講演情報
[27-O-L002-06]療養型老健におけるFIM評価の有用性に関する一考察
山口県 ○藤田 厚, 小川 健司 (介護療養型老人保健施設青海荘弐番館)
【目的】
療養型老健における高齢入所者のFIMの経年変化を解析し、FIMの有用性を検討することを目的とした。
【方法】
X年3月31日時点で60歳以上であり、かつX+2年3月31日まで継続して入所していた高齢入所者21名を対象とした。FIMの2年間における変化(FIM利得)を算出し、年齢、性別、1週間のリハビリ介入回数、離床機会の有無、経口摂取の有無、介護度との相関を検討した。解析にはSpearmanの順位相関係数を用い、有意水準は5%未満とした。
【結果】
1週間のリハビリ介入回数とFIM利得との間に相関係数r=-0.49(p=0.03)を認め、有意な負の相関が認められた。また、離床機会の有無との相関係数はr=0.19(p=0.39)と、他項目より高値であり、弱い相関が示唆された。
【考察】
療養型老健施設は、「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにする」ことが求められている(平成11年厚生省令第41号)。しかしながら、この「能力に応じた自立」の評価尺度としてFIMが適しているかは明らかではない。過去の報告ではFIM平均71.6±30.6点と比較的高得点の対象者が中心であったが、本研究対象者のFIM平均は26.2±9.0点と大きく異なっていた。
今回、1週間のリハビリ介入回数との間に有意な相関が認められたが、回数の異なる対象者は1名のみであり、その者のFIM利得は-18点と大きく低下していた。これはCOVID-19感染による運動意欲の低下とADL低下が影響したものであり、「介入回数が多いほどFIMが低下する」という結果は、実態と逆行する可能性がある。また、対象者の多くは長期在所者であり、中には10年以上在所している者もいた。概してFIMはなだらかに低下傾向を示すが、比較的高得点者に著しいADL変化が起きることで全体の傾向が歪む恐れがある。
したがって、FIMは療養型老健におけるADL評価として有用性はあるが、最適とは言い切れず、特に長期入所者においては限界があると考えられる。
【結論】
FIMは療養型老健における入所者のADLを評価するための一つの指標とはなり得るが、必ずしも最適な尺度とはいえない。今後は長期療養者に適した新たなADL評価尺度の構築が求められる。
【キーワード】
FIM、療養型老健、ADL、経年変化、リハビリ介入
療養型老健における高齢入所者のFIMの経年変化を解析し、FIMの有用性を検討することを目的とした。
【方法】
X年3月31日時点で60歳以上であり、かつX+2年3月31日まで継続して入所していた高齢入所者21名を対象とした。FIMの2年間における変化(FIM利得)を算出し、年齢、性別、1週間のリハビリ介入回数、離床機会の有無、経口摂取の有無、介護度との相関を検討した。解析にはSpearmanの順位相関係数を用い、有意水準は5%未満とした。
【結果】
1週間のリハビリ介入回数とFIM利得との間に相関係数r=-0.49(p=0.03)を認め、有意な負の相関が認められた。また、離床機会の有無との相関係数はr=0.19(p=0.39)と、他項目より高値であり、弱い相関が示唆された。
【考察】
療養型老健施設は、「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにする」ことが求められている(平成11年厚生省令第41号)。しかしながら、この「能力に応じた自立」の評価尺度としてFIMが適しているかは明らかではない。過去の報告ではFIM平均71.6±30.6点と比較的高得点の対象者が中心であったが、本研究対象者のFIM平均は26.2±9.0点と大きく異なっていた。
今回、1週間のリハビリ介入回数との間に有意な相関が認められたが、回数の異なる対象者は1名のみであり、その者のFIM利得は-18点と大きく低下していた。これはCOVID-19感染による運動意欲の低下とADL低下が影響したものであり、「介入回数が多いほどFIMが低下する」という結果は、実態と逆行する可能性がある。また、対象者の多くは長期在所者であり、中には10年以上在所している者もいた。概してFIMはなだらかに低下傾向を示すが、比較的高得点者に著しいADL変化が起きることで全体の傾向が歪む恐れがある。
したがって、FIMは療養型老健におけるADL評価として有用性はあるが、最適とは言い切れず、特に長期入所者においては限界があると考えられる。
【結論】
FIMは療養型老健における入所者のADLを評価するための一つの指標とはなり得るが、必ずしも最適な尺度とはいえない。今後は長期療養者に適した新たなADL評価尺度の構築が求められる。
【キーワード】
FIM、療養型老健、ADL、経年変化、リハビリ介入
