講演情報
[15-P-P201-04]介護現場における多様な働き方~介護助手の導入~
*有田 悦子1、安江 友美1、安江 真里子1、桂川 ちとせ1、大脇 文か1、今井 希実1 (1. 岐阜県 東白川村国保診療所附属介護老人保健施設)
介護助手の導入に伴い、その効果を確かめるため、老健職員(看護師、介護福祉士、介護士、介護助手)を対象とし、アンケート調査を実施検討した。結果、介護職・看護職に新たな時間が生まれたことで、見守りが強化され、転倒などの事故を未然に防ぐ機会が増えた。また、ケースカンファレンスの実施やレクレーションの充実、細やかな申し送りの時間が持てるなど、ご利用者様に対しサービスの向上につながったことを報告する。
【はじめに】
介護の現場では人材の不足が大きな問題となっている。当施設では人材確保の一環として、令和4年から介護助手の導入を検討し、令和5年より採用を開始。令和6年6月現在3名の介護助手が働いている。短時間勤務でシフトを組み、多様な業務を担っている。共に働く心強い存在となっている。
【研究目的】
当施設は16床という小さな老健である。地域に寄り添い、各種機関や多職種間での連携を大切にし、職員とご家族様の結びつきを丁寧に持つことで、ご利用者様とご家族様の絆がより深まるようなサポートすることが責務であるととらえている。また、小さな老健だからこそ、より1人1人の個を大切にし、密なサービスの提供を心掛けている。そのため、ご利用者様1人にかかる仕事の種類が多様で、介護、看護業務以外の仕事も多くあった。また、職員の高齢化が進み、定年退職する職員、近く定年を迎える職員も多い。今後もより質の高いサービスの提供を行うために、介護助手を導入したことで新たに生まれた時間をどのように有効活用していくのがよいか、サービスの向上につなげるか、新たな可能性、そして今後の課題を明確化するために本研究を行った。
【方法】
老健職員(看護師、介護福祉士、介護士、介護助手)20名を対象とし、アンケートを実施し、聞き取り調査を行い検討した。また、その結果をもとに定期的にカンファレンスを行い、業務の改善について検討した。
【結果】
アンケートの結果より、以下の業務改善につながったと考える。
(1)安全の確保。見守りが強化され、転倒や転落などの事故を未然に防ぐ機会が増えた。特に夜勤帯には職員が減るため、ご利用者の就寝前の時間帯など、確実な見守りが行えるようになった。また、ご利用者様の日中活動量が増えた。
(2)きめ細やかな申し送りの実現。パート勤務者が多いため、申し送りに時間を取ることで、ケアの統一が図れ、個を大切にした密なケアにつながった。
(3)レクレーションの充実。レクレーションの準備が平日の日勤帯で行えるようになり、提供するレクレーションの種類やレベルが上がりつつある。
(4)ケースカンファレンスの実施。少しの時間を使い、ご利用者様に関することであったり、ヒヤリハットや事故報告書をもとに多職種間で情報交換や意見交換を行うことができるようになった。
また、新たな課題として
(1)医療人としての知識を提供すること。個人情報の保護の面や感染予防など、基本的な教育面の充実は必要である。
(2)働く中で、やりがいや楽しみを持っていただける環境を整えること。ご利用者様との身体的な接触はなくとも、レクレーションへの参加など、よりご利用者様とのコミュニケーションを図ることのできる環境の整備が必要である。
以上の点など、明確化することができた。
【考察】
現在介護助手はベッドメイキングや掃除、入退所持の荷物チェックをはじめ、多くの仕事を担っている。また、今後介護助手のニーズや役割は大きくなると考える。介護職との役割のラインを明確化し、自施設独自のマニュアルを作成していくことが必要である。そして、介護・看護と同等の立場で働くことのできる環境を作っていく必要があると考える。
介護の現場では人材の不足が大きな問題となっている。当施設では人材確保の一環として、令和4年から介護助手の導入を検討し、令和5年より採用を開始。令和6年6月現在3名の介護助手が働いている。短時間勤務でシフトを組み、多様な業務を担っている。共に働く心強い存在となっている。
【研究目的】
当施設は16床という小さな老健である。地域に寄り添い、各種機関や多職種間での連携を大切にし、職員とご家族様の結びつきを丁寧に持つことで、ご利用者様とご家族様の絆がより深まるようなサポートすることが責務であるととらえている。また、小さな老健だからこそ、より1人1人の個を大切にし、密なサービスの提供を心掛けている。そのため、ご利用者様1人にかかる仕事の種類が多様で、介護、看護業務以外の仕事も多くあった。また、職員の高齢化が進み、定年退職する職員、近く定年を迎える職員も多い。今後もより質の高いサービスの提供を行うために、介護助手を導入したことで新たに生まれた時間をどのように有効活用していくのがよいか、サービスの向上につなげるか、新たな可能性、そして今後の課題を明確化するために本研究を行った。
【方法】
老健職員(看護師、介護福祉士、介護士、介護助手)20名を対象とし、アンケートを実施し、聞き取り調査を行い検討した。また、その結果をもとに定期的にカンファレンスを行い、業務の改善について検討した。
【結果】
アンケートの結果より、以下の業務改善につながったと考える。
(1)安全の確保。見守りが強化され、転倒や転落などの事故を未然に防ぐ機会が増えた。特に夜勤帯には職員が減るため、ご利用者の就寝前の時間帯など、確実な見守りが行えるようになった。また、ご利用者様の日中活動量が増えた。
(2)きめ細やかな申し送りの実現。パート勤務者が多いため、申し送りに時間を取ることで、ケアの統一が図れ、個を大切にした密なケアにつながった。
(3)レクレーションの充実。レクレーションの準備が平日の日勤帯で行えるようになり、提供するレクレーションの種類やレベルが上がりつつある。
(4)ケースカンファレンスの実施。少しの時間を使い、ご利用者様に関することであったり、ヒヤリハットや事故報告書をもとに多職種間で情報交換や意見交換を行うことができるようになった。
また、新たな課題として
(1)医療人としての知識を提供すること。個人情報の保護の面や感染予防など、基本的な教育面の充実は必要である。
(2)働く中で、やりがいや楽しみを持っていただける環境を整えること。ご利用者様との身体的な接触はなくとも、レクレーションへの参加など、よりご利用者様とのコミュニケーションを図ることのできる環境の整備が必要である。
以上の点など、明確化することができた。
【考察】
現在介護助手はベッドメイキングや掃除、入退所持の荷物チェックをはじめ、多くの仕事を担っている。また、今後介護助手のニーズや役割は大きくなると考える。介護職との役割のラインを明確化し、自施設独自のマニュアルを作成していくことが必要である。そして、介護・看護と同等の立場で働くことのできる環境を作っていく必要があると考える。