講演情報

[27-O-C004-02]ゆうあいで共に過ごす最期の日々病院併設老健が行う看取りの現状

茨城県 晝間 美佳, 西川 千里 (介護老人保健施設セントラルゆうあい)
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【はじめに】「セントラルゆうあい」は茨城県南部の牛久市にあるつくばセントラル病院の併設老健として40床の認知症専門棟を有した100床の施設です。2023年度は、平均介護度3.4です。在宅復帰率23.4%、回転率15.5%と高く、在宅復帰指標66.1点と年間では超強化型4か月間算定しています。
【目的】セントラルゆうあいでは、近年、老健本来の「リハビリ・在宅復帰」の役割以外にも「看取り」を目的として入所される方が多く、本人・家族の様々なニーズに応える必要性を感じました。今回は病院併設老健であるセントラルゆうあいでの施設運営とともに、看取り体制の現状と取り組みの振り返りを行いましたので、ご報告いたします。
【方法】看取り対象者の抽出方法として、2023年度の入退所実績から、入退所件数と入退所の内訳を調べました。その内、入所件数は医療機関から約80%と、医療的に不安定な状態の方の受け入れを行っている実情が分かりました。不安定な方を多く受け入れているためか、退所者のうち自宅20%、看取り対応となる方は12%を占めていました。2021年度から3年間の看取り件数全52件について看取り開始のタイミングや看取り対応の平均日数、看取り体制時の内容から、看取り決定時にはよりスピーディーな対応が求められることを踏まえて、居室の準備やカンファレンスの開催を多職種で連携しています。当施設では、看取りの対象として、老衰であり、食事が摂れなくなっても中心静脈栄養・胃瘻造設は希望せず、食べたいときに食べ、自然な経過で良いと本人・家族が希望している方としているため、看取り対応のキーワードとして、「心身ともに穏やかな時間を過ごしていただく」、「エンド・オブ・ライフに向けて、本人・家族が望む選択肢を大事にしていく」ことを掲げています。「可能な限りレクリエーションへ参加・見学」をすすめ、「本人が安らぐことのできる環境づくりとして、個室対応・写真や好きなものを飾っていただける空間を準備しています。面会は状態により回数を設定し、希望によっては、外出外泊も検討可能です。また、最後を自宅で迎えたいと意向が変わることもあり、在宅サービスの調整や、面会により精神症状が落ち着いたことで、看取り解除の事例も7件あり、その都度医師を交えた話し合いを行っています。看取り体制は、一般的な入所時に行う「急変時IC」以外に「終末期IC」にて同意がいただけて、看取り体制である、と医師の判断があった時点から開始します。「看取りカンファレンス」はケアマネを中心に毎週開催をします。要望のすり合わせ、食事を終了するタイミング、褥瘡予防の取り組みなど細かな確認をしています。「デスカンファレンス」は退所後2週間を目安に看護師中心に開催し、多職種での振り返りを行っています。
【結果】終末期IC後に、ケアマネジャーからご家族に対して、施設生活の不安軽減と円滑な看取り体制構築のために「看取りのしおり」を作成し、お渡しすることとしました。しおりには「看取りに対する心構え」「看取り時の身体的な変化」「施設で行うこと・できること」「費用と準備していただくもの」「退所後の手続き・お支払い方法」などを記載するなどその都度修正をしながら活用しています。最近では、ご家族自身の高齢化、ご親族との関係の希薄な方、金銭面で困難な事情を抱えている方など受け入れと同時に確認が必要な方が増えています。また「面会者名簿」を事前に提出いただくことで、職員は面会に来られる方の把握ができ、ご家族もご本人に思いを馳せお越しいただきたい方のリストアップにつなげています。
【考察】セントラルゆうあいは病院併設老健として、回転率が高く看取りの短期間利用の方を受け入れています。また、本人・家族の要望は「看取り」の受容ととともに刻々と変化をしていくことが分かりました。ゆうあいでは看取り時の本人・ご家族の選択肢を大事にしていくため、ケアマネでは独自の関係構築方法に力を入れています。今後も多様化する要望に応えられる老健を目指し、よりスピーディで個別性のあるケアができるよう多職種連携を図っていきたいです。