講演情報
[15-O-A010-04]「私、一生懸命やっとるよ!みて!みて!」多職種協働での取り組み
*黒澤 さとみ1 (1. 岐阜県 介護老人保健施設サワダケアセンター)
当施設に入所されベッド上で過ごす時間が多かったが、介護職員が中心となり多職種連携で働きかけることによって日常生活でできることが増え前向きな気持ちで生活を送れるようになったため報告する。リハビリだけではなく声かけにて活動への参加や排泄介助など日常生活での動作訓練を行った。その結果、排泄や移乗動作も軽介助で行えるようになり本人も立てることに喜びを感じ、職員のモチベーションアップにもつながった。
<事例紹介>
T氏 女性(88歳) 要介護5 日常生活自立度(B2、I) HDS-R:30点
病名:横紋筋融解症(疑)、低体温症、上下肢褥瘡、緑内障(弱視)、高血圧症
日常生活動作能力
食事:セッティングしスプーン使用にて自己摂取。
更衣:上着の着脱は介助を要するが協力動作可能。ズボンは介助が必要。
移動:車椅子使用 自操はほぼ出来ず介助が必要。
排泄:日中トイレ介助 手摺に掴まり立位可能。ズボン上げ下げ介助が必要。夜間はコール対応でパット交換する。
意思疎通:良好である。家族構成:子供はなく独居。弟夫婦が近くに住んでいる。
<経過>
令和5年4月、自宅の浴槽内で動けなくなっている所を発見され低体温の為緊急入院となる。経口摂取が可能となり病状も安定し退院となるが独居であり自宅での生活が困難な為、令和5年8月当施設に入所となる。
入院中は、毎日ベッド上での生活をされていたためか入所当初は、食事時間以外、自室で過ごすことが多く、また、緑内障にて光が薄っすらと認識出来る程度の弱視であり活動参加には消極的で自室でラジオを聴いて過ごされていた。
しかし、日々訪室し職員とのコミュニケーションを図ることによって少しずつ活動参加に前向きになられ、ラジオ体操などもベッド上で行えるようになり、食後もフロアで過ごされる時間が増えていった。
リハビリでは両下肢の関節可動域訓練や座位保持訓練、立位保持訓練を繰り返し行うことで本人の自信にもつながりトイレでの排泄を試みるきっかけとなった。
本人の努力もあり入所9カ月が経つ頃にはトイレでの排泄を希望され手摺に掴まり立つことが軽介助で行うことができ、次第に「私できるようになったよ。」と職員や面会に来所される家族にも嬉しそうに話されるようになった。
起居動作や立位動作、車椅子に座って過ごす時間の延長と順をおって介護職中心に関わりをもち多職種協働で本人のADL向上に取り組むことによってQOL向上につながった。
<まとめ>
独居生活をされていたが突然の入院生活を余儀なくされ自宅での生活が出来なくなり本人にとっては辛い思いとなった。
現状では在宅復帰は難しいが、ベッドからの起き上がりや車椅子、トイレへの移乗動作、ラジオ体操などの日常生活上での生活リハビリや専門職によるリハビリを行うことで施設生活の中で生き生きと楽しく笑顔で過ごすことが出来るよう、介護職員、多職種と連携し関わり続けていきたい。
また、本来の老健の役割として在宅復帰があげられるが家族の就労や独居、自宅がないなど様々な環境因子によっても困難なことがあり、特養待機となるケースが多い。
しかし、在宅復帰を目指すばかりではなくその人らしい生活をサポートし、本人が望まれる生活を一緒に見つけていくことが大切ある。
そして少しでもその願いに近づけられるように本人だけでなく家族へのサポートも忘れずに多職種協働で取り組むことによって職員のモチベーションアップにもつながりよりよい施設となるよう努力していきたい。
T氏 女性(88歳) 要介護5 日常生活自立度(B2、I) HDS-R:30点
病名:横紋筋融解症(疑)、低体温症、上下肢褥瘡、緑内障(弱視)、高血圧症
日常生活動作能力
食事:セッティングしスプーン使用にて自己摂取。
更衣:上着の着脱は介助を要するが協力動作可能。ズボンは介助が必要。
移動:車椅子使用 自操はほぼ出来ず介助が必要。
排泄:日中トイレ介助 手摺に掴まり立位可能。ズボン上げ下げ介助が必要。夜間はコール対応でパット交換する。
意思疎通:良好である。家族構成:子供はなく独居。弟夫婦が近くに住んでいる。
<経過>
令和5年4月、自宅の浴槽内で動けなくなっている所を発見され低体温の為緊急入院となる。経口摂取が可能となり病状も安定し退院となるが独居であり自宅での生活が困難な為、令和5年8月当施設に入所となる。
入院中は、毎日ベッド上での生活をされていたためか入所当初は、食事時間以外、自室で過ごすことが多く、また、緑内障にて光が薄っすらと認識出来る程度の弱視であり活動参加には消極的で自室でラジオを聴いて過ごされていた。
しかし、日々訪室し職員とのコミュニケーションを図ることによって少しずつ活動参加に前向きになられ、ラジオ体操などもベッド上で行えるようになり、食後もフロアで過ごされる時間が増えていった。
リハビリでは両下肢の関節可動域訓練や座位保持訓練、立位保持訓練を繰り返し行うことで本人の自信にもつながりトイレでの排泄を試みるきっかけとなった。
本人の努力もあり入所9カ月が経つ頃にはトイレでの排泄を希望され手摺に掴まり立つことが軽介助で行うことができ、次第に「私できるようになったよ。」と職員や面会に来所される家族にも嬉しそうに話されるようになった。
起居動作や立位動作、車椅子に座って過ごす時間の延長と順をおって介護職中心に関わりをもち多職種協働で本人のADL向上に取り組むことによってQOL向上につながった。
<まとめ>
独居生活をされていたが突然の入院生活を余儀なくされ自宅での生活が出来なくなり本人にとっては辛い思いとなった。
現状では在宅復帰は難しいが、ベッドからの起き上がりや車椅子、トイレへの移乗動作、ラジオ体操などの日常生活上での生活リハビリや専門職によるリハビリを行うことで施設生活の中で生き生きと楽しく笑顔で過ごすことが出来るよう、介護職員、多職種と連携し関わり続けていきたい。
また、本来の老健の役割として在宅復帰があげられるが家族の就労や独居、自宅がないなど様々な環境因子によっても困難なことがあり、特養待機となるケースが多い。
しかし、在宅復帰を目指すばかりではなくその人らしい生活をサポートし、本人が望まれる生活を一緒に見つけていくことが大切ある。
そして少しでもその願いに近づけられるように本人だけでなく家族へのサポートも忘れずに多職種協働で取り組むことによって職員のモチベーションアップにもつながりよりよい施設となるよう努力していきたい。