講演情報
[15-O-H001-07]おむつ代のコスト削減~PDCAをまわす~
*金城 勇磨1 (1. 沖縄県 介護老人保健施設シルバーピアしきな)
当施設でのおむつ管理は排泄委員が行っている。原油高の影響でおむつ代の値上げがあると知らされ『コスト削減』を目標に掲げた。種類や予備用の注文を減らした事で、自然と注文数が減少した。更に、発注先A社・B社に加えC社の「低コスト・高品質」のおむつも使用し2年間で200万円コスト削減する事ができた。目標を設定し実現に向け取り組んだ事で成果が出せた。定期的な見直し、日頃の管理の重要性に気づかされた。
【はじめに】当施設の入所定員は95名。平均介護度は3.4。入所者の9割が尿とりパット(以下「パット」という)やリハビリパンツ(以下「リハパン」という)など何らかのおむつを使用しており当施設ではおむつメーカー3社の商品を使用している。使用状況の平均的な内訳はテープ止めおむつ+パット(3割)、リハパン+パット(6割)、リハパンのみ(0.5割)おむつ未使用者(0.5割)である。この度、おむつの見直しを行いコスト削減に繋がったので報告する。
【目的】当施設でのおむつ管理は排泄委員が行っている。排泄委員は、看護師1名、介護士4名、事務員1名、合計6名で構成されており主な役割は入所者の排尿・排便の状態確認、排泄改善の取り組み、おむつ管理・発注である。メンバーは定期的に交替があり私達は令和4年5月に編成された。その頃、原油高の影響でおむつ代の値上げがあると知らされ『コスト削減』を目標に掲げた。
【経過】令和4年度最初に、年の発注状況を確認した。おむつの種類や発注量の多さが気になり、改善すべき点があるのではないかと考えた。おむつ管理には、個々人が使用している種類の一日あたり使用枚数をデータ入力している。まず、おむつ種類と枚数をチェックし検証してみた。当時、おむつメーカーA社・B社2社から、パットだけでもサイズ別含め18種類あり、予備用の注文もかなり多かった。次に、各パット吸収量のくくりに幅を持たせ種類をまとめ、予備用の注文も減らした事で、自然と注文数が減少した。又、おむつ使用の変更がある際には、職員に分かり易く伝える為、トイレや浴室・居室に使用すべき種類を見やすく貼り出した。おむつ発注については種類に応じた注文数を間違えない様、排泄委員2人でダブルチェックを行い、事務所と連携しミスを防いだ。令和5年度に入り、令和4年度で取り組んだ事を継続した。ある時、取引きしていないC社のおむつの営業があった。「低コスト・高品質」という事で使用について委員会で検討した。商品が良ければ更にコスト削減出来ると、委員会で意思決定した。A社・B社2社に加えC社のおむつも使用する方向で、C社へ試供品及び見積りを依頼した。2週間分の試供品を使用した所、最初は尿失禁や尿量オーバーがあり、理想通りにいかなかった。そこでC社の社員から、おむつのあて方を指導してもらい改善できた。又、C社の試供品と同等のおむつをA社、B社に見積もりをもらい3社の価格と品質を比較しながらおむつ選定を行った。その際、入所者の状態をトイレ誘導と寝たきり別に考えてみた。その結果、トイレ誘導の方で失禁がな1日1枚程度使用者のパットは吸収量が少なく安価のC社、1日の中で交換が多い方のパットはB社、夜間、体動でズレる方のパットはA社に決定。寝たきりの方にはテープ止めおむつB社、日中のパットはB社、夜間のパットはC社に決まった。
【結果】おむつ購入金額と入所者状況は次の通り
令和3年度年間820万円(月平均88.7名)
令和4年度年間720万円(月平均84.0名)
令和5年度年間620万円(月平均87.6名)令和3年度から令和4年度では購入金額が100万減少した。コロナ禍により入所者数が減少した事も要因かと思えるが、発注数を精密に行った事が成果かと思える。令和4年度から令和5年度は前年より入所者数は増えたが購入金額は減少した。パットの種類を整理し18種類から11種類まで減らせ管理もし易くなった。長年A社商品をメインに使っていたが今回の見直しでA社:B社:C社の購入は「1:4:5」に変化。その結果、令和3年度から令和5年度2年間で年間200万のコスト削減となった。
【考察】普段、業務の一環として深く考えずに行っていた事が、立場が変わり目線が変わり、目標を設定し実現に向け取り組んだ事で成果が出せた。定期的な見直し、日頃の管理の重要性に気づかされた。特におむつは常時使用する物で継続的な出費がある。低コストかつ吸収量や褥瘡予防にも効果がある等、高品質な商品が次々開発され、今後も新しい情報と定期的な見直しを続けていきたい。又、変更時にはおむつの使い方や発注要領等、マニュアルの変更を行いスタッフと共有していく事が結果を出すポイントであるかと考える。
【まとめ】目標に向かい一致団結し、結果が現れた事にかなり達成感が得られ満足している。事務サイドからは、コロナ禍で収入が厳しい中、経費削減に尽力したと評価が得られた。今後も委員会が中心となりコスト管理だけでなく、排せつ支援加算を取得する等収入アップも図りかつ入所者のQOL向上の為のケアの質の向上にも取り組みたいと考える。ご清聴有難うございました。
【目的】当施設でのおむつ管理は排泄委員が行っている。排泄委員は、看護師1名、介護士4名、事務員1名、合計6名で構成されており主な役割は入所者の排尿・排便の状態確認、排泄改善の取り組み、おむつ管理・発注である。メンバーは定期的に交替があり私達は令和4年5月に編成された。その頃、原油高の影響でおむつ代の値上げがあると知らされ『コスト削減』を目標に掲げた。
【経過】令和4年度最初に、年の発注状況を確認した。おむつの種類や発注量の多さが気になり、改善すべき点があるのではないかと考えた。おむつ管理には、個々人が使用している種類の一日あたり使用枚数をデータ入力している。まず、おむつ種類と枚数をチェックし検証してみた。当時、おむつメーカーA社・B社2社から、パットだけでもサイズ別含め18種類あり、予備用の注文もかなり多かった。次に、各パット吸収量のくくりに幅を持たせ種類をまとめ、予備用の注文も減らした事で、自然と注文数が減少した。又、おむつ使用の変更がある際には、職員に分かり易く伝える為、トイレや浴室・居室に使用すべき種類を見やすく貼り出した。おむつ発注については種類に応じた注文数を間違えない様、排泄委員2人でダブルチェックを行い、事務所と連携しミスを防いだ。令和5年度に入り、令和4年度で取り組んだ事を継続した。ある時、取引きしていないC社のおむつの営業があった。「低コスト・高品質」という事で使用について委員会で検討した。商品が良ければ更にコスト削減出来ると、委員会で意思決定した。A社・B社2社に加えC社のおむつも使用する方向で、C社へ試供品及び見積りを依頼した。2週間分の試供品を使用した所、最初は尿失禁や尿量オーバーがあり、理想通りにいかなかった。そこでC社の社員から、おむつのあて方を指導してもらい改善できた。又、C社の試供品と同等のおむつをA社、B社に見積もりをもらい3社の価格と品質を比較しながらおむつ選定を行った。その際、入所者の状態をトイレ誘導と寝たきり別に考えてみた。その結果、トイレ誘導の方で失禁がな1日1枚程度使用者のパットは吸収量が少なく安価のC社、1日の中で交換が多い方のパットはB社、夜間、体動でズレる方のパットはA社に決定。寝たきりの方にはテープ止めおむつB社、日中のパットはB社、夜間のパットはC社に決まった。
【結果】おむつ購入金額と入所者状況は次の通り
令和3年度年間820万円(月平均88.7名)
令和4年度年間720万円(月平均84.0名)
令和5年度年間620万円(月平均87.6名)令和3年度から令和4年度では購入金額が100万減少した。コロナ禍により入所者数が減少した事も要因かと思えるが、発注数を精密に行った事が成果かと思える。令和4年度から令和5年度は前年より入所者数は増えたが購入金額は減少した。パットの種類を整理し18種類から11種類まで減らせ管理もし易くなった。長年A社商品をメインに使っていたが今回の見直しでA社:B社:C社の購入は「1:4:5」に変化。その結果、令和3年度から令和5年度2年間で年間200万のコスト削減となった。
【考察】普段、業務の一環として深く考えずに行っていた事が、立場が変わり目線が変わり、目標を設定し実現に向け取り組んだ事で成果が出せた。定期的な見直し、日頃の管理の重要性に気づかされた。特におむつは常時使用する物で継続的な出費がある。低コストかつ吸収量や褥瘡予防にも効果がある等、高品質な商品が次々開発され、今後も新しい情報と定期的な見直しを続けていきたい。又、変更時にはおむつの使い方や発注要領等、マニュアルの変更を行いスタッフと共有していく事が結果を出すポイントであるかと考える。
【まとめ】目標に向かい一致団結し、結果が現れた事にかなり達成感が得られ満足している。事務サイドからは、コロナ禍で収入が厳しい中、経費削減に尽力したと評価が得られた。今後も委員会が中心となりコスト管理だけでなく、排せつ支援加算を取得する等収入アップも図りかつ入所者のQOL向上の為のケアの質の向上にも取り組みたいと考える。ご清聴有難うございました。