講演情報

[15-O-L010-04]楽しい体操が機能向上に繋がった

*川中 翔太1、福永 喜生1、尾形 嘉彦1 (1. 大阪府 淀川キリスト教病院老人保健施設)
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当通所リハビリでは、以前はレクリエーションや作業中心であったが、2018年の法改正をきっかけにリハビリテーションに焦点を当てたサービスへ見直しを行なった。「しんどいリハビリ」から「楽しいリハビリ」に転換出来るような「集団体操」や「音楽体操」を作成・提供した。結果として運動時間が増え、LIFEのADL改善割合という項目において全国平均を大きく上回る約25.5%の向上がみられた。
1.はじめに 当施設は通所リハビリテーション(1日型・6-7時間)として運営を行なっている。 1日型では、利用者様の状態に合わせて、食事・入浴・リハビリ・体操・レクリエーション・作業といった一連のサービス提供をしている。 2018年以前の1日型では、リハビリの実施はしているがレクリエーションや作業等も好評で比較的時間も多くかけており、日常生活を介護するデイサービスといった内容になっている状態にあった。2.目的 2018年の法改正により『安心・安全で自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスを実現すること』という国の方針が打ち出され、通所リハビリテーションはよりリハビリに力を入れリハビリに特化したサービスを求められることとなった。それに伴い、当施設でも改めてリハビリテーションという所に焦点を当てたサービス内容への見直しを行なうこととした。3.取り組み 課題としては、利用者様から「リハビリはしんどい」という意見をよく耳にすることであった。そこで、介護職員が自ら介護予防運動指導員の資格を取得し、リハビリのセラピストによる専門的な個別リハビリ・自主訓練だけでなく「楽しく身体を動かし機能向上に繋げる」ということをコンセプトとし、「しんどいリハビリ」から「楽しいリハビリ」に転換出来るような体操を作成することとした。 まず利用者様に身体の気になる所や不安に感じている所をアンケート形式で聴取し、ニーズの高い身体の部分に特化した内容から考案・作成した。「腰痛予防体操」「転倒予防体操」「筋力強化体操」「いきいき棒体操」「健康維持体操」等、1,2年の間に多岐に渡って種類や内容を考案し実施した。 更にカラオケはレクリエーションにおいても非常に盛り上がる内容の一つであった為、利用者様に馴染みがあり人気がある歌に合わせた「音楽体操」を作成することとした。昔の歌謡曲や童謡・時代劇・六甲おろしなど、誰でも一度は耳にした事のある曲に合わせて体操を考案し、現在 約20曲程度作成している。利用者様も歌に合わせた体操により自然と身体を動かしてくださり、現在の体操の内容では欠かすことの出来ない内容となっている。4.結果および考察 セラピストによる専門性のある個別的なリハビリに加え、介護職員が作成した楽しく身体を動かす内容を取り組むことでどれだけADL改善に繋がっているかLIFEのデータを確認すると、ADLの改善割合という項目において全国平均では約6.4%の向上であったが当通所リハビリテーションでは約25.5%の向上がみられていた。5.まとめ 結果的にも機能改善に繋がっており『楽しく身体を動かす』ということをコンセプトにし、今後もセラピストと共に連携し利用者様の笑顔が増え、地域の方々の力となれるよう努めていきたい。