講演情報
[15-O-A010-05]ただいま、我が家!~要介護5でも家にかえれました!~
*岩田 友紀菜1、尾関 泰彦1 (1. 愛知県 老人保健施設やすらぎ、2. 老人保健施設やすらぎ、3. 老人保健施設やすらぎ)
自宅へ帰りたい利用者様の気持ちから実際に帰られたことを報告する。家族様も自宅で一緒に過ごしたいという気持ちがあったが介護に対する不安があったため、各職種が介護指導を実施し、不安を払拭できた。その結果自宅へ帰ることができ現在もショートステイも利用しながら在宅生活を続けられている。今回の経験を活かし今後も在宅へ不安の残る家族様へアプローチしていきたい。
【はじめに】
当施設では超強化型を取っており在宅復帰、在宅支援に力を入れている。
これまでに排泄動作の自立、内服の自己管理、家庭用個浴を使用などそれぞれ在宅復帰への課題に応じた支援をしてきた。本症例は家族に介護指導し実際に在宅へ繋げた症例を紹介する。
【症例紹介】
A氏 90代
病歴 頚椎症性脊髄症(手術なし)
洞不全症候群(ペースメーカー)
高血圧症
要介護5
日常動作 全介助 食事以外はベッド臥床される。
キーパーソン 長男
【入所期間】
6ヶ月
【入所から介護指導介入開始まで】
入所から4ヶ月目にコロナ罹患しADLの低下、食欲不振、下痢、嘔吐が見られ食事形態も変更となる。その後も症状続き病院受診し虚血性腸炎と診断され入院となる。1か月後再入所されるが食欲不振続き、また、「もう終わりたい」等の希死念慮と捉えられる発言も聞かれるようになる。その中でも「家に帰りたい」と言われ家族様も「家で一緒に過ごしたい」と希望される。自宅に帰るには何が必要かを明確にするため外出訓練を行った。キーパーソンは男様だが外出訓練には次女様、次男様も参加し他の家族も自宅への退所にあたり協力してくださる事が分かった。
外出訓練後、家族様からも「自宅で受け入れたい。指導とサービスを受けて不安をぬぐいたい」と聞かれたため介護指導を開始する。
【在宅支援に向けて】
それぞれの職種から介護指導を行い利用者様・家族様へ説明を行った。
介護士⇒排泄、更衣、口腔ケア
看護師⇒病状説明、今後起こりうること、内服説明
理学療法士⇒移乗方法、車椅子の評価
言語聴覚士⇒食事介助、食事形態
相談員⇒短期入所の利用、福祉用具などのサービスの説明、
ケアマネジャーとの連携
介護指導では家族様が分かりやすく、何回も確認できるように各職種が手引書を作成し、それをもとに行った。回数を重ねていくにつれて長男様の介護に対する不安も徐々に払拭され自信が持てるようになってきた。
また、コロナ禍であり面会が制限される中、家族指導をきっかけに長男様に会えることで笑顔が増え、希死念慮と捉えられる発言も聞かれなくなった。食事量も増えていき、嘔吐や下痢の症状も減っていった。食事形態も徐々に上がっていき入所される前の形態まで上げることができた。
結果自宅へ帰ることができ、長男様が平日仕事の為、月曜日から金曜日までショートステイを利用し土日、祝日は自宅で過ごされている。自宅に帰られたことで精神的にも安定したことがADL向上にもつながり、食事も介助が必要だったものが、自助スプーンを使いご自分で食べられるようになった。
【考察】
施設への入所利用者様の中には病院から入所される高齢者が多い。入院中はベッド上での時間が長くなり入院前のADLから低下している。急性期では入院期間が短く、以前のADLに戻るには時間がかかり、自宅での生活が困難な場合が多いためリハビリ目的で入所されるケースが多い。また、入院がきっかけで認知機能が低下する事も家に帰れない要因の1つになっている。今回の症例を通して家族様と利用者様がお互いの思いをしっかり話しそれぞれのニーズに合った支援をしていく事が大切だと改めて感じた。その中で私たちもそれぞれの職種と情報共有を行い、利用者様、家族様もチームの一員と考え同じ方向に向かうことが早期の退所支援につながると考えられる。
当施設では超強化型を取っており在宅復帰、在宅支援に力を入れている。
これまでに排泄動作の自立、内服の自己管理、家庭用個浴を使用などそれぞれ在宅復帰への課題に応じた支援をしてきた。本症例は家族に介護指導し実際に在宅へ繋げた症例を紹介する。
【症例紹介】
A氏 90代
病歴 頚椎症性脊髄症(手術なし)
洞不全症候群(ペースメーカー)
高血圧症
要介護5
日常動作 全介助 食事以外はベッド臥床される。
キーパーソン 長男
【入所期間】
6ヶ月
【入所から介護指導介入開始まで】
入所から4ヶ月目にコロナ罹患しADLの低下、食欲不振、下痢、嘔吐が見られ食事形態も変更となる。その後も症状続き病院受診し虚血性腸炎と診断され入院となる。1か月後再入所されるが食欲不振続き、また、「もう終わりたい」等の希死念慮と捉えられる発言も聞かれるようになる。その中でも「家に帰りたい」と言われ家族様も「家で一緒に過ごしたい」と希望される。自宅に帰るには何が必要かを明確にするため外出訓練を行った。キーパーソンは男様だが外出訓練には次女様、次男様も参加し他の家族も自宅への退所にあたり協力してくださる事が分かった。
外出訓練後、家族様からも「自宅で受け入れたい。指導とサービスを受けて不安をぬぐいたい」と聞かれたため介護指導を開始する。
【在宅支援に向けて】
それぞれの職種から介護指導を行い利用者様・家族様へ説明を行った。
介護士⇒排泄、更衣、口腔ケア
看護師⇒病状説明、今後起こりうること、内服説明
理学療法士⇒移乗方法、車椅子の評価
言語聴覚士⇒食事介助、食事形態
相談員⇒短期入所の利用、福祉用具などのサービスの説明、
ケアマネジャーとの連携
介護指導では家族様が分かりやすく、何回も確認できるように各職種が手引書を作成し、それをもとに行った。回数を重ねていくにつれて長男様の介護に対する不安も徐々に払拭され自信が持てるようになってきた。
また、コロナ禍であり面会が制限される中、家族指導をきっかけに長男様に会えることで笑顔が増え、希死念慮と捉えられる発言も聞かれなくなった。食事量も増えていき、嘔吐や下痢の症状も減っていった。食事形態も徐々に上がっていき入所される前の形態まで上げることができた。
結果自宅へ帰ることができ、長男様が平日仕事の為、月曜日から金曜日までショートステイを利用し土日、祝日は自宅で過ごされている。自宅に帰られたことで精神的にも安定したことがADL向上にもつながり、食事も介助が必要だったものが、自助スプーンを使いご自分で食べられるようになった。
【考察】
施設への入所利用者様の中には病院から入所される高齢者が多い。入院中はベッド上での時間が長くなり入院前のADLから低下している。急性期では入院期間が短く、以前のADLに戻るには時間がかかり、自宅での生活が困難な場合が多いためリハビリ目的で入所されるケースが多い。また、入院がきっかけで認知機能が低下する事も家に帰れない要因の1つになっている。今回の症例を通して家族様と利用者様がお互いの思いをしっかり話しそれぞれのニーズに合った支援をしていく事が大切だと改めて感じた。その中で私たちもそれぞれの職種と情報共有を行い、利用者様、家族様もチームの一員と考え同じ方向に向かうことが早期の退所支援につながると考えられる。