講演情報
[15-O-A009-01]QOLの向上を目指してパーキンソン病の理解と効果的な関わり
*松井 卓朗1、椿 かおり1、吉崎 友美1、奥野 真澄1、田岡 秀介1 (1. 三重県 志摩市介護老人保健施設 志摩の里)
パーキンソン病をもつご利用者が再入所された。前回の入所時より活気がなく、日常生活動作全般に介助が必要で、明らかにADLの低下が認められた。ご本人は、「以前のように自分のことは自分でできるようになりたい。」と願っていた。私達はこの願いを少しでも叶えたいと思い、QOLの向上を目指し取り組んだので報告する。
【はじめに】
パーキンソン病は脳の神経伝達物質であるドーパミンの減少によって身体の動きに障害をもたらす疾患で、振戦、無動・寡動、筋固縮、歩行障害、姿勢反射障害や仮面様顔貌など特徴的な症状が現れる。今回、パーキンソン病をもつご利用者が再入所された。前回の退所時と比較すると活気がなく、ADL全般に介助が必要になっており、明らかに病状が進行していると思われた。ご本人は、「以前のように自分のことは自分でできるようになりたい」と発言されていた。私達はこの思いを少しでも叶えようと他職種と協力し、QOLの向上を目指し取り組んだので報告する。
【目的】
自分で日常生活動作を安全に行うことができ、活動全般を楽しむことができる。
【方法】
期間:入所日から退所日まで
1)症状の変化をとらえ、内服薬と内服時間の調整を行う。
2)安全に日常生活動作が行えるよう環境を整える。
3)昼夜逆転を改善し生活リズムを整える。
4)余暇活動への参加を促し、楽しみを見つける。
【結果】
日々の観察により病気の進行具合を確認した。症状が悪化すると笑顔がなく仮面様顔貌となり、さらに無動・寡動・姿勢反射障害、筋固縮の症状が強く出現し歩行ができなくなることもあった。このような日内の症状変化をとらえ、内服薬の増減、与薬時間の調整を行った。徐々に症状が安定し生活リズムが改善でき、ご本人も症状が改善されると笑顔が増え、発語もはっきりと聞き取りやすく活気がよみがえった。
歩行訓練ではパーキンソン病の特徴であるすくみ足歩行・小刻み歩行・突進歩行の改善を図るため、行動範囲の床にテーピングし目印をつけた。このテープをまたいで歩く意識をもつことで、足が前に出やすくなり安全にも配慮できた。また歩行のポイントとして、「しっかり背中を伸ばし顔を上げましょう。」「右足か左足か、先に出す方の足を決めましょう。」「号令をかけてリズムをつけて歩きましょう。」などを説明した。日々のリハビリの継続とともに日常生活動作も徐々に自分でできることが増え、自信を取り戻すことができた。さらに塗り絵など余暇活動への参加も増え、楽しむことができるようになった。
【考察】
パーキンソン病は進行性の病気であり運動機能が低下し、日常生活動作全般にわたり介助が必要になっていく。今回、入所により日内の身体症状を観察し内服薬の調整をすることで症状の緩和が図れた。施設において適切な服薬管理とリハビリの継続は症状の安定化を図り、ADLの向上につながった。ご本人も自分でできることが増え自信に繋がった。
【まとめ】
パーキンソン病の服薬調整は継続した身体状況の観察が大切。毎日の継続した運動療法が身体能力を維持し、精神的な支援につながる。
パーキンソン病は脳の神経伝達物質であるドーパミンの減少によって身体の動きに障害をもたらす疾患で、振戦、無動・寡動、筋固縮、歩行障害、姿勢反射障害や仮面様顔貌など特徴的な症状が現れる。今回、パーキンソン病をもつご利用者が再入所された。前回の退所時と比較すると活気がなく、ADL全般に介助が必要になっており、明らかに病状が進行していると思われた。ご本人は、「以前のように自分のことは自分でできるようになりたい」と発言されていた。私達はこの思いを少しでも叶えようと他職種と協力し、QOLの向上を目指し取り組んだので報告する。
【目的】
自分で日常生活動作を安全に行うことができ、活動全般を楽しむことができる。
【方法】
期間:入所日から退所日まで
1)症状の変化をとらえ、内服薬と内服時間の調整を行う。
2)安全に日常生活動作が行えるよう環境を整える。
3)昼夜逆転を改善し生活リズムを整える。
4)余暇活動への参加を促し、楽しみを見つける。
【結果】
日々の観察により病気の進行具合を確認した。症状が悪化すると笑顔がなく仮面様顔貌となり、さらに無動・寡動・姿勢反射障害、筋固縮の症状が強く出現し歩行ができなくなることもあった。このような日内の症状変化をとらえ、内服薬の増減、与薬時間の調整を行った。徐々に症状が安定し生活リズムが改善でき、ご本人も症状が改善されると笑顔が増え、発語もはっきりと聞き取りやすく活気がよみがえった。
歩行訓練ではパーキンソン病の特徴であるすくみ足歩行・小刻み歩行・突進歩行の改善を図るため、行動範囲の床にテーピングし目印をつけた。このテープをまたいで歩く意識をもつことで、足が前に出やすくなり安全にも配慮できた。また歩行のポイントとして、「しっかり背中を伸ばし顔を上げましょう。」「右足か左足か、先に出す方の足を決めましょう。」「号令をかけてリズムをつけて歩きましょう。」などを説明した。日々のリハビリの継続とともに日常生活動作も徐々に自分でできることが増え、自信を取り戻すことができた。さらに塗り絵など余暇活動への参加も増え、楽しむことができるようになった。
【考察】
パーキンソン病は進行性の病気であり運動機能が低下し、日常生活動作全般にわたり介助が必要になっていく。今回、入所により日内の身体症状を観察し内服薬の調整をすることで症状の緩和が図れた。施設において適切な服薬管理とリハビリの継続は症状の安定化を図り、ADLの向上につながった。ご本人も自分でできることが増え自信に繋がった。
【まとめ】
パーキンソン病の服薬調整は継続した身体状況の観察が大切。毎日の継続した運動療法が身体能力を維持し、精神的な支援につながる。