講演情報
[27-O-A003-02]介護人材モデル事業による業務改善と質向上への取組み
福岡県 ○川崎 千夏, 紺谷 和代 (介護老人保健施設伸寿苑)
【はじめに】
北九州市モデル事業による「介護助手活用モデル(ケアすけっと)」に3ヵ月間トライアルし介護現場での生産性向上に向け、改めて業務の見直しを行った。その結果、間接業務に携わる介護助手へ業務を移行した事で専門職として行うべきケアの充実や業務の効率化が図れた。そこで今回はモデル事業に携わった療養棟の看護、介護職員へのアンケート調査ならびにモデル事業対象者(以下:ケアすけっと)への面談による聞き取り調査を実施し、業務の効率化およびケアの質向上への取り組みについて考察する。
【方法】
対象者 R6年9月1日~R7年2月1日までに伸寿苑当該階に在籍する
看護・介護職員19名、ケアすけっと3名
方法:1)モデル委託事業者との業務整理
(現状把握・業務の切り分け、新業務スケジュール作成に向けた打ち合わせ・調整)
2)伸寿苑当該階に在籍する看護・介護職員へ導入目的、詳細説明
モデル事業導入前後に委託事業者作成のアンケート調査実施
アンケート内容(周辺業務の負担感、日頃の業務で感じる事、施設設の状況に対する考え、ケアすけっと導入前
後での療養環境、周辺業務を担う人材の必要性、業務移行した事で出来た時間の活用方法)
3)ケアすけっと3名へ面談による聞き取り調査を実施
【結果】
モデル事業開始前に、委託事業者と5回の打ち合わせを行い、まず勤務帯別に間接業務に要する時間を時系列に可視化した。次に業務の切り分け(4つの視点:工程、タイミング、物品・ツール、実施者)を行い現行の業務の効率化や改善の検討を行った。その上でケアすけっとへ移行する業務内容を決めた。ケアすけっとの勤務体制は週2~4日、時間帯は8時~12時、9時~13時、17時~21時、1日4時間勤務だった。内容は浴室準備、一般ゴミ集め・ゴミ捨て、清掃(浴室、ホール内、キッチン、車椅子)、トイレ・廊下の手すり消毒、オムツ・リネン補充、、食事前準備、配膳・下膳、食器洗浄、必要物品の補充とした。その後、職員へケアすけっと導入の目的、詳細説明、アンケート協力依頼を実施した。アンケート結果からケアすけっとに間接業務を移行した事で出来た時間を有効活用する為の目標を「必要書類作成の時間確保」とした。
委託事業者とはケアすけっと導入後も定期的にオンラインで進捗状況などヒアリングを行った。導入後、当初の目標への取り組みはケアすけっとの勤務体制に合わず取り組みが難しい事から再度目標を見直し「入浴ケアの充実を図る」とした。
職員アンケートの回収率は84%(導入前19名、導入後16名)であった。アンケート結果は周辺業務の負担感の有無では精神的負担感が有るが、導入前79%、導入後56%であった。日頃の業務に対する考えの項目ではゆとりをもって業務にあたれているが導入前43%、導入後63%、療養者とのコミュニケーションの時間が取れているでは導入前58%、導入後63%であった。施設の状況に対する考えの項目ではより良いケア実施、質向上の為職員・職種間で連携が出来ているでは導入前74%、導入後94%であった。ケアすけっと導入前後での療養環境の項目で衛生・清潔な環境の保持、改善の有無では有り57%、無し43%であった。周辺業務を担う人材の必要性の項目で直接業務以外の周辺業務を中心に担う人材は必要だと思うは94%であった。
ケアすけっとへの聞き取り調査では全員が介護助手として働くやりがいを感じる、介護助手の仕事を知り合いに勧めたいと答えた。身体的負担が有ると答えたのは1名だった。
【考察】
モデル事業開始前に、間接業務に要する時間を可視化してみた事で、1業務の所要時間や、業務の切り分けによる、業務介入時間の妥当、使用物品、実施者など見直す機会となった。またケアすけっとに業務移行した場合に出来る時間の活用内容とその内容を職員アンケートから考えや意向確認が出来、そして目標を設定する事に繋がった。当初の目標への取り組みが難しかったのはケアすけっとの勤務体制(勤務日数、勤務時間など)から書類作成時間の抽出が難しかった事が要因と考える。そこで目標を「入浴ケアの充実を図る」に変更した。ケアすけっとが入浴前後の準備、片づけを行ってくれる事でスムーズに入浴が開始出来、焦らずゆとりを持ち丁寧に細部までよりケアの充実が図れた。浴室環境が整い療養者が快適に入浴でき療養者と関わる時間が増えた、また備品の補充に手を取られることがなくなりストレスが軽減したなど、導入後アンケートより精神的負担感の軽減、ケア前後の準備により効率的な業務遂行、またケアの質の向上につながったと考える。
「ケアすけっと導入前後で変化があった項目としては療養環境の改善がもっとも高く、今回のケアすけっと導入は有効だったと考える。さらに「周辺業務を担う人材の必要性」は大多数の職員が必要を感じている事がわかった。
介護の生産性向上を図る事は、働きやすい環境を作り、専門職として役割の充実やケアの質向上、療養者との密な時間が増える事でやりがいが生まれ離職防止、人員確保に繋がるものと考える。
【まとめ・今後の課題】
今回、3ヵ月間のトライアル期間を経て、間接業務を担う人材を確保する事で私達の業務効率化が図れた。間接業務を移行する事で専門職としての役割(直接ケア、個別ケア、コミュニケーションの充実、生活リハビリ、アクティビティ活動、在宅訪問実施、ご家族支援など)への充実に向け今後も業務の見直し、改善を継続して取り組んでいきたい。
北九州市モデル事業による「介護助手活用モデル(ケアすけっと)」に3ヵ月間トライアルし介護現場での生産性向上に向け、改めて業務の見直しを行った。その結果、間接業務に携わる介護助手へ業務を移行した事で専門職として行うべきケアの充実や業務の効率化が図れた。そこで今回はモデル事業に携わった療養棟の看護、介護職員へのアンケート調査ならびにモデル事業対象者(以下:ケアすけっと)への面談による聞き取り調査を実施し、業務の効率化およびケアの質向上への取り組みについて考察する。
【方法】
対象者 R6年9月1日~R7年2月1日までに伸寿苑当該階に在籍する
看護・介護職員19名、ケアすけっと3名
方法:1)モデル委託事業者との業務整理
(現状把握・業務の切り分け、新業務スケジュール作成に向けた打ち合わせ・調整)
2)伸寿苑当該階に在籍する看護・介護職員へ導入目的、詳細説明
モデル事業導入前後に委託事業者作成のアンケート調査実施
アンケート内容(周辺業務の負担感、日頃の業務で感じる事、施設設の状況に対する考え、ケアすけっと導入前
後での療養環境、周辺業務を担う人材の必要性、業務移行した事で出来た時間の活用方法)
3)ケアすけっと3名へ面談による聞き取り調査を実施
【結果】
モデル事業開始前に、委託事業者と5回の打ち合わせを行い、まず勤務帯別に間接業務に要する時間を時系列に可視化した。次に業務の切り分け(4つの視点:工程、タイミング、物品・ツール、実施者)を行い現行の業務の効率化や改善の検討を行った。その上でケアすけっとへ移行する業務内容を決めた。ケアすけっとの勤務体制は週2~4日、時間帯は8時~12時、9時~13時、17時~21時、1日4時間勤務だった。内容は浴室準備、一般ゴミ集め・ゴミ捨て、清掃(浴室、ホール内、キッチン、車椅子)、トイレ・廊下の手すり消毒、オムツ・リネン補充、、食事前準備、配膳・下膳、食器洗浄、必要物品の補充とした。その後、職員へケアすけっと導入の目的、詳細説明、アンケート協力依頼を実施した。アンケート結果からケアすけっとに間接業務を移行した事で出来た時間を有効活用する為の目標を「必要書類作成の時間確保」とした。
委託事業者とはケアすけっと導入後も定期的にオンラインで進捗状況などヒアリングを行った。導入後、当初の目標への取り組みはケアすけっとの勤務体制に合わず取り組みが難しい事から再度目標を見直し「入浴ケアの充実を図る」とした。
職員アンケートの回収率は84%(導入前19名、導入後16名)であった。アンケート結果は周辺業務の負担感の有無では精神的負担感が有るが、導入前79%、導入後56%であった。日頃の業務に対する考えの項目ではゆとりをもって業務にあたれているが導入前43%、導入後63%、療養者とのコミュニケーションの時間が取れているでは導入前58%、導入後63%であった。施設の状況に対する考えの項目ではより良いケア実施、質向上の為職員・職種間で連携が出来ているでは導入前74%、導入後94%であった。ケアすけっと導入前後での療養環境の項目で衛生・清潔な環境の保持、改善の有無では有り57%、無し43%であった。周辺業務を担う人材の必要性の項目で直接業務以外の周辺業務を中心に担う人材は必要だと思うは94%であった。
ケアすけっとへの聞き取り調査では全員が介護助手として働くやりがいを感じる、介護助手の仕事を知り合いに勧めたいと答えた。身体的負担が有ると答えたのは1名だった。
【考察】
モデル事業開始前に、間接業務に要する時間を可視化してみた事で、1業務の所要時間や、業務の切り分けによる、業務介入時間の妥当、使用物品、実施者など見直す機会となった。またケアすけっとに業務移行した場合に出来る時間の活用内容とその内容を職員アンケートから考えや意向確認が出来、そして目標を設定する事に繋がった。当初の目標への取り組みが難しかったのはケアすけっとの勤務体制(勤務日数、勤務時間など)から書類作成時間の抽出が難しかった事が要因と考える。そこで目標を「入浴ケアの充実を図る」に変更した。ケアすけっとが入浴前後の準備、片づけを行ってくれる事でスムーズに入浴が開始出来、焦らずゆとりを持ち丁寧に細部までよりケアの充実が図れた。浴室環境が整い療養者が快適に入浴でき療養者と関わる時間が増えた、また備品の補充に手を取られることがなくなりストレスが軽減したなど、導入後アンケートより精神的負担感の軽減、ケア前後の準備により効率的な業務遂行、またケアの質の向上につながったと考える。
「ケアすけっと導入前後で変化があった項目としては療養環境の改善がもっとも高く、今回のケアすけっと導入は有効だったと考える。さらに「周辺業務を担う人材の必要性」は大多数の職員が必要を感じている事がわかった。
介護の生産性向上を図る事は、働きやすい環境を作り、専門職として役割の充実やケアの質向上、療養者との密な時間が増える事でやりがいが生まれ離職防止、人員確保に繋がるものと考える。
【まとめ・今後の課題】
今回、3ヵ月間のトライアル期間を経て、間接業務を担う人材を確保する事で私達の業務効率化が図れた。間接業務を移行する事で専門職としての役割(直接ケア、個別ケア、コミュニケーションの充実、生活リハビリ、アクティビティ活動、在宅訪問実施、ご家族支援など)への充実に向け今後も業務の見直し、改善を継続して取り組んでいきたい。
