講演情報
[15-P-P101-02]モチベーションを取り戻せ!感染症に負けない褒める力
*強矢 未来1 (1. 群馬県 介護老人保健施設けやき苑)
感染症流行に伴い下がってしまった職員のモチベーションを取り戻し、より良い介護を提供できないか検討した。「欲求段階説」から承認の欲求を満たすように職員間で褒めあうことを1ヶ月実施し、アンケートとインタビューで評価した。褒められ評価されることで嬉しいだけでなく、やる気や意欲がプラスになる影響を与えた。信頼関係を深めることができチーム力が向上し、より良い介護を提供できたのだと考える。
【はじめに】
新型コロナウイルス感染拡大は、介護分野に大きな影響をもたらした。新型コロナウイルス感染症は2類相当から5類感染症へと引き下げられた。しかし、重症化リスクの高い要介護高齢者が集団生活を送っている老人保健施設においては、ひとたび感染者が発生すれば「クラスター」となりやすく、また利用者が非常に危険な状況にさらされることになる。そのため感染対策は続き、施設職員は感染症対策への長引く緊張感やクラスター発生への恐怖、プライベートでも制約のある生活でストレスが大きく仕事へのモチベーションが下がっているのではないかと感じた。
【目的】
感染症流行に伴い、下がってしまった職員のモチベーションを取り戻し、どうしたらより良い介護を提供できるかを考え、今回の研究を行った。
【方法】
アブラハム・マズローの「欲求段階説」から、承認の欲求を満たすように日勤帯で職員間のペアを作り1日のうちで1度以上相手の良い所(真似たい所)を見つけ、相手に伝える(褒める)。実施期間は1カ月程。アンケートとインタビューにて評価する。
【結果】
褒められて多くの職員は「嬉しい」96%「自信がもてた」69%「認められた・頑張ろうと思った(励みになった)」78%という結果になった。また、「自分の気づかない一面に気づけた」42%という意見も多く驚いた。
褒める、褒められることを続け変わったことは「相手の良いところを探すようになった」52%「意欲(モチベーション)が上がった」72%「職場でのコミュニケーションが増えた」48%「信頼関係が深まった」50%の意見があった。
また上記の事で利用者様に対しても「穏やかに対応できた」82%「利用者様の気持ちを考え行動に移すようになった」56%「笑顔で対応している時間が増えた」78%等、プラスなことが多かった。マイナスな面としては「本当にそう思っているのか疑わしい」2%「恥ずかしい」32%という意見があった。
【考察】
褒められ評価されることで嬉しいだけでなく、自分のセルフイメージが高くなり自分自身に持っている認識や思い込み、イメージがよりポジディブなものに変わっていった。また褒められることで、今まで気づいていなかった自分の「良い所」に気づくこともありセルフイメージを高めてくれたと考える。「もっと、できるのではないか」と新たな可能性を見出すきっかけになり、それにチャレンジするという意欲にもつながり、そこから自分でも思いもしなかった素晴らしい結果につながるのではないか。
褒められた人は「嬉しい」と感じることで脳からドーパミンという脳内物質が分泌される。ドーパミンは脳の内部での行動が強化され運動や学習、やる気や意欲にプラスになる影響を与える。そこから結果や成果の向上につながるのだ。このように褒めることは褒められた人に良い影響をもたらすのだ。この時、褒めた自分自身も「自分のことのように嬉しい」と感じることができ、褒められた人と同じようにドーパミンが分泌され脳が活性化されて普段の行動に良い影響をもたらし、幸福感や満足感となる。
職員間で褒めあうことで、モチベーションを上げコミュニケーションを円滑にし、信頼関係を築くことができた。信頼関係が更に深まることで褒めることへの恥ずかしさは軽減していくのではないだろうか。信頼関係ができてきたことでチーム力が向上し、より良い介護を提供できたのだと考える。
【結論】
この取り組みの後から当苑では毎月、「褒めの強化週間」を設定し、相手を褒めることを習慣になるようとりくんでいる。
新型コロナウイルスの対応だけでなく日々の業務の中でモチベーション維持は利用者様にも大きな影響を与える。コミュニケーションを工夫し、褒めを取り入れ職員同士認めあうことでモチベーションを高めることができる。
新型コロナウイルス感染拡大は、介護分野に大きな影響をもたらした。新型コロナウイルス感染症は2類相当から5類感染症へと引き下げられた。しかし、重症化リスクの高い要介護高齢者が集団生活を送っている老人保健施設においては、ひとたび感染者が発生すれば「クラスター」となりやすく、また利用者が非常に危険な状況にさらされることになる。そのため感染対策は続き、施設職員は感染症対策への長引く緊張感やクラスター発生への恐怖、プライベートでも制約のある生活でストレスが大きく仕事へのモチベーションが下がっているのではないかと感じた。
【目的】
感染症流行に伴い、下がってしまった職員のモチベーションを取り戻し、どうしたらより良い介護を提供できるかを考え、今回の研究を行った。
【方法】
アブラハム・マズローの「欲求段階説」から、承認の欲求を満たすように日勤帯で職員間のペアを作り1日のうちで1度以上相手の良い所(真似たい所)を見つけ、相手に伝える(褒める)。実施期間は1カ月程。アンケートとインタビューにて評価する。
【結果】
褒められて多くの職員は「嬉しい」96%「自信がもてた」69%「認められた・頑張ろうと思った(励みになった)」78%という結果になった。また、「自分の気づかない一面に気づけた」42%という意見も多く驚いた。
褒める、褒められることを続け変わったことは「相手の良いところを探すようになった」52%「意欲(モチベーション)が上がった」72%「職場でのコミュニケーションが増えた」48%「信頼関係が深まった」50%の意見があった。
また上記の事で利用者様に対しても「穏やかに対応できた」82%「利用者様の気持ちを考え行動に移すようになった」56%「笑顔で対応している時間が増えた」78%等、プラスなことが多かった。マイナスな面としては「本当にそう思っているのか疑わしい」2%「恥ずかしい」32%という意見があった。
【考察】
褒められ評価されることで嬉しいだけでなく、自分のセルフイメージが高くなり自分自身に持っている認識や思い込み、イメージがよりポジディブなものに変わっていった。また褒められることで、今まで気づいていなかった自分の「良い所」に気づくこともありセルフイメージを高めてくれたと考える。「もっと、できるのではないか」と新たな可能性を見出すきっかけになり、それにチャレンジするという意欲にもつながり、そこから自分でも思いもしなかった素晴らしい結果につながるのではないか。
褒められた人は「嬉しい」と感じることで脳からドーパミンという脳内物質が分泌される。ドーパミンは脳の内部での行動が強化され運動や学習、やる気や意欲にプラスになる影響を与える。そこから結果や成果の向上につながるのだ。このように褒めることは褒められた人に良い影響をもたらすのだ。この時、褒めた自分自身も「自分のことのように嬉しい」と感じることができ、褒められた人と同じようにドーパミンが分泌され脳が活性化されて普段の行動に良い影響をもたらし、幸福感や満足感となる。
職員間で褒めあうことで、モチベーションを上げコミュニケーションを円滑にし、信頼関係を築くことができた。信頼関係が更に深まることで褒めることへの恥ずかしさは軽減していくのではないだろうか。信頼関係ができてきたことでチーム力が向上し、より良い介護を提供できたのだと考える。
【結論】
この取り組みの後から当苑では毎月、「褒めの強化週間」を設定し、相手を褒めることを習慣になるようとりくんでいる。
新型コロナウイルスの対応だけでなく日々の業務の中でモチベーション維持は利用者様にも大きな影響を与える。コミュニケーションを工夫し、褒めを取り入れ職員同士認めあうことでモチベーションを高めることができる。