講演情報
[15-O-F002-01]「癒しの時間、憩いの場所でご利用者に笑顔を」~園芸・ボランティア委員会の活動報告~
*伊藤 歩美1、小藤 真理子1 (1. 岐阜県 介護老人保健施設アルマ・マータ)
開設当初から活動する園芸・ボランティア委員会。多岐に渡る園芸活動やボランティア活動をおこなってきました。しかし、コロナ禍以降、ご利用者が外部の方と接触する機会が減少し、特に活力や心の健康の面が低下しました。そこで感染対策に配慮しながらQOLの向上となる様な活動を再開しましたので、ここに報告します。
【はじめに】
当施設は、施設理念でもある『あなたらしい当たり前の生活を笑顔と真心で支えます』という想いでサービスを提供しています。超強化型老健として、ご利用者には在宅復帰を目指し「専門職によるリハビリ」、「看護職・介護職による生活リハビリ」、「歯科衛生士による口腔ケア」など、在宅復帰に向けたADLの向上を目指しています。しかしながら、リハビリは充実しているものの、「生きがい」や「楽しみ」などのQOL(生活の質)に対する支援が充足していない現状が報告されています。特にコロナ禍以降ご利用者の生活も一変し、外出や面会の制限をはじめ、ご利用者の楽しみとなる活動が以前の様には出来なくなってしまいました。ご利用者に、心穏やかな日常を過ごしていただくために、QOLが向上できるよう、施設内の職員で協力し出来る事から取り組みを再開した。
【内容】
「園芸活動」
植物を育てることによって、自然に触れる機会や季節を感じ、身体、精神、日常生活、社会参加として良い効果をもたらし、損なわれた機能を回復することを目的として行い、また様々な疾患や障害に対する健康法の一つとも考えている。
「アニマルセラピー」
動物と接することで、緊張がほぐれ、ストレスの解消につながる事や、癒しや安心を感じていただく事を目的にしている。また、アニマルセラピーでは認知症高齢者の情緒を安定させる効果も期待でき、活動を継続する事でQOL向上に期待している。
【方法】
園芸活動では、なるべくご利用者の目に入る場所での園芸活動を行った。お風呂に入りながら花や野菜の成長が見えるようにした。また各フロアでもご利用者が楽しめるようベランダやデイケアルーム前にもプランターで季節の花や野菜をご利用者と共に育てた。当施設で看取らせていただいたご利用者のご家族より「生前お花が好きだったから、皆様の目に見えるところにお花を植えていただけたら」とのご提案をいただいた。そこで各フロアから見る事ができる中庭を整備し、ご利用者が好きだった花などを購入し季節ごとに植え替えて見て頂いている。そのご家族には、後に写真等で報告を行った。
「アニマルセラピー」
アニマルセラピーでは、2つのボランティアの方にご協力いただき、毎月開催するドッグボランティアの方と、不定期で開催するアニマルセラピーを開催した。ボランティアの方には、各フロアを巡回していただき、なるべく多くのご利用者と交流できるように、ご協力いただいた。インコや九官鳥がいたため、好きな方には肩に乗ったり、犬が好きな方は膝に乗って触れさせて頂く事もあった。
【考察】
「園芸活動」
土に触れる事で自然とやわらかい表情をみる事ができた、一緒に種まきや収穫を体験した事で一体感も生まれた。ご利用者の方が得意げに園芸知識を話していて嬉しそうな姿や、野菜や花を育てる事で季節を感じる事ができた。園芸をきっかけに外に出る事で、活動的に過ごす事もできた。更に収穫した野菜をご利用者と調理したり、中庭の花の植え付けを通して、生前のご利用者との思い出を感じる事などもできた。
「アニマルセラピー」
「かわいいね」、「私も昔犬飼っててね…」など過去の記憶から会話が弾み、動物と触れ合う事で気分転換、日中部屋で横になっている事が多い活動的でないご利用者の離床を促す事、「また会いたい」とご利用者の楽しみを作る事などQOLの向上に繋げる事ができた。また、インコやオウムなど珍しい動物と触れ合う事で初めての経験を提供することもできた。
【終わりに】
園芸活動は季節の移り変わりを感じ、綺麗な花や野菜を育て、収穫する事で満足感や達成感、気分転換やストレス発散、思考力や想像力の向上、記憶力の改善など、あらゆる効果が期待できると感じています。またご利用者も参加していただく事で、歩く、座る、立ち上がる、耕す、掘る、収穫するなどの数多くの動作を促し、身体面でも運動能力や体力の維持増進に効果が期待できます。更に植物を育てることを通して、周囲の人々との共感やコミュニケーションを促進し社会性を高める効果もあります。
アニマルセラピーでは、認知症の周辺症状である抑うつ状態や不安感、興奮などが動物と触れ合った後には和らぎ情緒を安定することが期待できます。
以上の事から、日常生活の中で季節を感じ自然や動物に触れる事は、楽しさだけではなく、その人らしい当たり前の生活、QOLの向上に繋がる大切な生活の一部であるため、今後も委員会活動を通じてご利用者に寄り添っていきたいと考えています。
当施設は、施設理念でもある『あなたらしい当たり前の生活を笑顔と真心で支えます』という想いでサービスを提供しています。超強化型老健として、ご利用者には在宅復帰を目指し「専門職によるリハビリ」、「看護職・介護職による生活リハビリ」、「歯科衛生士による口腔ケア」など、在宅復帰に向けたADLの向上を目指しています。しかしながら、リハビリは充実しているものの、「生きがい」や「楽しみ」などのQOL(生活の質)に対する支援が充足していない現状が報告されています。特にコロナ禍以降ご利用者の生活も一変し、外出や面会の制限をはじめ、ご利用者の楽しみとなる活動が以前の様には出来なくなってしまいました。ご利用者に、心穏やかな日常を過ごしていただくために、QOLが向上できるよう、施設内の職員で協力し出来る事から取り組みを再開した。
【内容】
「園芸活動」
植物を育てることによって、自然に触れる機会や季節を感じ、身体、精神、日常生活、社会参加として良い効果をもたらし、損なわれた機能を回復することを目的として行い、また様々な疾患や障害に対する健康法の一つとも考えている。
「アニマルセラピー」
動物と接することで、緊張がほぐれ、ストレスの解消につながる事や、癒しや安心を感じていただく事を目的にしている。また、アニマルセラピーでは認知症高齢者の情緒を安定させる効果も期待でき、活動を継続する事でQOL向上に期待している。
【方法】
園芸活動では、なるべくご利用者の目に入る場所での園芸活動を行った。お風呂に入りながら花や野菜の成長が見えるようにした。また各フロアでもご利用者が楽しめるようベランダやデイケアルーム前にもプランターで季節の花や野菜をご利用者と共に育てた。当施設で看取らせていただいたご利用者のご家族より「生前お花が好きだったから、皆様の目に見えるところにお花を植えていただけたら」とのご提案をいただいた。そこで各フロアから見る事ができる中庭を整備し、ご利用者が好きだった花などを購入し季節ごとに植え替えて見て頂いている。そのご家族には、後に写真等で報告を行った。
「アニマルセラピー」
アニマルセラピーでは、2つのボランティアの方にご協力いただき、毎月開催するドッグボランティアの方と、不定期で開催するアニマルセラピーを開催した。ボランティアの方には、各フロアを巡回していただき、なるべく多くのご利用者と交流できるように、ご協力いただいた。インコや九官鳥がいたため、好きな方には肩に乗ったり、犬が好きな方は膝に乗って触れさせて頂く事もあった。
【考察】
「園芸活動」
土に触れる事で自然とやわらかい表情をみる事ができた、一緒に種まきや収穫を体験した事で一体感も生まれた。ご利用者の方が得意げに園芸知識を話していて嬉しそうな姿や、野菜や花を育てる事で季節を感じる事ができた。園芸をきっかけに外に出る事で、活動的に過ごす事もできた。更に収穫した野菜をご利用者と調理したり、中庭の花の植え付けを通して、生前のご利用者との思い出を感じる事などもできた。
「アニマルセラピー」
「かわいいね」、「私も昔犬飼っててね…」など過去の記憶から会話が弾み、動物と触れ合う事で気分転換、日中部屋で横になっている事が多い活動的でないご利用者の離床を促す事、「また会いたい」とご利用者の楽しみを作る事などQOLの向上に繋げる事ができた。また、インコやオウムなど珍しい動物と触れ合う事で初めての経験を提供することもできた。
【終わりに】
園芸活動は季節の移り変わりを感じ、綺麗な花や野菜を育て、収穫する事で満足感や達成感、気分転換やストレス発散、思考力や想像力の向上、記憶力の改善など、あらゆる効果が期待できると感じています。またご利用者も参加していただく事で、歩く、座る、立ち上がる、耕す、掘る、収穫するなどの数多くの動作を促し、身体面でも運動能力や体力の維持増進に効果が期待できます。更に植物を育てることを通して、周囲の人々との共感やコミュニケーションを促進し社会性を高める効果もあります。
アニマルセラピーでは、認知症の周辺症状である抑うつ状態や不安感、興奮などが動物と触れ合った後には和らぎ情緒を安定することが期待できます。
以上の事から、日常生活の中で季節を感じ自然や動物に触れる事は、楽しさだけではなく、その人らしい当たり前の生活、QOLの向上に繋がる大切な生活の一部であるため、今後も委員会活動を通じてご利用者に寄り添っていきたいと考えています。