講演情報
[27-O-F003-06]外食レクによる高齢者の意欲変化
東京都 ○井口 美波1, 佐藤 麻里1 (1.介護老人保健施設音羽えびすの郷, 2.介護老人保健施設音羽えびすの郷)
【はじめに】
当施設は「口から美味しく食べることを支援する施設」を理念とし、歯科診療室の併設、ミールラウンド、口腔ケア委員会など多職種による食支援を日常的に行っている。今回は、そうした取り組みとは別の視点で“食の楽しみ”を提供するために、近隣飲食店での外食レクリエーション(以下、外食レク)を企画した。利用者が自ら食べたいものを選び、実際に食べるという体験が、生活意欲やQOLにどのような影響を与えるかを検証することを目的とした。
【目的】
外食レクの実施が、高齢者の活力度(Vitality Index)、精神的意欲(Apathy Scale)、および生活満足度や意識の変化(アンケート)にどのような影響を与えるかを明らかにすること。
【方法】
対象は当施設の入所利用者12名(男性3名、女性9名)。平均年齢は87歳であった。
実施前にVitality Index(10点満点)とApathy Scale(13問・39点満点)を評価し、外食レク後にはApathy Scaleを再度実施。さらに、独自に作成した10問の事前・事後アンケート(5段階評価+自由記述)を用いて、主観的な期待と実感の違い、生活満足度の変化を測定した。
【結果】
Vitality Indexの平均は8.5点と比較的高く、外出やレクリエーションへの参加意欲が見られた。
Apathy Scaleは事前平均17.2点から事後15.7点へと改善(-1.5点)。12名中9名でスコア改善が見られ、うち1名では15点→2点という大幅な変化もあった。
アンケートでは、「とても楽しみだった」と答えた人が事前5名→事後6名と増加し、満足度(Q7)では「普通」から「満足」への移行が複数名確認された。
生活への影響(Q9)についても、「わからない」と回答していた3名がすべて「刺激になった」「変化があった」と前向きな実感に変化していた。
自由記述では「選べて嬉しかった」「また行きたい」「非日常で楽しかった」などポジティブな感想が多数あり、食体験が精神的充足感をもたらしていた。
【考察】
「食べること」は単なる栄養摂取行為にとどまらず、主体性や自己決定感と深く結びついている。特に、外食レクのように「選んで食べる」体験は、高齢者にとって失われがちな“自分で決める”感覚を取り戻す機会となり、生活意欲に好影響を与えたと考えられる。
また、Vitality Indexがやや低かった層でも、Apathy Scaleの改善が顕著であり、「身体的な元気さ」よりも「精神的刺激」が意欲を引き出す要因となった可能性がある。
自由記述に見られた前向きな感情表現は、数値だけでは捉えきれないQOL向上の一端を示していた。
【結論】
外食レクリエーションは、食事の楽しみを介して高齢者の精神的活力や生活意欲を高める有効な手段であることが示唆された。食支援の次なるステップとして“食べる喜びをどう届けるか”という視点を加えた実践が今後の介護現場においても重要になると考えられる。
当施設は「口から美味しく食べることを支援する施設」を理念とし、歯科診療室の併設、ミールラウンド、口腔ケア委員会など多職種による食支援を日常的に行っている。今回は、そうした取り組みとは別の視点で“食の楽しみ”を提供するために、近隣飲食店での外食レクリエーション(以下、外食レク)を企画した。利用者が自ら食べたいものを選び、実際に食べるという体験が、生活意欲やQOLにどのような影響を与えるかを検証することを目的とした。
【目的】
外食レクの実施が、高齢者の活力度(Vitality Index)、精神的意欲(Apathy Scale)、および生活満足度や意識の変化(アンケート)にどのような影響を与えるかを明らかにすること。
【方法】
対象は当施設の入所利用者12名(男性3名、女性9名)。平均年齢は87歳であった。
実施前にVitality Index(10点満点)とApathy Scale(13問・39点満点)を評価し、外食レク後にはApathy Scaleを再度実施。さらに、独自に作成した10問の事前・事後アンケート(5段階評価+自由記述)を用いて、主観的な期待と実感の違い、生活満足度の変化を測定した。
【結果】
Vitality Indexの平均は8.5点と比較的高く、外出やレクリエーションへの参加意欲が見られた。
Apathy Scaleは事前平均17.2点から事後15.7点へと改善(-1.5点)。12名中9名でスコア改善が見られ、うち1名では15点→2点という大幅な変化もあった。
アンケートでは、「とても楽しみだった」と答えた人が事前5名→事後6名と増加し、満足度(Q7)では「普通」から「満足」への移行が複数名確認された。
生活への影響(Q9)についても、「わからない」と回答していた3名がすべて「刺激になった」「変化があった」と前向きな実感に変化していた。
自由記述では「選べて嬉しかった」「また行きたい」「非日常で楽しかった」などポジティブな感想が多数あり、食体験が精神的充足感をもたらしていた。
【考察】
「食べること」は単なる栄養摂取行為にとどまらず、主体性や自己決定感と深く結びついている。特に、外食レクのように「選んで食べる」体験は、高齢者にとって失われがちな“自分で決める”感覚を取り戻す機会となり、生活意欲に好影響を与えたと考えられる。
また、Vitality Indexがやや低かった層でも、Apathy Scaleの改善が顕著であり、「身体的な元気さ」よりも「精神的刺激」が意欲を引き出す要因となった可能性がある。
自由記述に見られた前向きな感情表現は、数値だけでは捉えきれないQOL向上の一端を示していた。
【結論】
外食レクリエーションは、食事の楽しみを介して高齢者の精神的活力や生活意欲を高める有効な手段であることが示唆された。食支援の次なるステップとして“食べる喜びをどう届けるか”という視点を加えた実践が今後の介護現場においても重要になると考えられる。
