講演情報
[27-O-G002-06]適切な座位が拓く『可能性』
埼玉県 ○小熊 豪 (介護老人保健施設ぬくもり)
【はじめに】
当施設は、超強化型老健として在宅復帰機能を高めるため、KTチーム(口から食べるチーム)を発足した。KTチームは、食事による栄養面の改善により、リハビリを効果的に進める事を目的として、多職種によるチームで評価・分析を行い、口から食べるための支援を積極的に行っている。リハビリテーション課では、食事の基本となる『座位』と、それを支援する『シーティング』について、改めて調査・研究する機会があったためここに報告する。
【対象】
当施設に2024年7月1日時点で長期入所されていた、一般棟52名を対象とした。
【方法】
一般棟52名の現状を、『介護度』・『Hoffer座位能力分類(JSSC版)』でそれぞれ分類し、介護度は要介護認定でも使われる『要介護状態区分別の状態像』、Hoffer座位能力分類(JSSC版)は姿勢の崩れをさらに5パターンに分類し、詳細を調査した。
【結果】
一般棟52名の平均要介護度は3.19であった。内訳は、要介護1が3名、要介護2が11名、要介護3が17名、要介護4が15名、要介護5が6名である。『要介護状態区分別の状態像』より、日常生活動作において上肢操作に影響が出てくる要介護3以上の割合は、合計38名(約73%)であった。
Hoffer座位能力分類(JSSC版)で分類した結果、段階1の自力で座位保持が可能な方が16名、段階2の姿勢にサポートが必要な方が28名、頭頚部のサポートが必要な方が8名で、なんらかのサポートが必要な段階2・3の合計は36名(約70%)であった。36名の姿勢の崩れを1)臀部前滑り2)横への傾き3)前への傾き4)後ろへの傾き5)回旋にさらに分類を行った結果、1)80% 2)69% 3)11% 4)13% 5)55%(小数点切り捨て・複数項目への該当あり)で、いずれかの姿勢の崩れが全員にみられた。
【考察】
『要介護状態区分別の状態像』によると、80%以上の割合で低下がみられる日常生活能力に、要介護3で口腔清潔・上衣の着脱・ズボン等の着脱、要介護4で座位保持・洗顔・整髪が挙げられている。一般棟52名の平均要介護度3.19は、その要介護3と4の間になるので、座位保持はある程度保てても、複雑な上肢の操作は難しい状態であると考えられる。一般棟利用者52名の内、38名(約73%)は要介護3以上であり、安定して座れる支援を行わなければ、それだけの利用者様がADLに影響を受けてしまう事が分かった。
Hoffer座位能力分類(JSSC版)で分類した結果、段階2・3の姿勢にサポートが必要な方は36名(約70%)で、要介護3以上の38名(約73%)と近い値となった。姿勢の崩れは、1)臀部前滑り2)横への傾き5)回旋が特に高い割合でみられ、そのどれもがADLに影響するものであった。具体的には姿勢が崩れることで、四肢・頭頚部の操作性、嚥下機能、内臓機能、意欲、コミュニケーション能力等の低下、褥瘡リスクの増加等が考えられる。
今回の調査で、当施設の利用者様の座位状況を改めて確認することができ、いずれの調査でも約70%の利用者様が座位姿勢からADLに影響を受けており、様々な能力低下、褥瘡や誤嚥等のリスクを抱えている事が分かった。『適切なシーティング』を多職種で提供出来れば、その約70%の利用者様のADLを改善する事が出来るため、多くの方に選んで頂ける介護老人保健施設となれるよう、積極的に取り組くんでいくべき課題だと改めて感じた。
おわりに、今回の調査・研究を通して、シーティングの必要性を明確な数値として知ることができた。今後KTチームを盛り上げていくための裏付けとなるデータを得られたことは大きな成果であった。今後もKTチームのみでなく、施設レベルで活動が定着していくよう、調査・研究を継続していく。
当施設は、超強化型老健として在宅復帰機能を高めるため、KTチーム(口から食べるチーム)を発足した。KTチームは、食事による栄養面の改善により、リハビリを効果的に進める事を目的として、多職種によるチームで評価・分析を行い、口から食べるための支援を積極的に行っている。リハビリテーション課では、食事の基本となる『座位』と、それを支援する『シーティング』について、改めて調査・研究する機会があったためここに報告する。
【対象】
当施設に2024年7月1日時点で長期入所されていた、一般棟52名を対象とした。
【方法】
一般棟52名の現状を、『介護度』・『Hoffer座位能力分類(JSSC版)』でそれぞれ分類し、介護度は要介護認定でも使われる『要介護状態区分別の状態像』、Hoffer座位能力分類(JSSC版)は姿勢の崩れをさらに5パターンに分類し、詳細を調査した。
【結果】
一般棟52名の平均要介護度は3.19であった。内訳は、要介護1が3名、要介護2が11名、要介護3が17名、要介護4が15名、要介護5が6名である。『要介護状態区分別の状態像』より、日常生活動作において上肢操作に影響が出てくる要介護3以上の割合は、合計38名(約73%)であった。
Hoffer座位能力分類(JSSC版)で分類した結果、段階1の自力で座位保持が可能な方が16名、段階2の姿勢にサポートが必要な方が28名、頭頚部のサポートが必要な方が8名で、なんらかのサポートが必要な段階2・3の合計は36名(約70%)であった。36名の姿勢の崩れを1)臀部前滑り2)横への傾き3)前への傾き4)後ろへの傾き5)回旋にさらに分類を行った結果、1)80% 2)69% 3)11% 4)13% 5)55%(小数点切り捨て・複数項目への該当あり)で、いずれかの姿勢の崩れが全員にみられた。
【考察】
『要介護状態区分別の状態像』によると、80%以上の割合で低下がみられる日常生活能力に、要介護3で口腔清潔・上衣の着脱・ズボン等の着脱、要介護4で座位保持・洗顔・整髪が挙げられている。一般棟52名の平均要介護度3.19は、その要介護3と4の間になるので、座位保持はある程度保てても、複雑な上肢の操作は難しい状態であると考えられる。一般棟利用者52名の内、38名(約73%)は要介護3以上であり、安定して座れる支援を行わなければ、それだけの利用者様がADLに影響を受けてしまう事が分かった。
Hoffer座位能力分類(JSSC版)で分類した結果、段階2・3の姿勢にサポートが必要な方は36名(約70%)で、要介護3以上の38名(約73%)と近い値となった。姿勢の崩れは、1)臀部前滑り2)横への傾き5)回旋が特に高い割合でみられ、そのどれもがADLに影響するものであった。具体的には姿勢が崩れることで、四肢・頭頚部の操作性、嚥下機能、内臓機能、意欲、コミュニケーション能力等の低下、褥瘡リスクの増加等が考えられる。
今回の調査で、当施設の利用者様の座位状況を改めて確認することができ、いずれの調査でも約70%の利用者様が座位姿勢からADLに影響を受けており、様々な能力低下、褥瘡や誤嚥等のリスクを抱えている事が分かった。『適切なシーティング』を多職種で提供出来れば、その約70%の利用者様のADLを改善する事が出来るため、多くの方に選んで頂ける介護老人保健施設となれるよう、積極的に取り組くんでいくべき課題だと改めて感じた。
おわりに、今回の調査・研究を通して、シーティングの必要性を明確な数値として知ることができた。今後KTチームを盛り上げていくための裏付けとなるデータを得られたことは大きな成果であった。今後もKTチームのみでなく、施設レベルで活動が定着していくよう、調査・研究を継続していく。
