講演情報
[27-O-C003-01]最期はゆっくりと過ごしてもらいたい。後悔のしない看取り~どこで看取ろうか?~
和歌山県 ○岩橋 理浦子 (介護老人保健施設光苑)
【はじめに】
昭和63年12月に開設した和歌山県で最初の介護老人保健施設である光苑は今年の12月で37年目を迎え、ベッド数は77床の超強化型算定施設である。年齢は52歳~105歳の方が入所されており平均介護度は3.6である。
当施設はターミナルケア加算も算定しており、今回、施設での看取りを希望しているご家族の思いに寄り添いながら、ケアマネジャーとしてスピーディに援助を行い在宅復帰となった事例を報告する。
【対象】
93歳 女性 入所時は要介護3 和歌山市生まれ。子供はおらず、夫が30年程前に亡くなってからは1人暮らし。15年前に室内で転倒したことをきっかけに入院→老健→グループホーム→高齢者住宅→特養と住まいは変わっていた。主介護者は本人の姪となる妹の長女。既往歴は入所となる半年前に右上腕骨骨折・変形性膝関節症・COPD・20年前に乳がん手術・認知症がある。数年、特養に入所されていたが、低酸素のため病院を受診の話となるが、元々治療は希望していなかったため入院はせず特養を退所した。ご家族の意向は「体調が悪くなっても入院はしない」である。姪の自宅でしばらくの間、訪問看護、訪問介護、往診を利用して介護を受けていたが、自宅には受験生がいるため介護は難しいとのご家族の判断で老健入所となる。
【経過】
自宅では食事摂取量がわずかであったが、入所後はゆっくりと食事量が増えていった。離床時はリクライニング式車イスを使用していたが、普通型車イスで座位保持できるようになっていき、そのまま数年が経つ。終末期へ食事摂取量が段々と少なくなり食事介助が必要となる。居室で過ごす時間が増えて部屋食となり、ほとんどゼリー飲料のみとなる。医師からご家族に看取り期との説明があり意向の確認が行わる。
ご家族の希望
・経管栄養は希望しません
・食事が摂れなくなった場合の点滴は不要
・酸素療法はしません
・元気になる見込みがある場合の点滴は希望
ケアプランのご家族の意向
・施設でゆっくりと過ごしてもらいたい
ターミナルケア加算算定者は、光苑では面会が24時間365日可能である。体調が悪化したある日、姪親子が午後9時まで付き添っていた。翌日の朝、「このまま施設で看取ろうか?」「じっと見ているだけなら、自宅に連れて帰ろうか?」と姪が迷い始めた。ケアマネジャーとして、ご家族に寄り添い話を傾聴する。「少しでも家で看てあげたいと言う気持ちがあるのなら、後悔しない方を選んでほしい」と伝えると自宅へ連れて帰ることを選択した。
【結果】
すぐに居宅ケアマネと連携をとり、主治医、以前利用していた訪問看護に連絡をとっていただく。福祉用具事業所には特殊寝台などの居宅サービスを分担して手配した。約2時間後に自宅へ帰っていただくことができた。
【おわりに】
施設で看取る希望であっても、今回のケースのように最終的には自宅でご家族に囲まれて最期を迎えるという選択がある。ケアプランの意向は「施設でゆっくりと過ごしてもらいたい」であったが、ゆっくりという意味はご家族で一緒に過ごしたいという気持ちの表れであったと考える。その経験から、ターミナルケア加算算定者のご家族の気持ちの中に「自宅に連れて帰りたい」という思いに変わることがあるのではないか?と考え「自宅に帰って看取りませんか?」と何度か声をかけるようにしている。また光苑のターミナルケアチームで、ご家族と一緒に自宅へ外出をする機会を作るなどの取り組みを行っている。
昭和63年12月に開設した和歌山県で最初の介護老人保健施設である光苑は今年の12月で37年目を迎え、ベッド数は77床の超強化型算定施設である。年齢は52歳~105歳の方が入所されており平均介護度は3.6である。
当施設はターミナルケア加算も算定しており、今回、施設での看取りを希望しているご家族の思いに寄り添いながら、ケアマネジャーとしてスピーディに援助を行い在宅復帰となった事例を報告する。
【対象】
93歳 女性 入所時は要介護3 和歌山市生まれ。子供はおらず、夫が30年程前に亡くなってからは1人暮らし。15年前に室内で転倒したことをきっかけに入院→老健→グループホーム→高齢者住宅→特養と住まいは変わっていた。主介護者は本人の姪となる妹の長女。既往歴は入所となる半年前に右上腕骨骨折・変形性膝関節症・COPD・20年前に乳がん手術・認知症がある。数年、特養に入所されていたが、低酸素のため病院を受診の話となるが、元々治療は希望していなかったため入院はせず特養を退所した。ご家族の意向は「体調が悪くなっても入院はしない」である。姪の自宅でしばらくの間、訪問看護、訪問介護、往診を利用して介護を受けていたが、自宅には受験生がいるため介護は難しいとのご家族の判断で老健入所となる。
【経過】
自宅では食事摂取量がわずかであったが、入所後はゆっくりと食事量が増えていった。離床時はリクライニング式車イスを使用していたが、普通型車イスで座位保持できるようになっていき、そのまま数年が経つ。終末期へ食事摂取量が段々と少なくなり食事介助が必要となる。居室で過ごす時間が増えて部屋食となり、ほとんどゼリー飲料のみとなる。医師からご家族に看取り期との説明があり意向の確認が行わる。
ご家族の希望
・経管栄養は希望しません
・食事が摂れなくなった場合の点滴は不要
・酸素療法はしません
・元気になる見込みがある場合の点滴は希望
ケアプランのご家族の意向
・施設でゆっくりと過ごしてもらいたい
ターミナルケア加算算定者は、光苑では面会が24時間365日可能である。体調が悪化したある日、姪親子が午後9時まで付き添っていた。翌日の朝、「このまま施設で看取ろうか?」「じっと見ているだけなら、自宅に連れて帰ろうか?」と姪が迷い始めた。ケアマネジャーとして、ご家族に寄り添い話を傾聴する。「少しでも家で看てあげたいと言う気持ちがあるのなら、後悔しない方を選んでほしい」と伝えると自宅へ連れて帰ることを選択した。
【結果】
すぐに居宅ケアマネと連携をとり、主治医、以前利用していた訪問看護に連絡をとっていただく。福祉用具事業所には特殊寝台などの居宅サービスを分担して手配した。約2時間後に自宅へ帰っていただくことができた。
【おわりに】
施設で看取る希望であっても、今回のケースのように最終的には自宅でご家族に囲まれて最期を迎えるという選択がある。ケアプランの意向は「施設でゆっくりと過ごしてもらいたい」であったが、ゆっくりという意味はご家族で一緒に過ごしたいという気持ちの表れであったと考える。その経験から、ターミナルケア加算算定者のご家族の気持ちの中に「自宅に連れて帰りたい」という思いに変わることがあるのではないか?と考え「自宅に帰って看取りませんか?」と何度か声をかけるようにしている。また光苑のターミナルケアチームで、ご家族と一緒に自宅へ外出をする機会を作るなどの取り組みを行っている。
