講演情報
[15-O-L011-05]運動だけがリハビリじゃない!作業活動から社会参加へ繋げる
*倉橋 一輝1、江口 裕己1、村瀬 紗耶加1、関谷 藍后1、山川 明日香1 (1. 岐阜県 介護老人保健施設西美濃さくら苑)
通所ご利用者の趣味を生かした取り組みを行い社会参加に繋げることができるようアプローチしたので報告する。趣味や興味のある活動を聴取し作品の作製・配布。作品を手に取った方に感想を書いていただきご利用者の心境の変化を見た。結果、運動が目的となっている方も、社会との関わりを持つことができその人らしい生活へと変化した。その人らしい社会参加の実現や社会的役割を持つことで生きがいや介護予防に繋がると考えられた。
「はじめに」
生活期リハビリテーションは日常生活の活動性を高め、さらに生きがいやQOLを向上させるため「心身機能」・「活動」・「参加」の各要素に働きかけることが求められている。通所リハビリテーションでは、運動(「心身機能」)の他に、余暇活動の場を設けることで、利用者が主体的に趣味活動やレクリエーション等に参加し(「活動」)、他者と交流する(「参加」)機会を支援している。高齢者にとって、余暇活動は生きがいや幸福感と関係することから、通所リハビリテーションにおいても余暇活動の重要性は認識されている。しかし、当施設ではご利用者のリハビリに対する思いは心身機能へのアプローチを希望されている方が多く、リハビリテーションが目的となっている事が多い為、「活動」や「参加」に対してのアプローチが不十分であると感じた。そこで今回、機器を用いた運動だけでなく趣味を生かした取り組みを行い、社会参加に繋げることができるようアプローチしたのでここに報告する。
「方法」
1)ご利用者を対象にリハビリテーションと聞いてどのような場面を思い浮かべるかアンケートをとった。
2)ご利用者の趣味や興味のある活動を聴取し作製した。(編み物、脱臭剤、小物入れ、毛糸たわし)
3)作製した作品を来苑者や面会に来られたご家族が自由に持って行けるよう玄関ロビーに設置した。
4)作品を手に取った方の感想を記入してもらい掲示した。
「結果」
ご利用者へのアンケート結果で一番多かったのは運動、二番目に多かったのは身体機能の回復、筋力をつける、つづいて歩行、脳トレの順であり、ご利用者の望むリハビリテーションは身体機能に関する印象が強いことが分かった。そこで、運動後にご利用者に趣旨を説明し、自宅でも行えるよう編み物が好きな2名から開始した。デイの利用中にも積極的に作製している姿を見て作ってみたいと希望されるご利用者が次第に増え、参加人数は22名まで増加した。また、作成した5つに加えお年玉袋、コースター、ティッシュケース、巾着袋など考案し、ご利用者の創作意欲が高められるよう随時変更した。初めは無くなった作品を職員が補充していたが、次第にご利用者自身が在庫状況を見て補充する姿が見られた。また、作品を手に取った方の感想を直接目に見る事で“使ってもらったことが分かり嬉しい”や“家にいて時間のある時も作ってみよう”など自立に繋がる姿も見られた。
「考察」
運動が目的となっているご利用者も、趣味や興味のある活動を聴取し、作品の作製・配布、作品を手に取った方の感想を見ることで、誰かに使ってもらえるという喜びや達成感が生まれ、社会との関わりをもつことができた。その中で、デザインや作り方を自身で考え作業するなど、ご本人の意欲を引き出すこともできた。また、普段テレビを見る時間や横になっている時間が長い方も手先を動かすことや座位・立位姿勢を取ることにより、活動的な生活へ変化したと考える。生活期に当たるご利用者は身体機能の維持は必要だが、今回の取り組みを通して地域の中に生きがいや役割をもって生活できるような居場所と出番作りを支援することができた。高齢者の介護予防が求められる中、運動だけでなくその人の趣味をいかした活動を行ったことで、その人らしい社会参加の実現や社会的役割を持つことができ、生きがいや介護予防に繋がると考える。
生活期リハビリテーションは日常生活の活動性を高め、さらに生きがいやQOLを向上させるため「心身機能」・「活動」・「参加」の各要素に働きかけることが求められている。通所リハビリテーションでは、運動(「心身機能」)の他に、余暇活動の場を設けることで、利用者が主体的に趣味活動やレクリエーション等に参加し(「活動」)、他者と交流する(「参加」)機会を支援している。高齢者にとって、余暇活動は生きがいや幸福感と関係することから、通所リハビリテーションにおいても余暇活動の重要性は認識されている。しかし、当施設ではご利用者のリハビリに対する思いは心身機能へのアプローチを希望されている方が多く、リハビリテーションが目的となっている事が多い為、「活動」や「参加」に対してのアプローチが不十分であると感じた。そこで今回、機器を用いた運動だけでなく趣味を生かした取り組みを行い、社会参加に繋げることができるようアプローチしたのでここに報告する。
「方法」
1)ご利用者を対象にリハビリテーションと聞いてどのような場面を思い浮かべるかアンケートをとった。
2)ご利用者の趣味や興味のある活動を聴取し作製した。(編み物、脱臭剤、小物入れ、毛糸たわし)
3)作製した作品を来苑者や面会に来られたご家族が自由に持って行けるよう玄関ロビーに設置した。
4)作品を手に取った方の感想を記入してもらい掲示した。
「結果」
ご利用者へのアンケート結果で一番多かったのは運動、二番目に多かったのは身体機能の回復、筋力をつける、つづいて歩行、脳トレの順であり、ご利用者の望むリハビリテーションは身体機能に関する印象が強いことが分かった。そこで、運動後にご利用者に趣旨を説明し、自宅でも行えるよう編み物が好きな2名から開始した。デイの利用中にも積極的に作製している姿を見て作ってみたいと希望されるご利用者が次第に増え、参加人数は22名まで増加した。また、作成した5つに加えお年玉袋、コースター、ティッシュケース、巾着袋など考案し、ご利用者の創作意欲が高められるよう随時変更した。初めは無くなった作品を職員が補充していたが、次第にご利用者自身が在庫状況を見て補充する姿が見られた。また、作品を手に取った方の感想を直接目に見る事で“使ってもらったことが分かり嬉しい”や“家にいて時間のある時も作ってみよう”など自立に繋がる姿も見られた。
「考察」
運動が目的となっているご利用者も、趣味や興味のある活動を聴取し、作品の作製・配布、作品を手に取った方の感想を見ることで、誰かに使ってもらえるという喜びや達成感が生まれ、社会との関わりをもつことができた。その中で、デザインや作り方を自身で考え作業するなど、ご本人の意欲を引き出すこともできた。また、普段テレビを見る時間や横になっている時間が長い方も手先を動かすことや座位・立位姿勢を取ることにより、活動的な生活へ変化したと考える。生活期に当たるご利用者は身体機能の維持は必要だが、今回の取り組みを通して地域の中に生きがいや役割をもって生活できるような居場所と出番作りを支援することができた。高齢者の介護予防が求められる中、運動だけでなくその人の趣味をいかした活動を行ったことで、その人らしい社会参加の実現や社会的役割を持つことができ、生きがいや介護予防に繋がると考える。