講演情報
[27-O-D004-04]認知症の不眠入所者へのアロマの使用経験
宮城県 ○山田 佑香 (介護老人保健施設茂庭台豊齢ホーム)
《はじめに》
今回、夜間入眠までに時間を要す認知症の入所者にアロマを活用し効果を認めたので報告する。
《対象者》
対象者1:K・M様 女性 90歳 ADLランク:B1、認知度ランク:3a
診断名:アルツハイマー型認知症
難聴だが大きい声ではっきり話しかけると会話は可能。しかし、表情は常に乏しく笑顔はあまり見せなかった。本を手渡してみても集中できず、食事中も同様であった。居室やトイレの場所の把握ができず歩行が不安定で転倒リスクもある為、付き添いを要した。日中はトイレの訴えが頻回、夜間は目的がはっきりしないまま寝起きを繰り返していた。
対象者2:T・S様 男性 82歳 ADLランク:A2、認知度ランク:4
診断名:アルツハイマー型と脳血管性の混合型認知症
聴力は問題ないが指示が入りにくく、言葉がうまく出せず声掛けにも笑うのみで会話は成立しなかった。日中は活動的でティッシュやグローブの収集の為に立ち上がりが頻回にみられるが、塗り絵だけは集中して取り組んだ。夜間は20時前には入床するが、寝起きを繰り返していた。入眠してから起床するまでの間に3~4回起きて布団をいじる、タンスを開けるなど熟睡できない日が続いていた。
2名とも入所したばかりという事もあり、不安の強い様子が伺えた。少しでもゆっくり眠れる時間を作りたいと考え、アロマを活用した。
《実施方法》
夜間寝る前に嗅ぐと効果的とされるアロマ3種類を混合したアロマスプレーを作成。入床の際に居室内の空間にアロマスプレーを噴霧し入眠状況を観察した。期間は5日間。
《今回使用したアロマ》
1.ラベンダー(4滴)
不安の軽減、眠りの質を向上させる。
2.オレンジ(3滴)
不安を軽減し、気持ちを前向きにする。
3.レモン(3滴)
イライラしている気持ちや落ち込んでいる気持ちをリフレッシュさせる。
《結果》
K・M様の場合
実施前、入眠するまでの20時~23時の間の行動が活発で、トイレ以外にも目的がはっきりしないまま歩き回る行動がみられていた。時々大声や興奮する様子もあった。アロマ実施中は入眠までに起き上がりが何回かみられたが、遅くても22時前後には入眠する事が出来、トイレの覚醒はあるものの、朝まで睡眠時間の確保ができるようになった。スプレーをした際には「いい匂いがする」と笑顔で話され、しばらく香りを楽しんでいる様子があり、歩き回っている時の不安そうな表情との違いが感じられた。アロマ終了後も19時~21時には入眠できるようになった。
T・S様の場合
実施前は入眠するまでホールや居室で歩き回る様子があり、21時前後で入眠され、2時間おきにトイレに起きていた。使用中は入床から3時間程度のまとまった睡眠がとれたのは2日目の1日のみで、アロマ終了後も変化はみられなかった。
《考察》
アロマは特に嗅覚から衰えていくアルツハイマー型認知症に有効的であるという事が報告されており、K・M様には効果があったが、T・S様はあまり効果が得られなかった。効果には個人差がある事を実感した。
今回アロマスプレーを活用した事がすぐに入眠に繋がったと言い切れないところがある。他施設の事例と比べて実施期間が短かった事、対象者も2名に限定した事が理由として挙げられる。しかし、K・M様に関しては入眠までに時間はかかったが、眠ってしまうとある程度まとまった睡眠が確保できた。また、これまであまり見られなかった笑顔を見せる、表情が明るくなるなどのよい効果もあり、アロマによる表情の変化を感じる事が出来た。しかし、T・S様に関しては男性、混合型認知症、見える物に執着する傾向があり、初めから香り自体にあまり興味を示さなかった印象があった。認知症としても重度であり、香りを認知する事も難しかった可能性が高い。こういったケースには適応はないと思われた。
アロマはストレス緩和やリラックス効果を得る為に簡単に取り入れられるものであり、現在は様々な医療機関でも活用されている。認知症の不眠に対して入眠導入へのアプローチの一つとなり得ると思われた。
《まとめ》
今回、認知症の不眠の入所者2名に対してアロマを使用し、アルツハイマー型認知症の女性1名に効果が認められた。
今回、夜間入眠までに時間を要す認知症の入所者にアロマを活用し効果を認めたので報告する。
《対象者》
対象者1:K・M様 女性 90歳 ADLランク:B1、認知度ランク:3a
診断名:アルツハイマー型認知症
難聴だが大きい声ではっきり話しかけると会話は可能。しかし、表情は常に乏しく笑顔はあまり見せなかった。本を手渡してみても集中できず、食事中も同様であった。居室やトイレの場所の把握ができず歩行が不安定で転倒リスクもある為、付き添いを要した。日中はトイレの訴えが頻回、夜間は目的がはっきりしないまま寝起きを繰り返していた。
対象者2:T・S様 男性 82歳 ADLランク:A2、認知度ランク:4
診断名:アルツハイマー型と脳血管性の混合型認知症
聴力は問題ないが指示が入りにくく、言葉がうまく出せず声掛けにも笑うのみで会話は成立しなかった。日中は活動的でティッシュやグローブの収集の為に立ち上がりが頻回にみられるが、塗り絵だけは集中して取り組んだ。夜間は20時前には入床するが、寝起きを繰り返していた。入眠してから起床するまでの間に3~4回起きて布団をいじる、タンスを開けるなど熟睡できない日が続いていた。
2名とも入所したばかりという事もあり、不安の強い様子が伺えた。少しでもゆっくり眠れる時間を作りたいと考え、アロマを活用した。
《実施方法》
夜間寝る前に嗅ぐと効果的とされるアロマ3種類を混合したアロマスプレーを作成。入床の際に居室内の空間にアロマスプレーを噴霧し入眠状況を観察した。期間は5日間。
《今回使用したアロマ》
1.ラベンダー(4滴)
不安の軽減、眠りの質を向上させる。
2.オレンジ(3滴)
不安を軽減し、気持ちを前向きにする。
3.レモン(3滴)
イライラしている気持ちや落ち込んでいる気持ちをリフレッシュさせる。
《結果》
K・M様の場合
実施前、入眠するまでの20時~23時の間の行動が活発で、トイレ以外にも目的がはっきりしないまま歩き回る行動がみられていた。時々大声や興奮する様子もあった。アロマ実施中は入眠までに起き上がりが何回かみられたが、遅くても22時前後には入眠する事が出来、トイレの覚醒はあるものの、朝まで睡眠時間の確保ができるようになった。スプレーをした際には「いい匂いがする」と笑顔で話され、しばらく香りを楽しんでいる様子があり、歩き回っている時の不安そうな表情との違いが感じられた。アロマ終了後も19時~21時には入眠できるようになった。
T・S様の場合
実施前は入眠するまでホールや居室で歩き回る様子があり、21時前後で入眠され、2時間おきにトイレに起きていた。使用中は入床から3時間程度のまとまった睡眠がとれたのは2日目の1日のみで、アロマ終了後も変化はみられなかった。
《考察》
アロマは特に嗅覚から衰えていくアルツハイマー型認知症に有効的であるという事が報告されており、K・M様には効果があったが、T・S様はあまり効果が得られなかった。効果には個人差がある事を実感した。
今回アロマスプレーを活用した事がすぐに入眠に繋がったと言い切れないところがある。他施設の事例と比べて実施期間が短かった事、対象者も2名に限定した事が理由として挙げられる。しかし、K・M様に関しては入眠までに時間はかかったが、眠ってしまうとある程度まとまった睡眠が確保できた。また、これまであまり見られなかった笑顔を見せる、表情が明るくなるなどのよい効果もあり、アロマによる表情の変化を感じる事が出来た。しかし、T・S様に関しては男性、混合型認知症、見える物に執着する傾向があり、初めから香り自体にあまり興味を示さなかった印象があった。認知症としても重度であり、香りを認知する事も難しかった可能性が高い。こういったケースには適応はないと思われた。
アロマはストレス緩和やリラックス効果を得る為に簡単に取り入れられるものであり、現在は様々な医療機関でも活用されている。認知症の不眠に対して入眠導入へのアプローチの一つとなり得ると思われた。
《まとめ》
今回、認知症の不眠の入所者2名に対してアロマを使用し、アルツハイマー型認知症の女性1名に効果が認められた。
