講演情報
[27-O-I002-03]満足度アップに向けた集団レクリエーションの取り組み部活動の導入
北海道 ○加藤 水季, 佐藤 歩実, 澤田 理絵, 伊東 伸悟, 竹内 由美子, 金澤 輝 (介護老人保健施設ゆとりろ)
【はじめに】
当施設では自立支援促進加算の算定を2024年7月から開始した。LIFEフィードバックデータの分析を行う中で、全国他施設と比較し、1週間あたりの趣味・アクティビティ・役割活動、居場所作りについての取り組みが不足していることが明らかになった。
【目的】
当フロアでは集団レクリエーション(以下、集団レクとする)を週2回午後30分程度行っていたが、ゲーム要素が強く、理解力や認知機能に低下を認める利用者でも参加が容易であるように易しい内容としていたため、「つまらない、内容が幼稚だ」などの理由で自立度の高い利用者が参加を拒否することが多々あった。かねてからスタッフ間では集団レク内容について改善が必要との声があり、利用者の集団レクに対する満足度アップを目的として、生活歴・趣味等の情報を反映させた部活動と称した小グループの集団レクを展開することとした。
【方法】
事前情報や利用者・家族からの聞き取りなどから得た趣味・余暇活動・習い事などのデータを収集し、部活動を音楽部、ゲーム部、書道部、折り紙部、体操部、編みもの部の7つに決定し、参加したい一部活を各利用者に選んでいただいた。小グループに分かれて活動を行い、書道部、折り紙部、編みもの部では夏をテーマにした作品を制作した。音楽部では音楽鑑賞をメインに利用者からリクエスト曲を募り、ipadでミュージックビデオを流しながら音楽を鑑賞し、鑑賞した理由やどこが好きなのかを利用者が発表する形式をとった。体操部では車椅子に乗車したまま行える体操を行い、ゲーム部では上肢の麻痺があってもカード類を並べることができる台を用いてトランプやカルタを行った。各部活の開催、曜日を固定し、それぞれ週2回30分程度で実施した。
期間は令和7年4月21日~令和7年6月13日迄の53日間とし、取り組み期間終了後に感想や意識の変化についてのアンケート、参加回数の比較を行った。データを比較するにあたり、比較対象期間は、前年度の同時期である令和6年4月21日~令和6年6月13日迄とした。
【結果】
令和6年8月~令和7年2月のLIFE自立支援加算のフィードバックデータによれば、1週間あたりの趣味・アクティビティ・役割活動について、全国(ほぼ毎日39.0~41.6%、週に2~3回22.8~23.8%、週に1回程度13.8~15.7%)、当施設(ほぼ毎日7~9%、週に2~3回20.9~25.0%、週に1回程度30.6~35.9%)と明らかな差異が認められた。
活動前のアンケート(対象48名、回答数40名、無回答8名)では、65%が今までにフロアでのレクリエーションに参加経験があり、35%は参加したことがなかった。参加したことがある方の50%が現状のレクリエーション内容に満足と回答したが、15%が満足しておらず、その理由の多くが「内容が面白くない」、「物足りない」というものだった。参加経験のない方の主な理由は、「部屋で静かにしていたい」「面倒だから」「体調がよくないから」などであった。
取り組み後のアンケート(対象47名、回答数39名、無回答8名)では、81%の利用者が部活動に参加しており、19%が参加しなかった。参加した利用者の43%が「楽しかった」、15%が「少し楽しかった」と回答し、満足度についても参加した利用者の82%が今回の集団レクのレク内容に「満足した」と回答した。参加後の気持ちの変化については、「気分が明るくなった」21%、「毎日が楽しみになった」17%、「誰かと話す機会が増えた」4%、「特に変わらなかった」15%と回答。「今後も参加したいか」という問いには、「強く思う」43%、「どちらかといえば思う」15%、「あまり思わない」6%、「まったく思わない」0%という回答となった。
利用者全体における対象期間中の1人あたりの集団レク平均参加回数については、取組み前が平均4.06回だったのに対し、取組み後は12.25回と、大幅に増加した。今まで集団レクに参加しなかった利用者の参加も増えた。
【考察】
高齢者にとってレクリエーションは、身体機能の維持・向上、認知症予防・脳の機能維持、気分転換・ストレス解消、社会的繋がりの強化、生活の質向上など多様な意味を持つとされる。今回、利用者の生活歴や趣味などの情報を活かして取り組みを実施したことで、今まで集団レクの内容がつまらないという理由で参加を渋っていた利用者の参加に繋がり、全体の集団レク平均参加回数が大幅に増加した。
小グループに利用者それぞれが所属し、曜日を固定したことで、利用者自身が日課を把握し、部活動に参加する時間に合わせて準備をする姿も多くみられた。日頃、関わりの少ない利用者同士の交流が増え、フロアで展示した完成作品の鑑賞を楽しむ利用者や家族も多く、笑顔が増えた。今まで会話をしていなかった利用者間で「次の部活の時間でまたお会いしましょうね」、「次はどの曲をリクエストしようかしら」と部活動を楽しみにしている言葉もみられ、コミュニケーションの輪が広がっている。今回の取り組みが居場所づくりの取り組みとしても有効に作用していたと思われる。
【まとめ】
高齢者にとってレクリエーションのもつ意味は大きいが、レクリエーションの内容は単一になりがちであり、ADLや認知度などが異なる利用者に対し、目新しい内容のレクリエーションを続けることは難しい。しかし、生活歴や趣味活動などの情報を活かしながら、部活動というグループ活動を続けることで、活動に参加するという意欲やコミュニケーションの活発化など多くの効果をもたらした。今後も定期的に部活動の内容をブラッシュアップしながら活動を継続して行きたい。
当施設では自立支援促進加算の算定を2024年7月から開始した。LIFEフィードバックデータの分析を行う中で、全国他施設と比較し、1週間あたりの趣味・アクティビティ・役割活動、居場所作りについての取り組みが不足していることが明らかになった。
【目的】
当フロアでは集団レクリエーション(以下、集団レクとする)を週2回午後30分程度行っていたが、ゲーム要素が強く、理解力や認知機能に低下を認める利用者でも参加が容易であるように易しい内容としていたため、「つまらない、内容が幼稚だ」などの理由で自立度の高い利用者が参加を拒否することが多々あった。かねてからスタッフ間では集団レク内容について改善が必要との声があり、利用者の集団レクに対する満足度アップを目的として、生活歴・趣味等の情報を反映させた部活動と称した小グループの集団レクを展開することとした。
【方法】
事前情報や利用者・家族からの聞き取りなどから得た趣味・余暇活動・習い事などのデータを収集し、部活動を音楽部、ゲーム部、書道部、折り紙部、体操部、編みもの部の7つに決定し、参加したい一部活を各利用者に選んでいただいた。小グループに分かれて活動を行い、書道部、折り紙部、編みもの部では夏をテーマにした作品を制作した。音楽部では音楽鑑賞をメインに利用者からリクエスト曲を募り、ipadでミュージックビデオを流しながら音楽を鑑賞し、鑑賞した理由やどこが好きなのかを利用者が発表する形式をとった。体操部では車椅子に乗車したまま行える体操を行い、ゲーム部では上肢の麻痺があってもカード類を並べることができる台を用いてトランプやカルタを行った。各部活の開催、曜日を固定し、それぞれ週2回30分程度で実施した。
期間は令和7年4月21日~令和7年6月13日迄の53日間とし、取り組み期間終了後に感想や意識の変化についてのアンケート、参加回数の比較を行った。データを比較するにあたり、比較対象期間は、前年度の同時期である令和6年4月21日~令和6年6月13日迄とした。
【結果】
令和6年8月~令和7年2月のLIFE自立支援加算のフィードバックデータによれば、1週間あたりの趣味・アクティビティ・役割活動について、全国(ほぼ毎日39.0~41.6%、週に2~3回22.8~23.8%、週に1回程度13.8~15.7%)、当施設(ほぼ毎日7~9%、週に2~3回20.9~25.0%、週に1回程度30.6~35.9%)と明らかな差異が認められた。
活動前のアンケート(対象48名、回答数40名、無回答8名)では、65%が今までにフロアでのレクリエーションに参加経験があり、35%は参加したことがなかった。参加したことがある方の50%が現状のレクリエーション内容に満足と回答したが、15%が満足しておらず、その理由の多くが「内容が面白くない」、「物足りない」というものだった。参加経験のない方の主な理由は、「部屋で静かにしていたい」「面倒だから」「体調がよくないから」などであった。
取り組み後のアンケート(対象47名、回答数39名、無回答8名)では、81%の利用者が部活動に参加しており、19%が参加しなかった。参加した利用者の43%が「楽しかった」、15%が「少し楽しかった」と回答し、満足度についても参加した利用者の82%が今回の集団レクのレク内容に「満足した」と回答した。参加後の気持ちの変化については、「気分が明るくなった」21%、「毎日が楽しみになった」17%、「誰かと話す機会が増えた」4%、「特に変わらなかった」15%と回答。「今後も参加したいか」という問いには、「強く思う」43%、「どちらかといえば思う」15%、「あまり思わない」6%、「まったく思わない」0%という回答となった。
利用者全体における対象期間中の1人あたりの集団レク平均参加回数については、取組み前が平均4.06回だったのに対し、取組み後は12.25回と、大幅に増加した。今まで集団レクに参加しなかった利用者の参加も増えた。
【考察】
高齢者にとってレクリエーションは、身体機能の維持・向上、認知症予防・脳の機能維持、気分転換・ストレス解消、社会的繋がりの強化、生活の質向上など多様な意味を持つとされる。今回、利用者の生活歴や趣味などの情報を活かして取り組みを実施したことで、今まで集団レクの内容がつまらないという理由で参加を渋っていた利用者の参加に繋がり、全体の集団レク平均参加回数が大幅に増加した。
小グループに利用者それぞれが所属し、曜日を固定したことで、利用者自身が日課を把握し、部活動に参加する時間に合わせて準備をする姿も多くみられた。日頃、関わりの少ない利用者同士の交流が増え、フロアで展示した完成作品の鑑賞を楽しむ利用者や家族も多く、笑顔が増えた。今まで会話をしていなかった利用者間で「次の部活の時間でまたお会いしましょうね」、「次はどの曲をリクエストしようかしら」と部活動を楽しみにしている言葉もみられ、コミュニケーションの輪が広がっている。今回の取り組みが居場所づくりの取り組みとしても有効に作用していたと思われる。
【まとめ】
高齢者にとってレクリエーションのもつ意味は大きいが、レクリエーションの内容は単一になりがちであり、ADLや認知度などが異なる利用者に対し、目新しい内容のレクリエーションを続けることは難しい。しかし、生活歴や趣味活動などの情報を活かしながら、部活動というグループ活動を続けることで、活動に参加するという意欲やコミュニケーションの活発化など多くの効果をもたらした。今後も定期的に部活動の内容をブラッシュアップしながら活動を継続して行きたい。
