講演情報

[27-O-A004-01]通所リハビリテーションに求められること~アンケート調査から分析~

北海道 山谷 一希, 乙坂 道子 (エルクォール平和)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【はじめに・目的】
昨今の介護保険サービス事業体の増減の変動が著しく,通所系サービスが多様化する中で、当事業所のサービスの質向上に向けた取り組みを再考していく必要があると考えた.サービス調整の要である居宅介護支援事業所のケアマネジャーを対象に,潜在的ニーズやその優先度を調査することを目的に当アンケート調査を行った.
【対象】
2025年6月~2025年7月
【方法】
居宅介護支援事業所65か所へアンケートを配布した.「新型コロナウイルス感染症が5類へ移行後のサービスに関する変容について」「情報収集方法」「要望の多い項目」「提案時の決め手」「当事業所を提案する際のポイント」は複数回答可能,「自由記載」の項目を設けた.回答期限は1か月とした.
【倫理的配慮】
対象者には,研究の目的,方法,個別の回答が特定されないこと,得られたデータは連結不可能匿名化を行うこと,質問を回答することで同意を得る.
【結果】
65事業所から38件回答があり回答率は59%であった.「サービスに関する変容について」通所サービス利用の希望が増えたという回答が多く,医療系やショート,入所サービスといった希望は変わらないという回答結果であった.「情報収集方法」では,クチコミや事業所,関係者から情報を得ている(71.1%)が最も高く,次いで市で掲載している事業所一覧の活用(63.2%),営業や広報で知る(57.9%)の順であった.「利用要望の多い項目」入浴(84.2%)専門職によるリハビリ(84.2%)と最も多く,認知症があっても柔軟に対応してくれる(68.4%),家から近い(63.2%)短時間利用が可能(63.2%)と続いた.長時間の利用や入浴無しのリハ特化する項目は30%以下という結果であった.「提案時の決め手」では,要望に対する柔軟な対応(78.9%)、連携と取りやすさ・職員の対応や接遇の良さ(同68.4%),サービスの質(63.2%)と多く,設備(21.1%)食事内容(21.1%)は低い結果であった.「当事業所を提案する際のポイント」では,リハビリの提供内容が充実している(81.6%)が最も多く,続いて連携調整を行いやすい(60.5%)ケアの対応に安心できる,入浴サービスがある(同55.3%)と続き,他者交流が出来る,事業所の規模が良い(同13.2%)は低い結果になった.「自由記載」には,リハビリ職員目線の意見はアセスメントの参考になり,ありがたい.的確に情報共有して下さるのが一番の安心.サービス利用の窓口が一本化されていることが良いなど「対応や質の良さ」が好評であった.改善の意見としては,レクを充実された方が良い,リハビリ特化デイと違った利点を広報して欲しい,ICT化を進めて欲しいといった回答がみられた.
【考察】
今回の調査により,通所サービス利用ニーズは高まっている傾向にある回答が多く,提案する事業所は本人家族の希望に合わせて,ケアマネジャーの連携の取りやすさ,調整時のニーズに対する柔軟な対応力も影響すると考えられた.当事業所が提案される要素は,リハビリの提供内容,アセスメント力と連携・調整力,接遇などと評価されていることがわかり,利用者家族への還元と共に職員のモチベーション向上に繋げられたと考える.しかし,評価されているものを表出することが難しいソフト面に偏っており,PR方法に努力が必要な点も明らかになった.他レクや他者交流が不足,ICT化を進めて欲しいという意見から現状を見直し、発信方法など検討し実行することで,目的としていたサービスの質向上へ繋げられる具体的な協議に進められる結果となった.