講演情報
[15-O-S001-01]令和6年能登半島地震支援報告DMSPにおける実践と課題
*深田 圭吾1 (1. 鳥取県 介護老人保健施設仁風荘、2. 小規模多機能ホーム仁風荘ひこな)
令和6年に発生した能登半島地震に対して、介護老人保健施設仁風荘は全老健災害相互支援プロジェクト(DMSP)に参加し、広範な支援活動を行いました。この報告書では、避難所運営の課題とその対策、支援者の挑戦、および養和会の支援者派遣の詳細について概説します。
令和6年に発生した能登半島地震に対して、介護老人保健施設仁風荘は全老健災害相互支援プロジェクト(DMSP)に参加し、広範な支援活動を行いました。この報告書では、避難所運営の課題とその対策、支援者の挑戦、および養和会の支援者派遣の詳細について概説します。【避難所の課題と解決策】避難所運営においては、ボランティアの過不足や職種間の連携不足が問題となりました。これに対し、石川県やDWATへの状況報告を毎日行い、他ブースとの積極的な情報交換を通じて連携を強化しました。支援物資の不十分な活用には、食堂ボランティアや清掃ボランティアを拡充することで対応。さらに、2次避難所への申し込みが進まない問題には、移動支援と運営主体との相談窓口の設置を行いました。また、特別なケアが必要な被災者への対応として、避難者テントでの積極的な声掛けと保健師チームへの連携を強化しました。【支援者の課題と対策】支援者自身も多くの課題に直面しており、その中で「何をすべきか」の不明瞭さが顕著でした。これに対処するため、介護ブース専用の支援者マニュアルを作成し、支援内容や手順を明確化しました。また、支援者間での知識格差やモチベーションの差が支援の質に影響を及ぼしていたため、法人内での基礎知識の伝達とマニュアルによる統一感の提供が行われました。【養和会の支援者派遣の取り組み】養和会からの支援者派遣は、自己完結型の準備(車両、食料、装備、医療品の提供)と情報ツールを活用した最新情報の共有により、後続班へのスムーズな引き継ぎが可能となりました。連続的な派遣計画により、支援者の不安を軽減し、現地での効果的な対応を実現しました。また、法人本部からの的確な指示が支援活動の品質を保証し、地域社会や職員家族会での報告を通じて、災害対応の重要性の認識と養和会の取り組みへの理解を深めました。これらの活動を通じて、仁風荘は災害時の迅速かつ効果的な支援を提供するとともに、災害対応能力の向上とBCP計画のブラッシュアップに寄与しました。この経験は、今後の災害対策の模範となり得るものであり、災害発生時の介護施設の役割と責任の重要性を浮き彫りにしました。