講演情報
[27-O-A004-02]多職種カンファレンスの成果について~個別ケアの質向上のために~
静岡県 ○鈴木 大輔 (介護老人保健施設静岡徳洲苑)
1.はじめに
地域社会の高齢化が進む中、包括的なケアマネジメントが求められている。当施設では、ケアの質向上と利用者の満足度向上を目指し、チームワークを活かしたカンファレンスを中心としたアプローチを推進している。今回、実施しているカンファレンスの意義と役割について述べると共に、チームケアにおけるカンファレンスの有効性を報告する。
2.カンファレンスの意義と役割
当施設で実施している様々なカンファレンスについては、以下のような意義と役割が挙げられる。
I.入所・継続・退所判定会
入所判定会は、事前の情報をもとに心身状態や家族状況を総合的に評価し、入所の可否を判定する。医療面や心理面など様々なリスクについて多職種で意見交換する。継続判定会は入所中の経過と現在の状態を評価しながら意向に沿ったサービス計画に向けて、多職種で方向性を協議する。LIFE加算で必要となる計画書や各部署の計画書の整合性を確認し、新たな目標や方針が決まればその場で修正変更する。
退所判定会は本人・家族の意向に沿って自宅や他の施設での生活が可能かを協議し、必要に応じて生活環境の調整や在宅サービスの利用について話し合い、可否を判定する。判定会を通してさまざまな角度から利用者の可能性を討議し、チームアセスメントを行い、より有益な結論を導くことができる。専門的な知識や経験に基づいた意見を述べ合い、より具体的で実効的なケアプランを完成させることができる。
II.通常のカンファレンス
各利用者について1か月に1回以上行うよう調整する。評価スケールとしてICFステージングを使用しADLの自立度向上に向けて協議する。認知機能面に関してはBPSD25Qや介護記録をもとに、認知症の行動・心理症状(以下、BPSD)の発生要因や頻度を分析し、症状緩和策を検討する。次に個別支援計画書の評価・検討を行い、具体的なケア方針や個別対応の内容を決定する。各職種が持つ情報や最新の状況を共有しながら、現在進行中の課題を多職種チームで議論することで、新しい解決策を見出す問題解決の場となる。
III.職種別カンファレンス
日常生活の支援について各部署で具体的な課題や改善策を話し合う。部署内で課題を共有し、計画書の進捗状況を確認しながら必要な調整を行う。専門性を高めるためのフィードバックや議論が行われる場として機能し、部門ごとのスキルアップ促進に寄与している。多職種間のカンファレンスと連動して、全体的なケアの質を高める役割を果たす。
3.リハビリ専門職がカンファレンスに参加する意義について
リハビリ職員が関与することで、現状の運動機能や予後予測を反映させた、より精度の高いアセスメントが実行できる。また、リハビリの進捗具合により、機能に応じた個別的な支援方法を示すことができる。残存機能を引き出すリハビリテーションの視点を多職種で共有することで、より個別性のある生活リハビリが可能になる。
4.カンファレンス定着に向けた対応と課題
チームマネジメントにおいては多職種でのカンファレンスが有効であり、ただ職員が集まればいいのではなく、様々な技術や工夫が必要と言われている。当施設ではカンファレンス定着のために、「第〇週〇曜日の〇時から」と細かく設定し、カンファレンスの前に必要な項目を確実に入力する事を徹底した。当日の進行役は特定の職員に偏らないよう発言機会を振り分け、カンファレンス後の記録も参加者で分担するようにした。こうした取り組みや事前準備により職員全員が責任感を持つようになり、「多職種で意見を出し合ってプランを決定する」という意識変化に繋がった。
課題として、議論の内容が多岐にわたり、時間を超過しやすい傾向があった。そこで通常のカンファレンスでは「BPSDの背景要因を分析する23項目チェックリスト」を使用し、ケアマネジメントに関する情報を利用者ごとにファイルに一元化した。これにより課題解決に向けた論点が絞りやすくなり、今まで以上に意見交換が増えていった。
5.まとめ
カンファレンスを重ねて課題や対応方法を協議し、多くの知見を共有することでチーム全体の力を引き出す体制を強化した。老健入所中のすべての利用者にとって、退所した先にある医療・介護の地域資源を見据えたアプローチが必要である。これからも利用者の目線に立った個別性のある施設サービスを展開し、地域介護に貢献するために、施設全体で取り組んでいきたい。
地域社会の高齢化が進む中、包括的なケアマネジメントが求められている。当施設では、ケアの質向上と利用者の満足度向上を目指し、チームワークを活かしたカンファレンスを中心としたアプローチを推進している。今回、実施しているカンファレンスの意義と役割について述べると共に、チームケアにおけるカンファレンスの有効性を報告する。
2.カンファレンスの意義と役割
当施設で実施している様々なカンファレンスについては、以下のような意義と役割が挙げられる。
I.入所・継続・退所判定会
入所判定会は、事前の情報をもとに心身状態や家族状況を総合的に評価し、入所の可否を判定する。医療面や心理面など様々なリスクについて多職種で意見交換する。継続判定会は入所中の経過と現在の状態を評価しながら意向に沿ったサービス計画に向けて、多職種で方向性を協議する。LIFE加算で必要となる計画書や各部署の計画書の整合性を確認し、新たな目標や方針が決まればその場で修正変更する。
退所判定会は本人・家族の意向に沿って自宅や他の施設での生活が可能かを協議し、必要に応じて生活環境の調整や在宅サービスの利用について話し合い、可否を判定する。判定会を通してさまざまな角度から利用者の可能性を討議し、チームアセスメントを行い、より有益な結論を導くことができる。専門的な知識や経験に基づいた意見を述べ合い、より具体的で実効的なケアプランを完成させることができる。
II.通常のカンファレンス
各利用者について1か月に1回以上行うよう調整する。評価スケールとしてICFステージングを使用しADLの自立度向上に向けて協議する。認知機能面に関してはBPSD25Qや介護記録をもとに、認知症の行動・心理症状(以下、BPSD)の発生要因や頻度を分析し、症状緩和策を検討する。次に個別支援計画書の評価・検討を行い、具体的なケア方針や個別対応の内容を決定する。各職種が持つ情報や最新の状況を共有しながら、現在進行中の課題を多職種チームで議論することで、新しい解決策を見出す問題解決の場となる。
III.職種別カンファレンス
日常生活の支援について各部署で具体的な課題や改善策を話し合う。部署内で課題を共有し、計画書の進捗状況を確認しながら必要な調整を行う。専門性を高めるためのフィードバックや議論が行われる場として機能し、部門ごとのスキルアップ促進に寄与している。多職種間のカンファレンスと連動して、全体的なケアの質を高める役割を果たす。
3.リハビリ専門職がカンファレンスに参加する意義について
リハビリ職員が関与することで、現状の運動機能や予後予測を反映させた、より精度の高いアセスメントが実行できる。また、リハビリの進捗具合により、機能に応じた個別的な支援方法を示すことができる。残存機能を引き出すリハビリテーションの視点を多職種で共有することで、より個別性のある生活リハビリが可能になる。
4.カンファレンス定着に向けた対応と課題
チームマネジメントにおいては多職種でのカンファレンスが有効であり、ただ職員が集まればいいのではなく、様々な技術や工夫が必要と言われている。当施設ではカンファレンス定着のために、「第〇週〇曜日の〇時から」と細かく設定し、カンファレンスの前に必要な項目を確実に入力する事を徹底した。当日の進行役は特定の職員に偏らないよう発言機会を振り分け、カンファレンス後の記録も参加者で分担するようにした。こうした取り組みや事前準備により職員全員が責任感を持つようになり、「多職種で意見を出し合ってプランを決定する」という意識変化に繋がった。
課題として、議論の内容が多岐にわたり、時間を超過しやすい傾向があった。そこで通常のカンファレンスでは「BPSDの背景要因を分析する23項目チェックリスト」を使用し、ケアマネジメントに関する情報を利用者ごとにファイルに一元化した。これにより課題解決に向けた論点が絞りやすくなり、今まで以上に意見交換が増えていった。
5.まとめ
カンファレンスを重ねて課題や対応方法を協議し、多くの知見を共有することでチーム全体の力を引き出す体制を強化した。老健入所中のすべての利用者にとって、退所した先にある医療・介護の地域資源を見据えたアプローチが必要である。これからも利用者の目線に立った個別性のある施設サービスを展開し、地域介護に貢献するために、施設全体で取り組んでいきたい。
