職場環境向上に向けての取り組みを協同の中により成果がみられた為以下に報告する。【方法】 5年前のストレスチェックの結果を下に現在と比較し、職場環境の変化を考察、業務をローテーションさせ指示役を設け、専門的な役割を造る。役職者無の会議を実施し、リハビリ科による介助指導の充実を実施している。【結果】 ストレスチェックの結果よりストレスを抱えている職員の割合は60%。その中で身体的負担を感じている職員が多く、精神的ストレスを感じている職員は多くない事が判明した。さらに『仕事に対して満足である』と答えた割合が90%となっている。 事業所内に専門的な委員会(壁面・レクリエーション・誕生日・リスク等)を設け、全科を交えた活動が行えるようになった。【考察】 精神的ストレスが少ない数値として、ひとりひとりが意見を出し合えるように業務のローテーションをすることで窓口となる指示役を経験することになり、上司へ意見する機会も増え「尊重し合える心の距離づくり」へ近づいているのではないかと思われる。 役職者無の会議を実施することで直接上司へ伝え難い事、感謝や訂正して欲しい事を挙げ、役職者会議へ提出することで役職者側も自分を見直す事が出来ている。 指導されたことに対して謝罪・感謝の仕方について学ぶ機会を設けていることにより、日頃からの「ありがとう」という感謝の気持ちを持って業務へ入れるようになっている。また、感謝することで相手のストレス値も下げる効果も得られている。 事業所内に全科を含めた委員会を設けたことにより委員会に対しての専門家になることができ、責任感や他科に対しての意見率も望めていると思われる。職員1人1人の意見に対して建設的に論議し、決行に移す行為を継続させ、心理的安全性の向上を高め、上下関係なく共に成長できる職場を目指していく。