講演情報
[27-O-L012-01]パーキンソン病と向き合う日々に彩りを創作活動を支える短時間デイケア
愛知県 ○高橋 直輝, 山口 慎也 (にしお老人保健施設 彩り)
【目的】
パーキンソン病(以下PD)は国の指定難病であり、若年性で発症することが多く、現在根治療法はなく、薬物療法と運動療法を併用することで症状をコントロールし、QOLを維持することが重要である。当施設の通所デイケア(以下DC)は長時間及び短時間の2種類のサービスを提供している。短時間DCの特色として、PDコースを設定し、利用者に対しPDに特化した運動療法であるLSVT BIGの資格を有した理学療法士をはじめ、専門スタッフが集中的なリハビリプログラムを立案・提供している。本報告のS様はPDコースを2020年12月より利用開始され、現在に至るまで、薬物療法及び運動療法を行った結果、長年継続してきた日本画創作活動や後進の育成、個展の開催などを継続できたことへの短時間DCの影響を検証し、身体機能の維持のみならず、QOLの向上にどの様に寄与したかを具体的に考察し報告する。
【方法】
本報告の利用者に関して、週2回短時間DCでのPDコースにて、PDに特化した運動療法であるLSVT BIGの資格を取得した理学療法士を中心とし、専門的な知識を持ったDCスタッフが個々の身体機能やADL、IADLを考慮し個別的なリハビリプログラムを立案し実施した。
DCスタッフは身体機能の維持・向上のみならず、日本画創作活動への意欲を尊重し、創作活動の継続を図るべく、環境調整や、他介護保険サービスのスタッフとの情報共有を行い、サポートを行った。具体的なリハビリプログラムとして、四肢を大きく動かすことを目的とした体操の実施、関節可動域訓練、バランス訓練、ストレッチ指導、歩行訓練、跨ぎ動作訓練などを集中的に実施した。
また、定期的にリハビリ会議を開催しご本人・ご家族、担当ケアマネージャー、福祉用具業者、訪問リハビリスタッフとの情報共有を密に行い、目標を明確化しリハビリの進捗状況の報告や在宅生活での問題点の確認、動作指導などを実施した。
【結果】
集中的なリハビリプログラムを実施した結果、身体機能の変化として2021年12月から定期的に実施している体力チェックのTimed Up and Go Test(TUG)の結果より、歩行速度の維持や転倒リスクの軽減など、身体機能の維持が示されている。また、全身筋力の評価指標として用いた握力測定においても維持という結果となった。日本画創作活動において、環境調整及びご家族のサポートも重要であり、転倒リスク軽減のため、自宅や創作活動現場の机や椅子の高さ調整や通路のスペース確保、移動方法時の注意点などご本人・ご家族への伝達や訪問リハビリスタッフと共に協議し修正を行った。これらによりS様は日本画創作活動を継続し、個展の開催や絵画の審査、大学での講師活動など多岐にわたる活動を継続することができた。
【考察】
本報告において、PDの利用者に対し、短時間DCでの集中的なリハビリテーションを提供することで身体機能の向上を図るだけではなく、利用者の社会との関わりを支え、QOLの向上に有効であることが分かった。特に専門的な資格を有する理学療法士と、DCスタッフ全体で利用者の個々のニーズを理解し意欲を持って寄り添い、身体及び環境面の様々な問題に取り組むことで、長年続けてきた日本画創作活動や個展開催などを諦めることなく、継続できたのではないかと考える。
短時間DCは、比較的短い時間で集中的なリハビリテーションを提供し、個別性の高いプログラムにより特定の目標に特化した訓練が可能である。専門スタッフによる直接的な指導を受けやすく、自宅での生活を維持するための具体的な練習や指導に重点が置かれる。他の利用者との交流は社会参加やモチベーション維持にも繋がる可能性がある。一方、長時間DCは長時間にわたり生活全般の支援とリハビリを提供し、日常生活動作の維持や社会参加が中心となる場合がある。訪問リハビリテーションは自宅で個別にリハビリを行うため、生活環境に合わせた訓練やアドバイスが可能であるが、利用回数や時間・リハビリ機器などの制限がある場合が多い。
今回のS様に対する支援において、短時間DCでPDに特化した集中的なリハビリテーションを実施したことによるメリットは大きい。専門的な知識に基づいた運動療法の提供、個別ニーズに対応したプログラム、自宅での生活に直結した訓練、多職種連携による包括的なサポート、そして効率的な身体機能向上と即時的な実践が、S様の創作活動の継続を可能にしたと考える。短時間という限られた時間の中で、効率的に身体機能の向上を図り、その成果を自宅で即座に実践できるという点が、S様の活動継続に繋がったと考えた。
本報告の結果は、短時間デイケアによる集中的なリハビリテーションがPD利用者のQOL維持に貢献する可能性を示した。しかし、今後S様の状態を長期的にサポートしていく中で、以下のリスクに関して考慮していく必要がある。PDの進行に伴う症状の悪化、身体機能の低下(特に日本画創作に必要な手指の巧緻性や座位姿勢の維持)、活動範囲の制限、環境の変化への適応困難、精神的な影響、合併症のリスク、介護負担の増加、経済的な負担などが考えられる。これらのリスクに対応するため、今後も定期的な評価や多職種連携によるサポートを継続していくことが重要である。S様やご家族との十分な情報共有を行い、早期に変化に気づき、適切な対応策を講じることが、S様のQOL維持に繋がると考える。また、病状の進行に合わせて、リハビリテーションプログラムの負荷量や内容、頻度、環境調整などを柔軟に見直していく必要性も示唆された。発症時期が比較的若年性であり、発症直後はADLの自立度も高く、自宅での役割や社会との関わりを維持したいとの希望が多く聞かれる傾向にある。今回の報告を基に、今後同様の取り組みが他のPD利用者にも展開され、より多くの方が活動的な生活を維持できるように邁進していきたい。
パーキンソン病(以下PD)は国の指定難病であり、若年性で発症することが多く、現在根治療法はなく、薬物療法と運動療法を併用することで症状をコントロールし、QOLを維持することが重要である。当施設の通所デイケア(以下DC)は長時間及び短時間の2種類のサービスを提供している。短時間DCの特色として、PDコースを設定し、利用者に対しPDに特化した運動療法であるLSVT BIGの資格を有した理学療法士をはじめ、専門スタッフが集中的なリハビリプログラムを立案・提供している。本報告のS様はPDコースを2020年12月より利用開始され、現在に至るまで、薬物療法及び運動療法を行った結果、長年継続してきた日本画創作活動や後進の育成、個展の開催などを継続できたことへの短時間DCの影響を検証し、身体機能の維持のみならず、QOLの向上にどの様に寄与したかを具体的に考察し報告する。
【方法】
本報告の利用者に関して、週2回短時間DCでのPDコースにて、PDに特化した運動療法であるLSVT BIGの資格を取得した理学療法士を中心とし、専門的な知識を持ったDCスタッフが個々の身体機能やADL、IADLを考慮し個別的なリハビリプログラムを立案し実施した。
DCスタッフは身体機能の維持・向上のみならず、日本画創作活動への意欲を尊重し、創作活動の継続を図るべく、環境調整や、他介護保険サービスのスタッフとの情報共有を行い、サポートを行った。具体的なリハビリプログラムとして、四肢を大きく動かすことを目的とした体操の実施、関節可動域訓練、バランス訓練、ストレッチ指導、歩行訓練、跨ぎ動作訓練などを集中的に実施した。
また、定期的にリハビリ会議を開催しご本人・ご家族、担当ケアマネージャー、福祉用具業者、訪問リハビリスタッフとの情報共有を密に行い、目標を明確化しリハビリの進捗状況の報告や在宅生活での問題点の確認、動作指導などを実施した。
【結果】
集中的なリハビリプログラムを実施した結果、身体機能の変化として2021年12月から定期的に実施している体力チェックのTimed Up and Go Test(TUG)の結果より、歩行速度の維持や転倒リスクの軽減など、身体機能の維持が示されている。また、全身筋力の評価指標として用いた握力測定においても維持という結果となった。日本画創作活動において、環境調整及びご家族のサポートも重要であり、転倒リスク軽減のため、自宅や創作活動現場の机や椅子の高さ調整や通路のスペース確保、移動方法時の注意点などご本人・ご家族への伝達や訪問リハビリスタッフと共に協議し修正を行った。これらによりS様は日本画創作活動を継続し、個展の開催や絵画の審査、大学での講師活動など多岐にわたる活動を継続することができた。
【考察】
本報告において、PDの利用者に対し、短時間DCでの集中的なリハビリテーションを提供することで身体機能の向上を図るだけではなく、利用者の社会との関わりを支え、QOLの向上に有効であることが分かった。特に専門的な資格を有する理学療法士と、DCスタッフ全体で利用者の個々のニーズを理解し意欲を持って寄り添い、身体及び環境面の様々な問題に取り組むことで、長年続けてきた日本画創作活動や個展開催などを諦めることなく、継続できたのではないかと考える。
短時間DCは、比較的短い時間で集中的なリハビリテーションを提供し、個別性の高いプログラムにより特定の目標に特化した訓練が可能である。専門スタッフによる直接的な指導を受けやすく、自宅での生活を維持するための具体的な練習や指導に重点が置かれる。他の利用者との交流は社会参加やモチベーション維持にも繋がる可能性がある。一方、長時間DCは長時間にわたり生活全般の支援とリハビリを提供し、日常生活動作の維持や社会参加が中心となる場合がある。訪問リハビリテーションは自宅で個別にリハビリを行うため、生活環境に合わせた訓練やアドバイスが可能であるが、利用回数や時間・リハビリ機器などの制限がある場合が多い。
今回のS様に対する支援において、短時間DCでPDに特化した集中的なリハビリテーションを実施したことによるメリットは大きい。専門的な知識に基づいた運動療法の提供、個別ニーズに対応したプログラム、自宅での生活に直結した訓練、多職種連携による包括的なサポート、そして効率的な身体機能向上と即時的な実践が、S様の創作活動の継続を可能にしたと考える。短時間という限られた時間の中で、効率的に身体機能の向上を図り、その成果を自宅で即座に実践できるという点が、S様の活動継続に繋がったと考えた。
本報告の結果は、短時間デイケアによる集中的なリハビリテーションがPD利用者のQOL維持に貢献する可能性を示した。しかし、今後S様の状態を長期的にサポートしていく中で、以下のリスクに関して考慮していく必要がある。PDの進行に伴う症状の悪化、身体機能の低下(特に日本画創作に必要な手指の巧緻性や座位姿勢の維持)、活動範囲の制限、環境の変化への適応困難、精神的な影響、合併症のリスク、介護負担の増加、経済的な負担などが考えられる。これらのリスクに対応するため、今後も定期的な評価や多職種連携によるサポートを継続していくことが重要である。S様やご家族との十分な情報共有を行い、早期に変化に気づき、適切な対応策を講じることが、S様のQOL維持に繋がると考える。また、病状の進行に合わせて、リハビリテーションプログラムの負荷量や内容、頻度、環境調整などを柔軟に見直していく必要性も示唆された。発症時期が比較的若年性であり、発症直後はADLの自立度も高く、自宅での役割や社会との関わりを維持したいとの希望が多く聞かれる傾向にある。今回の報告を基に、今後同様の取り組みが他のPD利用者にも展開され、より多くの方が活動的な生活を維持できるように邁進していきたい。
