講演情報

[15-O-F004-04]激戦区での特色作り~食事イベントの開催~

*久保 志帆1、安江 咲乃1 (1. 愛知県 老人保健施設ケア・サポート新茶屋)
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近隣にデイケアやデイサービスが立ち並ぶ激戦区の中で、デイケアの特色を作ることを目的として、食事イベントを定期的に開催した。その後、ご利用者への満足度調査を行った。結果は95%が「満足」・「やや満足」と満足度の高いイベントとなった。ご利用者の表情やコメントから食べることの喜びを見出すことが出来た。
【初めに】当施設の近隣は、半径2キロメートル以内にデイケアやデイサービスが12か所立ち並ぶ激戦区である。ご利用者に選ばれる施設になるため、他施設との差別化を図ることが求められている。当施設の「通いたい」と思って頂ける施設作りの取り組みについて報告する。
【目的】デイケアの魅力作りご利用者の満足度向上
【内容】介護サービス事業者自己評価・ユーザー評価の結果をもとに、リハビリ・入浴・食事の3項目の内、食事の数値が低下した。そのため食事面に着目し、外食気分を味わっていただけるようなイベントを企画した。開催頻度は2・3ヶ月に1回とし、ご利用者に楽しんでいただけるよう、追加の費用は頂かず通常の食費とした。開催時には事前にポスターの掲示やチラシの配布を行い、ご利用者・ご家族へ案内した。食事提供時には内容と合わせ外食時の雰囲気を出すためにランチョンマットを敷き、献立が分かるようにカードを付け提供した。イベント後に満足度調査と次回のイベント内容についてアンケートを実施し、ご利用者の希望や意見を反映した。
【結果】2022年2月から実施し2024年7月までで合計8回開催をした。イベント時の食材費は平均630円であった。「おいしいものが食べられるなら」と普段休みがちな方のご利用や追加利用もあった。普段は少食な方もいつもより多く食べられている様子を確認した。満足度調査の結果は、「とても満足・やや満足」が95%であり、「次回も参加をしたいか」という質問に対して、「思う・やや思う」が92%であった。アンケート結果より「デザート付きでよい」「普段より食べ過ぎてしまった」という意見や「日頃の食事もより良くなるといい」といった声が聞かれた。
【まとめ】アンケートの結果より満足度の高いイベントが開催できデイケアの魅力の一つとなっていることが確認できた。通常の献立と比較して一人当たり平均で370円の費用がかかり、予算内で納める難しさもあったが、給食委託会社との打ち合わせを重ね予算内で提供することができた。ご利用者の人数が増えることで収支の調整を行い、現在は予算内で実施できているため、継続は可能である。今回の取り組みを通し、ご利用者の表情やコメントから、食べることの喜びを見出すことができた。食事を楽しむことを重視し、「通いたい」と思って頂ける施設を目指し、今後も喜んで頂けるイベントを行うこととしている。