講演情報
[15-O-C008-07]訪問リハにおける看護職の視点の重要性ステーション化を機に気づけた地域ニーズ
*南 由美1 (1. 三重県 介護老人保健施設きなん苑)
当施設では従来よりみなしの訪問リハを提供してきた。今春、より幅広い対象者へのサービス提供を目的に訪問看護ステーションを開設しリハ職と看護職の多職種チームによる訪問リハを開始した。その結果、利用者の潜在的ニーズに気づくことでより良質な利用者支援につながり、他のケアチーム員とも共有することができた。さらに訪問看護単独依頼も増加し、この地域で求められる訪問サービス像を具体化できた。
【はじめに】
三重県東紀州地域は全国的に見ても高齢化率が高く、人口の40%以上を65歳以上の高齢者が占めている。当施設が位置する東紀州南部の紀南地域の人口密度は県内 29 市町村中、21位、22位、27 位と下位に位置し、全域の7-8割を山間部が占めている。従来より訪問リハを提供している事業所が地域内少なく、当施設よりみなし指定の訪問リハビリを紀南地域内の広域にわたって提供してきた。介護保険利用者以外へのサービス提供を目的に、今年4月に訪問看護ステーションを立ち上げることとなった結果、従来はリハ職単独で訪問リハを提供していたが、看護職が定期的に関わることで多職種チームによるサービス提供が可能になった。
【目的】
訪問リハを多職種で関わるメリットについて振り返り、どのような潜在的地域ニーズに合致したのかを検証する。
【方法】
・既に訪問リハを利用していた利用者について、訪問看護ステーション開設後、利用者に対するサービスがどのように変化したか、担当スタッフの認識がどのように変化したかについて振り返りを行う。
・どのような地域ニーズに合致し、なぜ顕在化していなかったか、小グループディスカッションを行う
【結果】
・別職種セラピスト介入の必要性を感じた利用者、セラピストと共に看護師の定期的な介入が望ましいと考えた利用者が数名見られた。
・病院MSW、ケアマネジャーからの依頼で訪問看護のみのサービスが開始となった利用者、 老健入所に至った利用者が若干名ではあったが見られた。
・利用者自宅までの移動時間は最長1時間に及び、サービス提供の持続可能性についての課題を改めて考えさせられたが、訪問看護ステーションに求められるものは、事業所の数やスタッフ数だけでなく、的確なアセスメントとケアマネジャー等関係多職種に提案できる能力等の質の部分が大きいのではないかとの意見があった。
【考察】
今回、医療、介護資源が少ない地域での老健スタッフを基盤に訪問看護ステーションを立ち上げたが、老健の勤務経験があるリーダーによるチーム編成だったためか、利用者の日常生活、 生活環境を含めたその利用者の全体像を多角的にみる意識が高いチーム形成が行われた可能性がある。これまでセラピストが単独で介入していたが、その提供内容を再考する必要性を提案するなど、多職種協働の利点を活用できているようである。
過疎地域の利用者も、在宅で自分らしく生きたいと願っている方は多いはずであり、それは過疎地域でも都市部でも同じである。老健がもつ特性である多職種協働により、よりその人に合ったサービスを提供できる可能性があると感じる。
「在宅療養環境の整備」 「山間遠隔地の利用希望者への介入」「地域の訪問看護ステーションそれぞれの特徴を知り有効活用してもらう」これらのことで、多くの医療的支援が必要になる前の、予防的介入が重要でありそれができるのは老健を基盤とした訪問看護ステーションの強みではないかと考えさせられた。
【終わりに】
利用者の生活を支える上で、多職種協働で関わることは多角的な視点で関わることができ、課題や対策をケアチームに提案していくことで、限られた地域資源しかないから仕方ないという認識を変化させる可能性がある。応用すると、単独で提供している各サービスについても、多職種で評価をすると新たな選択肢や解決方法が見いだせる可能性があるかもしれない。
三重県東紀州地域は全国的に見ても高齢化率が高く、人口の40%以上を65歳以上の高齢者が占めている。当施設が位置する東紀州南部の紀南地域の人口密度は県内 29 市町村中、21位、22位、27 位と下位に位置し、全域の7-8割を山間部が占めている。従来より訪問リハを提供している事業所が地域内少なく、当施設よりみなし指定の訪問リハビリを紀南地域内の広域にわたって提供してきた。介護保険利用者以外へのサービス提供を目的に、今年4月に訪問看護ステーションを立ち上げることとなった結果、従来はリハ職単独で訪問リハを提供していたが、看護職が定期的に関わることで多職種チームによるサービス提供が可能になった。
【目的】
訪問リハを多職種で関わるメリットについて振り返り、どのような潜在的地域ニーズに合致したのかを検証する。
【方法】
・既に訪問リハを利用していた利用者について、訪問看護ステーション開設後、利用者に対するサービスがどのように変化したか、担当スタッフの認識がどのように変化したかについて振り返りを行う。
・どのような地域ニーズに合致し、なぜ顕在化していなかったか、小グループディスカッションを行う
【結果】
・別職種セラピスト介入の必要性を感じた利用者、セラピストと共に看護師の定期的な介入が望ましいと考えた利用者が数名見られた。
・病院MSW、ケアマネジャーからの依頼で訪問看護のみのサービスが開始となった利用者、 老健入所に至った利用者が若干名ではあったが見られた。
・利用者自宅までの移動時間は最長1時間に及び、サービス提供の持続可能性についての課題を改めて考えさせられたが、訪問看護ステーションに求められるものは、事業所の数やスタッフ数だけでなく、的確なアセスメントとケアマネジャー等関係多職種に提案できる能力等の質の部分が大きいのではないかとの意見があった。
【考察】
今回、医療、介護資源が少ない地域での老健スタッフを基盤に訪問看護ステーションを立ち上げたが、老健の勤務経験があるリーダーによるチーム編成だったためか、利用者の日常生活、 生活環境を含めたその利用者の全体像を多角的にみる意識が高いチーム形成が行われた可能性がある。これまでセラピストが単独で介入していたが、その提供内容を再考する必要性を提案するなど、多職種協働の利点を活用できているようである。
過疎地域の利用者も、在宅で自分らしく生きたいと願っている方は多いはずであり、それは過疎地域でも都市部でも同じである。老健がもつ特性である多職種協働により、よりその人に合ったサービスを提供できる可能性があると感じる。
「在宅療養環境の整備」 「山間遠隔地の利用希望者への介入」「地域の訪問看護ステーションそれぞれの特徴を知り有効活用してもらう」これらのことで、多くの医療的支援が必要になる前の、予防的介入が重要でありそれができるのは老健を基盤とした訪問看護ステーションの強みではないかと考えさせられた。
【終わりに】
利用者の生活を支える上で、多職種協働で関わることは多角的な視点で関わることができ、課題や対策をケアチームに提案していくことで、限られた地域資源しかないから仕方ないという認識を変化させる可能性がある。応用すると、単独で提供している各サービスについても、多職種で評価をすると新たな選択肢や解決方法が見いだせる可能性があるかもしれない。