講演情報
[27-O-L009-05]利用者の主体性を引き出す効果的な支援を目指して当施設訪問リハビリの目標に関する認識調査の報告
東京都 ○渡邉 恒太 (介護老人保健施設カトレア)
【はじめに】 リハビリテーションにおいて、セラピストと利用者との間で目標を設定し、それを共有・確認する過程は極めて重要である。 適切な目標設定は、利用者の主体的な行動を引き出し、より効果的な支援へとつながると考えられている。
【当施設の現状と研究の動機】 当施設では、セラピスト2名が訪問リハビリテーションを担当し、令和7年6月時点で41名(要支援5名・要介護36名)の利用者がサービスを利用している。 利用者の主な目標内容は、IADL(家事や外出等)獲得が59%、ADL(日常生活動作)獲得が24%、(痛みの軽減や筋力向上など)機能面の改善が0.1%、維持目的が0.1%である。 介入期間については1年未満の利用者が17%にとどまり、年単位での長期利用が多い。 近年は、目標達成や自立度の向上による“卒業”が減少傾向にある。サービスが長期化していく中で - リハビリが漫然化していないか?目標に関する話し合いの機会を十分に持ち、利用者の主体性を引き出せているか?支援の期間が長くなる中、利用者のリハビリ終了に対する認識はどうか?といった疑問が生じ、介入の質の見直し・改善を目的に、目標認識に着目したアンケート調査を実施した。
【方法】 訪問リハビリを利用している41名に対し、書面によるアンケート調査を実施。 主な質問項目は以下のとおりで、いずれも4段階評価で回答を求めた。 1. 目標設定は重要だと感じるか 2. 目標は明確にあるか 3. 目標を意識してリハビリに取り組んでいるか 4. 目標について話し合うことは必要だと思うか 5. リハビリ開始時に目標を十分に話し合えたか 6. リハビリの途中で目標を振り返る機会があるか 7. 目標を達成したらリハビリを終了しても良いと考えるか
【結果】 回答回収率は93%(38名)以下のような傾向がみられた。 目標の重要性:90%以上が「重要」と回答 - 目標の明確さ:70%以上が「明確にある」と回答 - 目標意識:87%以上が「とても意識している」「ある程度意識している」と回答 - 目標の話し合いの必要性:90%以上が「とても必要」と回答 - 開始時の話し合い:90%近くが「十分に話し合えた」「まあまあ話し合えた」と回答 - 目標達成後のリハビリ終了に関する認識:90%近くが「考えていない」「終了したくない」と回答
【考察】 目標設定に関しては、利用者の意識は高く、セラピストとの間で目標を共有しながらリハビリを進められている実態が示された。 これは、訪問リハビリというサービスの特性上、日常生活の文脈の中で支援が行われており、目標が具体化しやすいことが要因と考えられる。 特に目標がIADLに関する内容が多いことも、利用者の主体性やモチベーションに好影響を与えていると考えられる。 一方で、「目標達成=リハビリ終了」とは結びついておらず、支援終了に対する抵抗感や不安が大きいことも明らかになった。 通所サービスに通う事が困難な利用者・家族にとって、訪問リハビリは拠り所となっている例もあり、一概に「目標達成=リハビリ終了」に繋げる事が適切かは慎重な判断が必要である。ただインテーク時や目標振り返り時、セラピストが終了(卒業)を意識して均一に説明をしているかは今後も振り返り、改善していく必要があると考える。利用者の主体性を引き出す効果的な支援を目指し、今後も継続して質の見直しや向上を図ると共に、終了(卒業)を見据えた適切な支援を模索していきたい。
【当施設の現状と研究の動機】 当施設では、セラピスト2名が訪問リハビリテーションを担当し、令和7年6月時点で41名(要支援5名・要介護36名)の利用者がサービスを利用している。 利用者の主な目標内容は、IADL(家事や外出等)獲得が59%、ADL(日常生活動作)獲得が24%、(痛みの軽減や筋力向上など)機能面の改善が0.1%、維持目的が0.1%である。 介入期間については1年未満の利用者が17%にとどまり、年単位での長期利用が多い。 近年は、目標達成や自立度の向上による“卒業”が減少傾向にある。サービスが長期化していく中で - リハビリが漫然化していないか?目標に関する話し合いの機会を十分に持ち、利用者の主体性を引き出せているか?支援の期間が長くなる中、利用者のリハビリ終了に対する認識はどうか?といった疑問が生じ、介入の質の見直し・改善を目的に、目標認識に着目したアンケート調査を実施した。
【方法】 訪問リハビリを利用している41名に対し、書面によるアンケート調査を実施。 主な質問項目は以下のとおりで、いずれも4段階評価で回答を求めた。 1. 目標設定は重要だと感じるか 2. 目標は明確にあるか 3. 目標を意識してリハビリに取り組んでいるか 4. 目標について話し合うことは必要だと思うか 5. リハビリ開始時に目標を十分に話し合えたか 6. リハビリの途中で目標を振り返る機会があるか 7. 目標を達成したらリハビリを終了しても良いと考えるか
【結果】 回答回収率は93%(38名)以下のような傾向がみられた。 目標の重要性:90%以上が「重要」と回答 - 目標の明確さ:70%以上が「明確にある」と回答 - 目標意識:87%以上が「とても意識している」「ある程度意識している」と回答 - 目標の話し合いの必要性:90%以上が「とても必要」と回答 - 開始時の話し合い:90%近くが「十分に話し合えた」「まあまあ話し合えた」と回答 - 目標達成後のリハビリ終了に関する認識:90%近くが「考えていない」「終了したくない」と回答
【考察】 目標設定に関しては、利用者の意識は高く、セラピストとの間で目標を共有しながらリハビリを進められている実態が示された。 これは、訪問リハビリというサービスの特性上、日常生活の文脈の中で支援が行われており、目標が具体化しやすいことが要因と考えられる。 特に目標がIADLに関する内容が多いことも、利用者の主体性やモチベーションに好影響を与えていると考えられる。 一方で、「目標達成=リハビリ終了」とは結びついておらず、支援終了に対する抵抗感や不安が大きいことも明らかになった。 通所サービスに通う事が困難な利用者・家族にとって、訪問リハビリは拠り所となっている例もあり、一概に「目標達成=リハビリ終了」に繋げる事が適切かは慎重な判断が必要である。ただインテーク時や目標振り返り時、セラピストが終了(卒業)を意識して均一に説明をしているかは今後も振り返り、改善していく必要があると考える。利用者の主体性を引き出す効果的な支援を目指し、今後も継続して質の見直しや向上を図ると共に、終了(卒業)を見据えた適切な支援を模索していきたい。
