講演情報
[15-O-J006-04]施設における感染症発症時の食事提供を考える
*荻野 絵里1 (1. 栃木県 うつのみや病院附属介護老人保健施設)
施設内ノロウイルス感染発症(23名)を経験し、施設での感染症による消化器症状を発症した後の食事提供再開・開始食、食上げ等の検討・実施が必要となり、結果フローチャートの作成まで至ったため報告した。
【背景と目的】
病院併設の当施設では、食事オーダーは電子カルテであるが、施設としては「流動食」「3分粥食」の準備はしていなかった。また、利用者の消化器症状発症時は、その方の症状や状態、食事形態などに応じて、流動食外にて個別対応を行っていた。
その中で、ノロウイルス感染の集団感染が発生。一時期に多数の方に食事対応が必要となった。食事再開・食上げ時、既存の食事オーダーで、緊急的に食事内容を調整して消化器に配慮した食事提供をルール化して行うことができ、利用者が消化器症状を悪化させることなく経過し、普段の食生活に戻ることができたことを経験できたため報告した。
【方法】
食事開始となる方の食事摂取状況、摂取後の身体状況・消化器症状などを医師・看護師・介護士と評価しながら、オーダー可能な範囲で、食事内容を決定した。
【結果】
食止め後の開始食は、摂食状況に応じて食事内容をオーダーメイドすることができる既存の「セレクト食」を用い、食事内容:主食5分粥・ご飯の供・汁もの・卵豆腐とした。「セレクト・5分粥食」を3食摂取後に消化器症状のない場合は、既存の「全粥食」。同じく3食摂取後評価、消化器症状等問題ない場合に、食止め以前の食事に戻ることにした。
この食上げをフローチャート化した。
だが、対応する中で、嚥下機能低下の方への対応が問題となった。とろみ利用の方には、粥・汁ものにはとろみを付けるとした(5分粥とろみのオーダーは既存になく、フリーコメント指示となる)。「嚥下調整食」だった方は、全粥食をきざみ食(1cmカット)としたが、やはり摂取困難者がおり、消化器負担を考慮し、元々の嚥下調整食の半分量(ハーフ食)・主食は全粥として提供とした。
【考察】
施設においては、摂食嚥下機能低下者の割合が多いため、一般的な食上げでは困難を来す。日常および療養中の両方の摂食嚥下状況を理解した看護師・介護士との連携が極めて重要である。
【まとめ】
看護師・介護士さらに医師との連携により当施設での、嚥下機能低下者も考えあわせた、消化器症状発症による食止め後の食事再開・食上げのフローチャートを確立することができた。
病院併設の当施設では、食事オーダーは電子カルテであるが、施設としては「流動食」「3分粥食」の準備はしていなかった。また、利用者の消化器症状発症時は、その方の症状や状態、食事形態などに応じて、流動食外にて個別対応を行っていた。
その中で、ノロウイルス感染の集団感染が発生。一時期に多数の方に食事対応が必要となった。食事再開・食上げ時、既存の食事オーダーで、緊急的に食事内容を調整して消化器に配慮した食事提供をルール化して行うことができ、利用者が消化器症状を悪化させることなく経過し、普段の食生活に戻ることができたことを経験できたため報告した。
【方法】
食事開始となる方の食事摂取状況、摂取後の身体状況・消化器症状などを医師・看護師・介護士と評価しながら、オーダー可能な範囲で、食事内容を決定した。
【結果】
食止め後の開始食は、摂食状況に応じて食事内容をオーダーメイドすることができる既存の「セレクト食」を用い、食事内容:主食5分粥・ご飯の供・汁もの・卵豆腐とした。「セレクト・5分粥食」を3食摂取後に消化器症状のない場合は、既存の「全粥食」。同じく3食摂取後評価、消化器症状等問題ない場合に、食止め以前の食事に戻ることにした。
この食上げをフローチャート化した。
だが、対応する中で、嚥下機能低下の方への対応が問題となった。とろみ利用の方には、粥・汁ものにはとろみを付けるとした(5分粥とろみのオーダーは既存になく、フリーコメント指示となる)。「嚥下調整食」だった方は、全粥食をきざみ食(1cmカット)としたが、やはり摂取困難者がおり、消化器負担を考慮し、元々の嚥下調整食の半分量(ハーフ食)・主食は全粥として提供とした。
【考察】
施設においては、摂食嚥下機能低下者の割合が多いため、一般的な食上げでは困難を来す。日常および療養中の両方の摂食嚥下状況を理解した看護師・介護士との連携が極めて重要である。
【まとめ】
看護師・介護士さらに医師との連携により当施設での、嚥下機能低下者も考えあわせた、消化器症状発症による食止め後の食事再開・食上げのフローチャートを確立することができた。