講演情報
[27-O-L003-05]リハビリマネジメント加算への挑戦ゼロスタートから1年で所得80%達成するまでの道のり
神奈川県 ○高橋 礼羅, 岩見谷 瑠偉 (医療法人光陽会 横浜いずみ介護老人保健施設)
【背景・目的】
当施設は新規のご利用開始から専門スタッフによる機能訓練(リハビリテーション)を受ける事が出来る。通常個別リハビリの時間は1人に対して20分としている。その中で、ご利用者やご家族から日常生活動作での不安や疑問に思っている声が多く聞かれた。その声に応えるため今よりもっと効果的なリハビリの提供をする事を目的としたリハビリマネジメント加算の算定を検討した。
2024年6月の介護保険法改正により、平均利用延人数が750人を上回り、大規模型に移行した場合でも要件を満たしていれば通常規模型と同等の評価を得る事が出来る事となった。当施設の通所リハビリは750人を超える見込みとなり、大規模型への移行に備えて介護報酬の減算を防ぐ為にも、新たな取り組みとしてリハビリマネジメント加算(イ)の算定に挑戦した。仕組みも何も分からないゼロからスタートし、1年で80%の算定に成功した経緯を報告する。
【リハビリマネジメント加算とは】
利用者の自立支援・重度化の防止や『SPDCA』と呼ばれるサイクルによって継続的なリハビリを管理し、より質の高いリハビリの提供する事を目的とした加算の事である。
【方法】
・この加算の仕組みや具体的な内容を厚生労働省の提示しているマニュアルを参考に情報収集し、それを基に主体となるリハビリ職員や医師と算定に向けての会議を行った
・ケアマネージャーへ単位数の確認を行い、ご家族にもこの加算の概要の説明・同意を得た
・算定目標を毎月10名前後、2024年度末までに要介護総登録者数に対して80%の算定に設定し、算定を開始する
【課題点】
1.業務負担の増加:通常の業務に加え、加算の算定も加わった事で職員の負担が増加、リハビリテーション会議に出席する職員が抜けた分、現場職員の負担が増加した
2.新規問い合わせの減少:算定を取り始めた事によってケアマネージャーの負担の増加や単位数の増加もあり、前年度100件近くあった新規問い合わせが23%減少した
3.算定率の伸び悩み:毎月10名前後の取得を目標としていたが、既存の利用者様も金銭的問題や2.で述べた理由も考えられ新規の取得が厳しく、1ヶ月で1件のみという事もあった
【改善】
もう少しスムーズに取得できる方法はないか考え、他事業所で取得経験のあるケアマネージャーに聞いたり、この加算を取り入れ算定率100%で運営している他施設に伺い、実施方法の相談をした。そこでのアドバイスを基にこの加算の目的をもう一度考え、リハビリテーション会議の方法を改めた。
・会議の場所は施設内とし、時間は15:00~ 1人あたり10分~15分 1日3人まで
日程は月毎にリハマネカレンダーを独自に作成し管理
・生活情報共有シートを作成し、ご家族には気になる事や聞いておきたい事等を記入してもらい、会議に参加できない場合でもそれを議題にあげ会議を行う事ができた。
・ケアマネージャーがやむを得ず参加が不可能な場合は照会と議事録を送り情報共有を行う。
【結果】
結果、2024年度末時点の要介護総登録者数100名に対して82名の算定に成功する事ができた。また、この加算をとったことで医師の指示や相談が受けられることがご利用者・ご家族の安心にも繋がり疑問や不安の解消にもなったとの多くの評価を頂けた。
【事例】
Aさん 女性 91歳 要介護3 杖歩行 週2回利用
症状:降圧剤は処方されていたが、普段からバイタルが高く、時間をおいても下がらないことが多々あり、息切れも顕著に見られた。ご本人様に呼吸苦等の自覚症状はないが、上記の症状が起因でリハビリの介入が出来ない事もあった。ケアマネージャーに報告したところリハビリテーション会議にて『老健の医師による医学的な見解と日常生活においての留意点を聞きたい』との事だった。
施設医師の診察では労作後の逆流音はなし、円背の為呼吸音が高いとの事。かかりつけ医への受診も提案され、その後受診。主治医からは内科的疾患があるわけではなく、前傾姿勢になっている事から肺が圧迫されている為の症状だろうとの事だった。
【考察】
事例:リハビリマネジメントを通して介護・リハ・医師・主治医・ケアマネージャー等の多職種間での情報共有ができた事で、Aさんのその日の健康状態に合わせリハビリ内容を変更する等、リハビリを中止する事なく臨機応変に対応し、取り組む事が出来ていると考えられる。
リハビリテーション会議: リハマネカレンダーを作成し多職種にも共有する事で日程を把握でき、予定の調整が可能となった為、会議に参加しやすくなった。生活情報共有シートを作成した事で多職種との情報共有ができ、短い時間であっても共有シートを基に効率的な会議を行う事ができた。
業務負担:この加算の算定を始めた事により、普段の業務に加え職員の負担が増えた事は事実だが、会議の方法を再検討した事や会議に参加する職員を担当制にした事で業務分担ができた。取得に対しての職員の意識も変わり、全員でリハビリマネジメントに取り組む事ができた。
また、長年築いてきたケアマネージャーとの信頼関係があった事や会議における負担も減少した事から、単価が上がったとしても加算取得に対する理解が得られやすくなり、新規問い合わせ件数の増加・新たな算定の取得にも繋がったと考えられる。
【まとめ】
実施方法の検討はまだまだ必要だと思われるため、情報収集は継続的に行っていく。ご利用者に安心・安全を届ける介護・リハビリが出来る様にリハビリマネジメントの取り組みは行い、今はまだ大規模型には移行していないが来期を見据えてリハビリマネジメントの数字は80%を下回らないよう維持しつつ、算定を続けていく。
当施設は新規のご利用開始から専門スタッフによる機能訓練(リハビリテーション)を受ける事が出来る。通常個別リハビリの時間は1人に対して20分としている。その中で、ご利用者やご家族から日常生活動作での不安や疑問に思っている声が多く聞かれた。その声に応えるため今よりもっと効果的なリハビリの提供をする事を目的としたリハビリマネジメント加算の算定を検討した。
2024年6月の介護保険法改正により、平均利用延人数が750人を上回り、大規模型に移行した場合でも要件を満たしていれば通常規模型と同等の評価を得る事が出来る事となった。当施設の通所リハビリは750人を超える見込みとなり、大規模型への移行に備えて介護報酬の減算を防ぐ為にも、新たな取り組みとしてリハビリマネジメント加算(イ)の算定に挑戦した。仕組みも何も分からないゼロからスタートし、1年で80%の算定に成功した経緯を報告する。
【リハビリマネジメント加算とは】
利用者の自立支援・重度化の防止や『SPDCA』と呼ばれるサイクルによって継続的なリハビリを管理し、より質の高いリハビリの提供する事を目的とした加算の事である。
【方法】
・この加算の仕組みや具体的な内容を厚生労働省の提示しているマニュアルを参考に情報収集し、それを基に主体となるリハビリ職員や医師と算定に向けての会議を行った
・ケアマネージャーへ単位数の確認を行い、ご家族にもこの加算の概要の説明・同意を得た
・算定目標を毎月10名前後、2024年度末までに要介護総登録者数に対して80%の算定に設定し、算定を開始する
【課題点】
1.業務負担の増加:通常の業務に加え、加算の算定も加わった事で職員の負担が増加、リハビリテーション会議に出席する職員が抜けた分、現場職員の負担が増加した
2.新規問い合わせの減少:算定を取り始めた事によってケアマネージャーの負担の増加や単位数の増加もあり、前年度100件近くあった新規問い合わせが23%減少した
3.算定率の伸び悩み:毎月10名前後の取得を目標としていたが、既存の利用者様も金銭的問題や2.で述べた理由も考えられ新規の取得が厳しく、1ヶ月で1件のみという事もあった
【改善】
もう少しスムーズに取得できる方法はないか考え、他事業所で取得経験のあるケアマネージャーに聞いたり、この加算を取り入れ算定率100%で運営している他施設に伺い、実施方法の相談をした。そこでのアドバイスを基にこの加算の目的をもう一度考え、リハビリテーション会議の方法を改めた。
・会議の場所は施設内とし、時間は15:00~ 1人あたり10分~15分 1日3人まで
日程は月毎にリハマネカレンダーを独自に作成し管理
・生活情報共有シートを作成し、ご家族には気になる事や聞いておきたい事等を記入してもらい、会議に参加できない場合でもそれを議題にあげ会議を行う事ができた。
・ケアマネージャーがやむを得ず参加が不可能な場合は照会と議事録を送り情報共有を行う。
【結果】
結果、2024年度末時点の要介護総登録者数100名に対して82名の算定に成功する事ができた。また、この加算をとったことで医師の指示や相談が受けられることがご利用者・ご家族の安心にも繋がり疑問や不安の解消にもなったとの多くの評価を頂けた。
【事例】
Aさん 女性 91歳 要介護3 杖歩行 週2回利用
症状:降圧剤は処方されていたが、普段からバイタルが高く、時間をおいても下がらないことが多々あり、息切れも顕著に見られた。ご本人様に呼吸苦等の自覚症状はないが、上記の症状が起因でリハビリの介入が出来ない事もあった。ケアマネージャーに報告したところリハビリテーション会議にて『老健の医師による医学的な見解と日常生活においての留意点を聞きたい』との事だった。
施設医師の診察では労作後の逆流音はなし、円背の為呼吸音が高いとの事。かかりつけ医への受診も提案され、その後受診。主治医からは内科的疾患があるわけではなく、前傾姿勢になっている事から肺が圧迫されている為の症状だろうとの事だった。
【考察】
事例:リハビリマネジメントを通して介護・リハ・医師・主治医・ケアマネージャー等の多職種間での情報共有ができた事で、Aさんのその日の健康状態に合わせリハビリ内容を変更する等、リハビリを中止する事なく臨機応変に対応し、取り組む事が出来ていると考えられる。
リハビリテーション会議: リハマネカレンダーを作成し多職種にも共有する事で日程を把握でき、予定の調整が可能となった為、会議に参加しやすくなった。生活情報共有シートを作成した事で多職種との情報共有ができ、短い時間であっても共有シートを基に効率的な会議を行う事ができた。
業務負担:この加算の算定を始めた事により、普段の業務に加え職員の負担が増えた事は事実だが、会議の方法を再検討した事や会議に参加する職員を担当制にした事で業務分担ができた。取得に対しての職員の意識も変わり、全員でリハビリマネジメントに取り組む事ができた。
また、長年築いてきたケアマネージャーとの信頼関係があった事や会議における負担も減少した事から、単価が上がったとしても加算取得に対する理解が得られやすくなり、新規問い合わせ件数の増加・新たな算定の取得にも繋がったと考えられる。
【まとめ】
実施方法の検討はまだまだ必要だと思われるため、情報収集は継続的に行っていく。ご利用者に安心・安全を届ける介護・リハビリが出来る様にリハビリマネジメントの取り組みは行い、今はまだ大規模型には移行していないが来期を見据えてリハビリマネジメントの数字は80%を下回らないよう維持しつつ、算定を続けていく。
