講演情報
[15-O-H001-04]その人に合ったオムツを選ぼう
*大石 貴信1、栗田 彩子1、滝尾 純子1、阪中 安矢子1、園木 昌世1、内藤 梨沙1 (1. 大阪府 介護老人保健施設ベルアモール)
「生活の活性化、サービスの質の向上、コスト削減」を目標に掲げ、利用者が快適に過ごせるよう職員が根拠を持ってオムツ類を選定できるようになった取り組み
【はじめに】
当施設は、入所定員157名、通所リハビリテーション定員120名、ヘルパーステーション、認知症対応型共同生活介護グループホーム定員18名が併設されている大規模施設である。
昨年より、オムツの性能に対して介護職員(以下職員)の知識が低く、オムツ類の選定においても根拠がなく職員の主観に基づき無駄にパッドを使用していることが問題点として挙がっていた。
施設の事業計画にある「生活の活性化、サービスの質の向上、コスト削減」を目標に掲げこの問題に取り組み、利用者が快適に過ごせるよう職員が根拠を持ってオムツ類を選定できるようになったのでここに報告する。
【活動目標】
1.職員がオムツ類の性能を理解し、根拠のあるオムツ選びができるようになる。
2.全職員がオムツ類の知識を高め、適切なオムツを選ぶことで、パートナーの不快感を軽減し快適に過ごすことができるようになる。
3.無駄なパッドの使用がなくなることでコスト削減につながる。
この3点を目標として活動に取り組んだ。
【対策方法1】
1.専門業者に依頼しオムツの勉強会を開催する。専門業者から学ぶことで知識の向上と疑問点の解消など現場だけでは得られない新しい知識を得る。
2.職員一人一人に対して正確な尿量の測定方法を説明し、実際に利用者に対して尿量の測定を行うことで尿量に合ったオムツ類を選定する。
【対策方法2】
対策1にて知識の向上と尿量に合ったオムツ選びができるようになったが、選定するオムツ類の種類が少なく満足のいく結果が得られなかった。そこで専門業者に相談し、吸収性に特化した10回吸収夜用パッド・軽失禁者用の昼用安心パッド・機能性に特化した紙パンツ用テープ付パッドを新たに導入した。尿量が多く尿漏れを繰り返している利用者をフロアごとに選択し、オムツ類の使用状況と3日間の尿量を測定した。10回吸収夜用パッド導入後その性能を職員に実感してもらうため、通常の夜用パッドでは尿漏れを繰り返してしまう尿量の多い利用者に対して積極的に使用した。
そして新たに導入したパッドの性能の確認と正しい使用方法の説明を兼ねて専門業者に勉強会を再度依頼し、ベテランや新人・中途職員など前回勉強会に参加できていない職員を中心に質問形式による勉強会を少人数制で2日間開催した。勉強会に参加できなかった職員に対しては撮影した動画を音声付きで観てもらうこととした。
【結果】
尿量の測定に関しては全職員が実際に尿量の測定を行い、利用者1人ひとりの尿量を知ることで、適切なパッドを選定できるようになった。
排尿のアセスメントには丸1日記録できる日を最低3日間必要とあり、3日間の尿量を測定することで尿量はもちろん排尿パターンが把握できるようになった。失禁を繰り返す利用者に対して3日間の尿量とオムツの使用状況を調べたことによりどの時間帯に尿量が多いか排尿パターンを把握でき、トイレ誘導やオムツ交換をその利用者に合わせて行えるようになった。新たに3種類のパッドを導入しオムツ類の選択肢を増やすことでさらに適切なオムツ類が選定できるようになり、夜間の睡眠確保や皮膚トラブルの改善に繋がった。
勉強会では直接専門業者からオムツの性能を聞くことで正しい知識を得ることができ、適切な使用方法を学ぶことができた。今まで疑問に思っていた事や困っている事を相談することで疑問点の解消や実践に基づくアドバイスも得ることができた。
【考察・まとめ】
今回の活動で利用者の排尿パターンを把握し、さらに拘縮や皮膚状態など様々なアセスメントをすることで利用者に合ったという根拠を持ってオムツ類の選定ができたと考える。
また排泄ケアを見直すことが利用者の生活の活性化に大きく関係しているのだと職員全員が実感でき、皮膚トラブルの軽減や夜間のオムツ交換が減ることで利用者の安眠にも繋がった。
さらに、無駄なオムツの使用をなくそうとコスト面でも職員の中に意識が芽生えるきっかけとなり有意義な活動となった。
今後は、
・新規利用者に対してパット選定のため3日間の尿量の測定を行う
・新人職員や中途職員がパットの性能を把握し最新の知識を得るために専門業者にオムツの勉強会を毎年依頼する
・どの職員も同じ排泄ケアができるようにパッドの使用を統一するための排泄確認表を毎月更新する
以上3点を実践し、ひき続き排泄ケアの見直しを定期的に行い、ケアプランに反映させ統一したケアとしていきたい。
当施設は、入所定員157名、通所リハビリテーション定員120名、ヘルパーステーション、認知症対応型共同生活介護グループホーム定員18名が併設されている大規模施設である。
昨年より、オムツの性能に対して介護職員(以下職員)の知識が低く、オムツ類の選定においても根拠がなく職員の主観に基づき無駄にパッドを使用していることが問題点として挙がっていた。
施設の事業計画にある「生活の活性化、サービスの質の向上、コスト削減」を目標に掲げこの問題に取り組み、利用者が快適に過ごせるよう職員が根拠を持ってオムツ類を選定できるようになったのでここに報告する。
【活動目標】
1.職員がオムツ類の性能を理解し、根拠のあるオムツ選びができるようになる。
2.全職員がオムツ類の知識を高め、適切なオムツを選ぶことで、パートナーの不快感を軽減し快適に過ごすことができるようになる。
3.無駄なパッドの使用がなくなることでコスト削減につながる。
この3点を目標として活動に取り組んだ。
【対策方法1】
1.専門業者に依頼しオムツの勉強会を開催する。専門業者から学ぶことで知識の向上と疑問点の解消など現場だけでは得られない新しい知識を得る。
2.職員一人一人に対して正確な尿量の測定方法を説明し、実際に利用者に対して尿量の測定を行うことで尿量に合ったオムツ類を選定する。
【対策方法2】
対策1にて知識の向上と尿量に合ったオムツ選びができるようになったが、選定するオムツ類の種類が少なく満足のいく結果が得られなかった。そこで専門業者に相談し、吸収性に特化した10回吸収夜用パッド・軽失禁者用の昼用安心パッド・機能性に特化した紙パンツ用テープ付パッドを新たに導入した。尿量が多く尿漏れを繰り返している利用者をフロアごとに選択し、オムツ類の使用状況と3日間の尿量を測定した。10回吸収夜用パッド導入後その性能を職員に実感してもらうため、通常の夜用パッドでは尿漏れを繰り返してしまう尿量の多い利用者に対して積極的に使用した。
そして新たに導入したパッドの性能の確認と正しい使用方法の説明を兼ねて専門業者に勉強会を再度依頼し、ベテランや新人・中途職員など前回勉強会に参加できていない職員を中心に質問形式による勉強会を少人数制で2日間開催した。勉強会に参加できなかった職員に対しては撮影した動画を音声付きで観てもらうこととした。
【結果】
尿量の測定に関しては全職員が実際に尿量の測定を行い、利用者1人ひとりの尿量を知ることで、適切なパッドを選定できるようになった。
排尿のアセスメントには丸1日記録できる日を最低3日間必要とあり、3日間の尿量を測定することで尿量はもちろん排尿パターンが把握できるようになった。失禁を繰り返す利用者に対して3日間の尿量とオムツの使用状況を調べたことによりどの時間帯に尿量が多いか排尿パターンを把握でき、トイレ誘導やオムツ交換をその利用者に合わせて行えるようになった。新たに3種類のパッドを導入しオムツ類の選択肢を増やすことでさらに適切なオムツ類が選定できるようになり、夜間の睡眠確保や皮膚トラブルの改善に繋がった。
勉強会では直接専門業者からオムツの性能を聞くことで正しい知識を得ることができ、適切な使用方法を学ぶことができた。今まで疑問に思っていた事や困っている事を相談することで疑問点の解消や実践に基づくアドバイスも得ることができた。
【考察・まとめ】
今回の活動で利用者の排尿パターンを把握し、さらに拘縮や皮膚状態など様々なアセスメントをすることで利用者に合ったという根拠を持ってオムツ類の選定ができたと考える。
また排泄ケアを見直すことが利用者の生活の活性化に大きく関係しているのだと職員全員が実感でき、皮膚トラブルの軽減や夜間のオムツ交換が減ることで利用者の安眠にも繋がった。
さらに、無駄なオムツの使用をなくそうとコスト面でも職員の中に意識が芽生えるきっかけとなり有意義な活動となった。
今後は、
・新規利用者に対してパット選定のため3日間の尿量の測定を行う
・新人職員や中途職員がパットの性能を把握し最新の知識を得るために専門業者にオムツの勉強会を毎年依頼する
・どの職員も同じ排泄ケアができるようにパッドの使用を統一するための排泄確認表を毎月更新する
以上3点を実践し、ひき続き排泄ケアの見直しを定期的に行い、ケアプランに反映させ統一したケアとしていきたい。