講演情報
[27-O-I002-05]アクティビティ導入と能動的な参加をめざして~活動の定着化をはかる~
和歌山県 ○石橋 公仁美 (介護老人保健施設光苑)
【はじめに】
当施設は・入所定員23床・通所リハビリテーション(以下、通リハと略す)定員50名の介護老人保健施設である。入所・通所利用者が活動する機会は日常生活動作・個別リハビリテーション・自主トレーニング・レクリエーションである。セラピストが介入する時間は限られており、自主トレーニング等実施していたが意欲的に継続できる利用者も少なく、また年間イベントや毎日のレクはラジオ体操・工作などを行ってはいるものの定着しておらず、受動的であり、参加せずテレビ鑑賞や居眠りをして時間を持て余している現状であった。活動が減少すると帰宅願望等の不穏傾向になりやすく、職員が対応に追われるという悪循環になっていることも改善したいと考え多職種が連携しアクティビティ導入の取り組みを行った。
【目的】
今回、入所・通所リハにおいて余暇時間を受動的なレクでなく、利用者・職員ともに興味・関心の高いアクティビティの導入し、定着化することで、利用者のQOL向上を目指すとともに、多職種が連携し職員自身も楽しんで活動できることを目的とする。
【方法】
興味・関心チェックシートの結果で1映画・音楽観賞(カラオケ) 2手作業(手芸・絵手紙・美容等) 3園芸・料理 4リズム体操(ダンス) 5将棋・麻雀・ゲームの5つの分野に分けアクティビティの導入と定着化を試みた。全職員にも利用者同様にアンケートを実施し、その結果に基づき5つのアクティビティに職員を配置、月1回以上の打ち合わせ時間を設け、メンバー間で活動計画を立て記録を残していく。利用者と一緒に参加する楽しさを体験する。
1 映画鑑賞会の開催日を事前に掲示版でポスター案内する
2 手作業はコーナーを設け、各利用者にあったものを提供する
3 施設内の畑で農作物を育てお世話等の役割を持ち、採れた野菜で浅漬けやおやつ作りを実施する
4 リズム体操(ダンス)に関しては音楽に合わせ運動を取り入れた体操やダンスを実施する
5 将棋・麻雀・ゲームはできる方を募り、利用曜日で対戦相手をみつけて開催する
【結果】
アクティビティ導入後の利用者の変化点を挙げる
1 映画鑑賞会・・・普段見ているTVでなく大型画面を使用して鑑賞することにより日常とは違う満足感が得られた。懐かしい映画を鑑賞することで回想でき表情が明るくなった。認知症周辺症状がある方が集中して鑑賞できていた。
2 手作業・手芸・・・定期的・継続的に手作業することで次はこんなものを作ってみたいなど利用者自らの要望があり、物品の準備等すすんで行ってくれる利用者が出てきた。
3 園芸・料理・・・栽培している野菜の管理を積極的にしてくれるようになった。採れた野菜を調理・提供し、他者に褒めてもらうことでまた作りたいなど意欲向上につながった。また季節感を感じてもらうよう、青梅で梅シロップを作り、水分補給を促し夏場の脱水予防に活用するなど健康管理も行えた。
4 リズム体操(ダンス)・・・導入時は声かけを行い非常に少人数で始めたが、次第に参加人数も増え、時間を決めることで利用者同士誘い合い自然と集まるようになってきた。音楽に合わせ自発的に動くことで明るい表情がみられるようになった。
5 将棋・麻雀・ゲーム・・・将棋・麻雀をする楽しみができ、午前・午後の生活リズムが定着した。他者との会話をせず無言で過ごしていた利用者間の会話が増え・笑顔がみられた。
【考察】
今回、フロアで過ごす余暇時間の充実を目的に5つアクティビティ導入を行ったことで、利用者それぞれが興味・関心のあるアクティビティを自ら選択・決定し、能動的に参加する変化がみられた。活動に参加することにより達成感や喜びを感じる機会ができ、次回への具体的な目標を持ち前向きな発言が多くみられるようになった。アクティビティの参加を重ねるにつれ、利用者それぞれが自分の役割を持ち、果たしていくことで自立支援や自己実現へとつながり日々の個別リハや自主トーニングでは経験しにくい達成感・満足感が得られ、結果QOL向上につながると思われた。
また、アクティビティ導入をきっかけとして、職員の関わり方が身体介護・生活動作支援だけでは知ることのできなかった個人の自主性・自己選択・自己決定を引き出そうと意識して関わるようになってきた。このように職員の意識が変わることで普段のADL場面や生活場面においても利用者の自主性を引き出す機会が増えてくるのではないかと考えられる。アクティビティを通して利用者と一緒に活動し楽しい体験を重ねるにつれ異職種の職員間のコミュニケーションも深まると期待できる。
【まとめ】
単に遊びの中で行われるレクリエーションとは違い、アクティビティケアは介護を必要とする高齢者の生活リズムを整え、QOLを向上させるためのケアの一環である。
現在の取り組みは余暇時間の充実を目的にアクティビティの導入と積極的な参加を促し、施設全体でこの活動を定着化させることを主に行ってきた。
今後は一人ひとりの興味や関心だけでなく生活歴やニーズなど、その人の生活全体を捉えた情報収集を行い、その人の人生・価値観を尊重するアクティビティケアの提供につなげていくことが課題である。
当施設は・入所定員23床・通所リハビリテーション(以下、通リハと略す)定員50名の介護老人保健施設である。入所・通所利用者が活動する機会は日常生活動作・個別リハビリテーション・自主トレーニング・レクリエーションである。セラピストが介入する時間は限られており、自主トレーニング等実施していたが意欲的に継続できる利用者も少なく、また年間イベントや毎日のレクはラジオ体操・工作などを行ってはいるものの定着しておらず、受動的であり、参加せずテレビ鑑賞や居眠りをして時間を持て余している現状であった。活動が減少すると帰宅願望等の不穏傾向になりやすく、職員が対応に追われるという悪循環になっていることも改善したいと考え多職種が連携しアクティビティ導入の取り組みを行った。
【目的】
今回、入所・通所リハにおいて余暇時間を受動的なレクでなく、利用者・職員ともに興味・関心の高いアクティビティの導入し、定着化することで、利用者のQOL向上を目指すとともに、多職種が連携し職員自身も楽しんで活動できることを目的とする。
【方法】
興味・関心チェックシートの結果で1映画・音楽観賞(カラオケ) 2手作業(手芸・絵手紙・美容等) 3園芸・料理 4リズム体操(ダンス) 5将棋・麻雀・ゲームの5つの分野に分けアクティビティの導入と定着化を試みた。全職員にも利用者同様にアンケートを実施し、その結果に基づき5つのアクティビティに職員を配置、月1回以上の打ち合わせ時間を設け、メンバー間で活動計画を立て記録を残していく。利用者と一緒に参加する楽しさを体験する。
1 映画鑑賞会の開催日を事前に掲示版でポスター案内する
2 手作業はコーナーを設け、各利用者にあったものを提供する
3 施設内の畑で農作物を育てお世話等の役割を持ち、採れた野菜で浅漬けやおやつ作りを実施する
4 リズム体操(ダンス)に関しては音楽に合わせ運動を取り入れた体操やダンスを実施する
5 将棋・麻雀・ゲームはできる方を募り、利用曜日で対戦相手をみつけて開催する
【結果】
アクティビティ導入後の利用者の変化点を挙げる
1 映画鑑賞会・・・普段見ているTVでなく大型画面を使用して鑑賞することにより日常とは違う満足感が得られた。懐かしい映画を鑑賞することで回想でき表情が明るくなった。認知症周辺症状がある方が集中して鑑賞できていた。
2 手作業・手芸・・・定期的・継続的に手作業することで次はこんなものを作ってみたいなど利用者自らの要望があり、物品の準備等すすんで行ってくれる利用者が出てきた。
3 園芸・料理・・・栽培している野菜の管理を積極的にしてくれるようになった。採れた野菜を調理・提供し、他者に褒めてもらうことでまた作りたいなど意欲向上につながった。また季節感を感じてもらうよう、青梅で梅シロップを作り、水分補給を促し夏場の脱水予防に活用するなど健康管理も行えた。
4 リズム体操(ダンス)・・・導入時は声かけを行い非常に少人数で始めたが、次第に参加人数も増え、時間を決めることで利用者同士誘い合い自然と集まるようになってきた。音楽に合わせ自発的に動くことで明るい表情がみられるようになった。
5 将棋・麻雀・ゲーム・・・将棋・麻雀をする楽しみができ、午前・午後の生活リズムが定着した。他者との会話をせず無言で過ごしていた利用者間の会話が増え・笑顔がみられた。
【考察】
今回、フロアで過ごす余暇時間の充実を目的に5つアクティビティ導入を行ったことで、利用者それぞれが興味・関心のあるアクティビティを自ら選択・決定し、能動的に参加する変化がみられた。活動に参加することにより達成感や喜びを感じる機会ができ、次回への具体的な目標を持ち前向きな発言が多くみられるようになった。アクティビティの参加を重ねるにつれ、利用者それぞれが自分の役割を持ち、果たしていくことで自立支援や自己実現へとつながり日々の個別リハや自主トーニングでは経験しにくい達成感・満足感が得られ、結果QOL向上につながると思われた。
また、アクティビティ導入をきっかけとして、職員の関わり方が身体介護・生活動作支援だけでは知ることのできなかった個人の自主性・自己選択・自己決定を引き出そうと意識して関わるようになってきた。このように職員の意識が変わることで普段のADL場面や生活場面においても利用者の自主性を引き出す機会が増えてくるのではないかと考えられる。アクティビティを通して利用者と一緒に活動し楽しい体験を重ねるにつれ異職種の職員間のコミュニケーションも深まると期待できる。
【まとめ】
単に遊びの中で行われるレクリエーションとは違い、アクティビティケアは介護を必要とする高齢者の生活リズムを整え、QOLを向上させるためのケアの一環である。
現在の取り組みは余暇時間の充実を目的にアクティビティの導入と積極的な参加を促し、施設全体でこの活動を定着化させることを主に行ってきた。
今後は一人ひとりの興味や関心だけでなく生活歴やニーズなど、その人の生活全体を捉えた情報収集を行い、その人の人生・価値観を尊重するアクティビティケアの提供につなげていくことが課題である。
