講演情報

[27-O-D002-06]園芸作業を行う事でBPSD症状の検証を試みる

兵庫県 古庄 重政, 出口 八重子, 山崎 恵子, 戸田 由香, 松浦 俊昭 (介護老人保健施設シルバーハウス)
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1.はじめに
介護老人保健施設シルバーハウスでBPSD症状がみられる利用者様が、野菜と花を栽培し土に触れる事で、いかに身体面、精神面、社会的要素が変化するか検証し、その取り組みを報告する。
2.目的
2019年からコロナ禍により、レクリエーションの機会も少なくなり、利用者様のストレスも溜まり気味であった事も影響し、利用者状況は良くなかった。そこで園芸作業を行う事で、日常生活の変化がBPSD症状にどう影響を与えるか、利用者様の会話・発言によって検証する。
3.方法
3-1研究方法
期間
令和6年 5月~10月末
対象
BPSD症状を有する53歳から101歳の男女利用者様7名
方法
敷地内のプランターに野菜・花を植えて育てる。
利用者様に苗の植え付け、水やり、成長観察、収穫を行う。
園芸を行う前後に分けて、利用者様の睡眠時間・向精神薬の使用回数の変化・発言を記録しスケールを用いて評価する。
4.結果
殆どの方が家庭菜園をやっていた経験者で、昔を思い出され意欲的に参加される姿が見られた。
(3)研究前の利用者様発言と行動
(4)研究後の利用者様発言と行動
(5) 園芸前の発言では「殺してくれ」「死にたい」「家に帰りたい」等があり、屯用向精神薬の使用回数も16回、夜間帯においても臥床後すぐに離床する等、不穏・不眠行動が見られスタッフや利用者間のコミュニケーションを取ることが難しいときもあった。園芸後は、「楽しみやな」「食べれたらいいな」「花を見に行こう」等の発言、屯用向精神薬の使用回数も0回となり、睡眠時間の延長に繋がりスタッフや利用者間でのコミュニケーションも増えた。
5.考察
園芸を行う事により日々の生活に変化がもたらされ、それを楽しみにする事によって希望が生まれた。また、日常的に思い出せるように各利用者様の居室内、廊下など目の届きやすいところに園芸を行った際の写真を掲載した事により、スタッフとコミュニケーションが取りやすいようになった。スタッフとの園芸の話が増えた事により精神状態も安定しBPSD症状の軽減がみられたと思われる。また、日中に外に出ることによって得られる太陽の光を浴び季節を感じるなどの刺激が昼夜逆転等不眠の改善にもつながり夜間の良眠が得られる結果となり植物の成長を見ながら未来のことを考えることによりネガティブな発言ではなくポジティブな発言が聞かれ生活の満足感の向上に繋がったと思われる。また、家族様からも「昔、家庭菜園をしたことがあるので喜びます」など活動に対する喜びの声も多数いただくことが出来た。スタッフにも日々業務に追われ忙しい日々ではあるがその中で時間を作り植物の成長過程を見ることによって息抜きやストレスの軽減等良い結果につながり利用者様とも話題ができ、今まで以上に親近感を感じることによって介護の質の向上にも繋がっていく結果となった。
6.おわりに
植物に触れコミュニケーションが増える事によりBPSD症状が軽減した事は明らかである。よって今後も感染対策に努め植物との触れ合いを通じ外気に触れ季節を感じて頂ける環境づくりを継続できる様計画していきたいと考える。