講演情報
[27-O-F004-02]料理教室をします!ご家族様もご一緒に!利用者の「したい」を引き出すために。
北海道 ○三舩 輝大, 本間 翼 (医療法人愛全会 介護老人保健施設アートヒルズ)
【はじめに】当施設通所リハビリでは利用者の生活全般を知り、「したい」を引き出せるサービスの提供を理念として、利用者主体のリハビリや趣味活を提供できるように工夫している。令和4年度の内閣府調査「高齢者の生きがいとその規定要因」によると高齢者の社会参加が生きがいの向上に少なからず貢献しているとの結果も参考として、利用者が自ら行きたい場所を考え外出レクを企画し、地域のボランティア活動へ参加するなど利用者主体の活動に力を入れて取り組んでいる。今回は、このような取り組みの中から家族も参加する料理教室を紹介する。
【活動の狙い】料理教室は従来から人気が高く多くの方が参加しているが、複雑な家事動作を習得して家庭生活に還元する事の難しさを課題としていた。そこで料理教室に参加者の家族も招き、家族は参加者が調理する様子を見て評価する事で、家庭でも家族の協力を得て家事動作の実施や役割の創出に繋げる事を狙いとした。
【対象者の選定】身体機能と認知機能が概ね自立して家庭で調理が可能と考えられる方で同居家族の協力が見込める方を対象とした。対象とその家族には、活動の趣旨を家庭でも調理を行う事を目標として説明し、理解・賛同を得て参加して頂いた。活動は令和6年9月、同年11月、令和7年3月と現在まで計3回実施し、それぞれの実施回毎に3~4組が参加し、延べ11組が参加した。
【実施方法】職員は季節感や彩りを楽しめる内容の料理を検討し、必要な食材と調理工程のレシピを参加者に提供した。参加者が「自分で料理する」事を意識して主体性を引き出せるように、近隣のスーパーへ職員と買い出しに行き、使いたい食材を自ら選んで頂いた。調理では職員の介入は調理器具や食材の出し入れや補助程度として、参加者や家族同士が協力しながら作業し、コミュニケーションが捗る事を意識した。調理は参加者同士で相談して役割分担を決めて頂き教室を進行していただいた。出来上がった料理は試食会として参加者と家族で召し上がって頂いた。教室終了後に参加者と家族へ、家庭での調理状況や今後の実施の可能性についてアンケートを行った。教室実施後2週間程経過した時点で参加者と家族に聞き取りを行い、家庭での調理の実施状況を追跡調査した。
【結果】調理が始まると自然に参加者と家族がペアになり作業が始まった。家族からは「指切るよ!」「上手だね!」などさまざま声が聞かれ、参加者が料理をする姿を見て新鮮で率直な驚きの声が挙がった。参加者達も家族に調理方法を指示したり手伝いを頼むなど様々な反応をされおり、このような関わりを通じて家族は参加者と家庭で調理をする事を想定して評価を行えていた。調理後は試食をしながらそれぞれの家庭で介護に関する困りごとや悩みを伝えあい、互いが共感する場面も見る事ができた。参加者と家族の感想として「楽しかった」「また参加したい」との声が多く挙がっていた。アンケートで参加者は「自分の好きな料理を作りたい」「家族に料理を作りたい」と思っているが、家庭で料理をする機会は無いとの回答が多かった。料理を任せられるか家族に対する質問では「一人では任せられないが、家族が一緒なら大丈夫」との回答が多く、理由として火の始末や刃物による怪我が不安に挙がっていた。教室実施後2週間後の聞き取りでは、料理教室を振り返り、「失敗した部分をやり直したい」「美味しかったのでまた作ってみた」など家族の協力の下、意欲的に料理をしているケースが確認できた。一方、家庭で一緒に料理を作れなかったケースでは一緒に料理をしたい気持ちは有るが、時間の制約などで実施に至っていないとの声が多く挙がり、家庭内の状況によって結果は様々であった。
【課題と考察】教室を通じて家族は「好きな物を作りたい」「家族に作ってあげたい」という参加者の思いを知る事となり、これが単に調理動作の評価に留まらず親子の相互理解を深め、家族による家庭での支援を前向きに引き出す結果に繋がったと言える。時間の制約や安全確保が難しく実施に至れていない家族も、気持ちとしては参加者の料理をがしたい気持ちを受け止めている事も分かった。このような方々へ施設が行うアプローチは、家族が支援できる条件を掘り下げて確認し、具体的な方法を提案する事が重要だと感じた。例えば、記念日など特別な日をきっかけにしたり、曜日を決める、安全な調理方法を取り入れる、工程の一部を任せるなど、家族が実施可能で分かりやすい方法を提案したり、必要な家事動作の習得に向けた個別リハビリや家庭への訪問指導も方法として考えられる。こうして施設は参加者と家族とも継続的に関わりながら各家庭の課題に応じた支援を行う必要がある。その他、料理教室が家族同士の交流や悩みの共有の場となった事は想像以上の成果だった。
【今後の展望】今回は身体機能と認知機能が有る程度自立し、家族の協力も見込めるケースを対象として、目標を達成できたケースも現れた。しかし、もう少し重度の方や家族の協力が見込めない方に対しては、調理のような複雑な家事動作以外の方法を検討し提案する必要性を感じた。こうしてより多くの方に家庭でのリハビリ継続と役割創出を提案する事で、引き続き利用者の「したい」を引き出せるサービスの提供を目指していきたい。
【活動の狙い】料理教室は従来から人気が高く多くの方が参加しているが、複雑な家事動作を習得して家庭生活に還元する事の難しさを課題としていた。そこで料理教室に参加者の家族も招き、家族は参加者が調理する様子を見て評価する事で、家庭でも家族の協力を得て家事動作の実施や役割の創出に繋げる事を狙いとした。
【対象者の選定】身体機能と認知機能が概ね自立して家庭で調理が可能と考えられる方で同居家族の協力が見込める方を対象とした。対象とその家族には、活動の趣旨を家庭でも調理を行う事を目標として説明し、理解・賛同を得て参加して頂いた。活動は令和6年9月、同年11月、令和7年3月と現在まで計3回実施し、それぞれの実施回毎に3~4組が参加し、延べ11組が参加した。
【実施方法】職員は季節感や彩りを楽しめる内容の料理を検討し、必要な食材と調理工程のレシピを参加者に提供した。参加者が「自分で料理する」事を意識して主体性を引き出せるように、近隣のスーパーへ職員と買い出しに行き、使いたい食材を自ら選んで頂いた。調理では職員の介入は調理器具や食材の出し入れや補助程度として、参加者や家族同士が協力しながら作業し、コミュニケーションが捗る事を意識した。調理は参加者同士で相談して役割分担を決めて頂き教室を進行していただいた。出来上がった料理は試食会として参加者と家族で召し上がって頂いた。教室終了後に参加者と家族へ、家庭での調理状況や今後の実施の可能性についてアンケートを行った。教室実施後2週間程経過した時点で参加者と家族に聞き取りを行い、家庭での調理の実施状況を追跡調査した。
【結果】調理が始まると自然に参加者と家族がペアになり作業が始まった。家族からは「指切るよ!」「上手だね!」などさまざま声が聞かれ、参加者が料理をする姿を見て新鮮で率直な驚きの声が挙がった。参加者達も家族に調理方法を指示したり手伝いを頼むなど様々な反応をされおり、このような関わりを通じて家族は参加者と家庭で調理をする事を想定して評価を行えていた。調理後は試食をしながらそれぞれの家庭で介護に関する困りごとや悩みを伝えあい、互いが共感する場面も見る事ができた。参加者と家族の感想として「楽しかった」「また参加したい」との声が多く挙がっていた。アンケートで参加者は「自分の好きな料理を作りたい」「家族に料理を作りたい」と思っているが、家庭で料理をする機会は無いとの回答が多かった。料理を任せられるか家族に対する質問では「一人では任せられないが、家族が一緒なら大丈夫」との回答が多く、理由として火の始末や刃物による怪我が不安に挙がっていた。教室実施後2週間後の聞き取りでは、料理教室を振り返り、「失敗した部分をやり直したい」「美味しかったのでまた作ってみた」など家族の協力の下、意欲的に料理をしているケースが確認できた。一方、家庭で一緒に料理を作れなかったケースでは一緒に料理をしたい気持ちは有るが、時間の制約などで実施に至っていないとの声が多く挙がり、家庭内の状況によって結果は様々であった。
【課題と考察】教室を通じて家族は「好きな物を作りたい」「家族に作ってあげたい」という参加者の思いを知る事となり、これが単に調理動作の評価に留まらず親子の相互理解を深め、家族による家庭での支援を前向きに引き出す結果に繋がったと言える。時間の制約や安全確保が難しく実施に至れていない家族も、気持ちとしては参加者の料理をがしたい気持ちを受け止めている事も分かった。このような方々へ施設が行うアプローチは、家族が支援できる条件を掘り下げて確認し、具体的な方法を提案する事が重要だと感じた。例えば、記念日など特別な日をきっかけにしたり、曜日を決める、安全な調理方法を取り入れる、工程の一部を任せるなど、家族が実施可能で分かりやすい方法を提案したり、必要な家事動作の習得に向けた個別リハビリや家庭への訪問指導も方法として考えられる。こうして施設は参加者と家族とも継続的に関わりながら各家庭の課題に応じた支援を行う必要がある。その他、料理教室が家族同士の交流や悩みの共有の場となった事は想像以上の成果だった。
【今後の展望】今回は身体機能と認知機能が有る程度自立し、家族の協力も見込めるケースを対象として、目標を達成できたケースも現れた。しかし、もう少し重度の方や家族の協力が見込めない方に対しては、調理のような複雑な家事動作以外の方法を検討し提案する必要性を感じた。こうしてより多くの方に家庭でのリハビリ継続と役割創出を提案する事で、引き続き利用者の「したい」を引き出せるサービスの提供を目指していきたい。
