講演情報
[27-O-A003-03]リハビリ職のデイケア専従化による実績と効果について
北海道 ○佐野 公秀, 井上 友太 (医療法人やわらぎ会 介護老人保健施設 やわらぎ苑上磯)
【はじめに】
通所リハビリ(以下、デイケア)の定義は、「心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」1)である。デイケアでは、専門職によるリハビリテーションを通して、自立支援の促進を図る使命がある。しかし、今までの当苑のリハビリ職の業務は、デイケア・入所・ショートステイの複数のサービスに跨ったリハビリ業務を担っていたために、デイケアの利用者様に対して重点的な対応をすることが難しく、自立支援の促進が不十分であった。
【目的】
デイケアの利用者様に対して重点的な対応を取るために、2023年7月からデイケア専従制度を設けた。デイケア専従制度導入前後での変化から見えてきた実績と効果を検証することが本研究の目的である。
【方法】
デイケア専従制度導入前後(専従制度導入前は2023年6月、専従制度導入後は2025年5月とする)での一日平均利用者数、欠席者数、転倒事故件数の比較を対応のあるt検定を用いて検討した。有意水準は5%とした。また、活動参加へのアプローチの内容の変化、個別対応の内容の変化、デイケア職員との協働の内容の変化についてまとめた。
【結果】
一日平均利用者数はデイケア専従体制導入後のほうが6.8名増加した。欠席者数は専従体制前後で差は見られなかった。転倒事故件数は専従体制前後で差は見られなかった。
活動参加へのアプローチとして、新たにモルック、室内パークゴルフ、野菜を育てる菜園を始動させることができた。利用者様への体験会を経て、自立度の高い利用者様主体でモルック・パークゴルフを運営できている。また、動作面での介助が必要な利用者様には、介護職員と協働してレクリエーションとしてモルック、室内パークゴルフを提供している。
個別対応について、必要時に家屋訪問を適宜実施し、自宅生活での問題解決を早急に行うことができた。また、季節性感染症予防や熱中症予防の啓蒙活動をリハ専門職から利用者へ向けて研修会を行うことで伝達できた。
デイケア職員との協働は、送迎業務に参加し、必要があれば、送迎時の介助方法の指導や安全な介助方法の提案などを必要なタイミングで実施することができた。
【考察】
リハビリ職のデイケア専従化により、デイケア利用時間全体を通して利用者や介護福祉士・看護師と関わる時間が捻出された。このことで、介護福祉士・看護師と協働し、リハビリイズム(自立支援の促進、活動・参加に焦点を当てたケア)の共有を図ることができた。また、リハビリ職のタイムマネジメントが容易となり、利用者の要望や生活課題にタイムラグのない対応ができるようになり、利用者のニーズにさらに一歩踏み込めるようになった。
このことから、「個別リハビリをして生活機能が良くなる」のではなく、「デイケアに通うことで生活機能が良くなる」体制となり、デイケア全体のケアの質の向上につながり、利用者数の増加にもつながったと言える。「デイケアに通うことで良くなる」体制にできたことが、デイケア専従化の実績・効果と考えられる。
しかし、欠席者数や転倒事故件数は専従制度導入の有無に関わらず一定数みられた。今後は、欠席者を減らす取り組みとして、個別性に配慮して自助・互助を拡大することや、利用者が主体的に「やわらぎ苑に通いたい」と思えるよう、デイケアに通うモチベーションの維持向上を図る仕掛けづくりをする必要がある。また、転倒事故件数減少に向けて、リハビリ職と介護・看護職がさらに協働し、動作介助スキルの向上を図ったり、危険予測スキルの向上を図っていく必要性が示唆された。
引用文献・資料
1)通所リハビリテーション(参考資料) 社保審-介護給付費分科会 第141回(H29.6.21)(参考資料4)
通所リハビリ(以下、デイケア)の定義は、「心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」1)である。デイケアでは、専門職によるリハビリテーションを通して、自立支援の促進を図る使命がある。しかし、今までの当苑のリハビリ職の業務は、デイケア・入所・ショートステイの複数のサービスに跨ったリハビリ業務を担っていたために、デイケアの利用者様に対して重点的な対応をすることが難しく、自立支援の促進が不十分であった。
【目的】
デイケアの利用者様に対して重点的な対応を取るために、2023年7月からデイケア専従制度を設けた。デイケア専従制度導入前後での変化から見えてきた実績と効果を検証することが本研究の目的である。
【方法】
デイケア専従制度導入前後(専従制度導入前は2023年6月、専従制度導入後は2025年5月とする)での一日平均利用者数、欠席者数、転倒事故件数の比較を対応のあるt検定を用いて検討した。有意水準は5%とした。また、活動参加へのアプローチの内容の変化、個別対応の内容の変化、デイケア職員との協働の内容の変化についてまとめた。
【結果】
一日平均利用者数はデイケア専従体制導入後のほうが6.8名増加した。欠席者数は専従体制前後で差は見られなかった。転倒事故件数は専従体制前後で差は見られなかった。
活動参加へのアプローチとして、新たにモルック、室内パークゴルフ、野菜を育てる菜園を始動させることができた。利用者様への体験会を経て、自立度の高い利用者様主体でモルック・パークゴルフを運営できている。また、動作面での介助が必要な利用者様には、介護職員と協働してレクリエーションとしてモルック、室内パークゴルフを提供している。
個別対応について、必要時に家屋訪問を適宜実施し、自宅生活での問題解決を早急に行うことができた。また、季節性感染症予防や熱中症予防の啓蒙活動をリハ専門職から利用者へ向けて研修会を行うことで伝達できた。
デイケア職員との協働は、送迎業務に参加し、必要があれば、送迎時の介助方法の指導や安全な介助方法の提案などを必要なタイミングで実施することができた。
【考察】
リハビリ職のデイケア専従化により、デイケア利用時間全体を通して利用者や介護福祉士・看護師と関わる時間が捻出された。このことで、介護福祉士・看護師と協働し、リハビリイズム(自立支援の促進、活動・参加に焦点を当てたケア)の共有を図ることができた。また、リハビリ職のタイムマネジメントが容易となり、利用者の要望や生活課題にタイムラグのない対応ができるようになり、利用者のニーズにさらに一歩踏み込めるようになった。
このことから、「個別リハビリをして生活機能が良くなる」のではなく、「デイケアに通うことで生活機能が良くなる」体制となり、デイケア全体のケアの質の向上につながり、利用者数の増加にもつながったと言える。「デイケアに通うことで良くなる」体制にできたことが、デイケア専従化の実績・効果と考えられる。
しかし、欠席者数や転倒事故件数は専従制度導入の有無に関わらず一定数みられた。今後は、欠席者を減らす取り組みとして、個別性に配慮して自助・互助を拡大することや、利用者が主体的に「やわらぎ苑に通いたい」と思えるよう、デイケアに通うモチベーションの維持向上を図る仕掛けづくりをする必要がある。また、転倒事故件数減少に向けて、リハビリ職と介護・看護職がさらに協働し、動作介助スキルの向上を図ったり、危険予測スキルの向上を図っていく必要性が示唆された。
引用文献・資料
1)通所リハビリテーション(参考資料) 社保審-介護給付費分科会 第141回(H29.6.21)(参考資料4)
