講演情報
[27-O-O003-06]業務中の腰痛軽減に対しての取り組み姿勢別のセルフケアを通しての腰痛対策
岡山県 ○平原 数幸, 香月 ユミ (天神介護老人保健施設)
【背景】当法人では平成27年より「腰痛ゼロへの挑戦」をスローガンに例年取り組みを行っている。その取り組みの中で平成29年度よりのセルフケアとして姿勢の修正を図る「これだけ体操」を導入している。しかし現状で腰痛を感じている職員、特に腰椎の過度な前弯がみられる職員から「効果の実感がわかない」との意見も聞かれた。そのため「これだけ体操」に加え、他のストレッチ等の運動を行う事で腰痛の軽減が図れるかどうか検証を行う事とした。
【方法】現場の看護職員、介護職員、リハビリ職員対象にアンケートを実施し、1.勤務作業中の腰痛の有無、2.疼痛の程度などの確認を行った。疼痛の程度についてはNumerical Rating Scale(以下NRS)を使用し、0「痛みなし」から10「今まで経験した一番強い痛み」の11段階で主観の疼痛評価を行った。NRSで3以上で回答した職員の39名中、協力の了承が得られた34名を対象者とした。また実施後の柔軟性に変化があるかどうか指床間距離(以下FFD)もあわせて行った。対象者をフラットバック(4人)・スウェイバック(9人)・反り腰(21名)の3つのグループに分け各グループに対して、筋トレ・ストレッチを中心としたセルフケアの方法を提示した。グループ分けについては、セルフチェック結果とリハビリ職員の姿勢評価をもとに行った。各グループの筋トレ、ストレッチ方法については
<フラットバック >・ストレッチ…寝ながら背伸び(肩甲骨周囲と腹部)・筋力トレーニング…プランク(腹部、股関節周囲)
<スウェイバック>・ストレッチ…片膝立ちでのストレッチ(股関節前後のストレッチ)・筋力トレーニング…仰臥位で机に脚を上げた状態での腹筋運動(腹部、股関節筋力強化)
<反り腰>・ストレッチ:正座から片方の足を後方へ引いた状態でストレッチ(大腿、股関節前面)筋力強化:仰臥位で両下肢を上げる運動(腹部)
<各姿勢共通の運動>・これだけ体操(頸椎から骨盤角度までの修正)・キャット&ドッグ(脊椎の柔軟性向上)
以上の内容を2か月間自主トレーニングとして毎日行ってもらうよう依頼した。2か月後NRS及びFFDを実施し効果判定を行った。
【倫理的配慮】本研究発表を行うにあたり、ご本人に口頭にて確認をし、本発表以外で は使用しないこと、それにより不利益を被ることはないことを説明し、回答をもって同意を得たこととした。
【結果】実施頻度については、実施期間2か月間の中で平均14.4回と少ない結果となった。しかし腰部疼痛の変化については、全体の平均としては、NRS:0.9改善、FFD:1.6cmの増加がみられた。姿勢別の内訳としては、NRS:フラットバック3、スウェイバック0.5、反り腰0.8の各姿勢共に改善が見られた。FFDにおいてもフラットバック0.5cm、スウェイバック1.0cm、反り腰1.9cmの増加がみられた。また今回目的としていたNRS3以上の方については39名から28名に減少した。特に5以上について14名から9名と減少する結果となった。
【考察】今回、姿勢を3パターンに分類し姿勢別のストレッチと筋力強化方法を2か月間自主トレーニングとして行った。結果としては、疼痛、柔軟性についてともに改善がみられた。腰痛予防対策指針では、職場や家庭において腰痛予防体操を実施し、腰部を中心とした腹筋、背筋、臀筋等の筋肉の柔 軟性を確保し、疲労回復を図ることが腰痛の予防にとって重要である1)と明記されている。今回ストレッチの実施でFFDに改善が得られたことで、若干ではあるが柔軟性の確保、姿勢の改善により腰痛の軽減につながったのではないかと思われる。また今回の取り組みを行う際、運動の目的を説明したうえで運動を行ってもらったことで、普段意識していなかった自身の姿勢や身体に意識が向きやすくなったことも一つの要因になったのではないかと思われる。反省点としては、改善が得られた一方で実施頻度ついては1週間に1~2回程度と低い結果となった。原因としては提示した全ての運動が床上での臥位、座位での運動であったため簡単に運動が行えなかったためではないかと思われる。日本整形外科学会作成の腰痛ガイドラインでは、運動と腰痛予防、改善には関連があり、活動的な日常生活と慢性腰痛の予防には弱いエビデンスが存在し、適度な運動を取り入れた健康的な生活習慣が推奨される2)とある。今回の腰痛予防対策では、実施頻度は週1~2回程度と少ない状態であったが、腰痛に若干の改善が見られた。そのため実施頻度の増加と継続が図れれば、より高い効果が出たのではないかと思われた。
【今後の課題】今後の課題としては効果が実感しやすく、いつでも簡単に行える運動を職員に提案する必要があると思われる。腰痛予防対策指針においても、介護・看護作業等の腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に 対し、適宜、筋疲労回復、柔軟性、リラクセーションを高めることを目的として、腰痛予防体操を 実施させること1)と明記されており、運動を継続して行っていく必要性は高いと思われる。今後も実施頻度の増加と、継続して行える運動を検討し、職員の業務における腰痛予防と腰痛の軽減につなげていきたい。
【参考文献】1)職場における腰痛予防対策指針 厚生労働省
2)腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版 南江堂
【方法】現場の看護職員、介護職員、リハビリ職員対象にアンケートを実施し、1.勤務作業中の腰痛の有無、2.疼痛の程度などの確認を行った。疼痛の程度についてはNumerical Rating Scale(以下NRS)を使用し、0「痛みなし」から10「今まで経験した一番強い痛み」の11段階で主観の疼痛評価を行った。NRSで3以上で回答した職員の39名中、協力の了承が得られた34名を対象者とした。また実施後の柔軟性に変化があるかどうか指床間距離(以下FFD)もあわせて行った。対象者をフラットバック(4人)・スウェイバック(9人)・反り腰(21名)の3つのグループに分け各グループに対して、筋トレ・ストレッチを中心としたセルフケアの方法を提示した。グループ分けについては、セルフチェック結果とリハビリ職員の姿勢評価をもとに行った。各グループの筋トレ、ストレッチ方法については
<フラットバック >・ストレッチ…寝ながら背伸び(肩甲骨周囲と腹部)・筋力トレーニング…プランク(腹部、股関節周囲)
<スウェイバック>・ストレッチ…片膝立ちでのストレッチ(股関節前後のストレッチ)・筋力トレーニング…仰臥位で机に脚を上げた状態での腹筋運動(腹部、股関節筋力強化)
<反り腰>・ストレッチ:正座から片方の足を後方へ引いた状態でストレッチ(大腿、股関節前面)筋力強化:仰臥位で両下肢を上げる運動(腹部)
<各姿勢共通の運動>・これだけ体操(頸椎から骨盤角度までの修正)・キャット&ドッグ(脊椎の柔軟性向上)
以上の内容を2か月間自主トレーニングとして毎日行ってもらうよう依頼した。2か月後NRS及びFFDを実施し効果判定を行った。
【倫理的配慮】本研究発表を行うにあたり、ご本人に口頭にて確認をし、本発表以外で は使用しないこと、それにより不利益を被ることはないことを説明し、回答をもって同意を得たこととした。
【結果】実施頻度については、実施期間2か月間の中で平均14.4回と少ない結果となった。しかし腰部疼痛の変化については、全体の平均としては、NRS:0.9改善、FFD:1.6cmの増加がみられた。姿勢別の内訳としては、NRS:フラットバック3、スウェイバック0.5、反り腰0.8の各姿勢共に改善が見られた。FFDにおいてもフラットバック0.5cm、スウェイバック1.0cm、反り腰1.9cmの増加がみられた。また今回目的としていたNRS3以上の方については39名から28名に減少した。特に5以上について14名から9名と減少する結果となった。
【考察】今回、姿勢を3パターンに分類し姿勢別のストレッチと筋力強化方法を2か月間自主トレーニングとして行った。結果としては、疼痛、柔軟性についてともに改善がみられた。腰痛予防対策指針では、職場や家庭において腰痛予防体操を実施し、腰部を中心とした腹筋、背筋、臀筋等の筋肉の柔 軟性を確保し、疲労回復を図ることが腰痛の予防にとって重要である1)と明記されている。今回ストレッチの実施でFFDに改善が得られたことで、若干ではあるが柔軟性の確保、姿勢の改善により腰痛の軽減につながったのではないかと思われる。また今回の取り組みを行う際、運動の目的を説明したうえで運動を行ってもらったことで、普段意識していなかった自身の姿勢や身体に意識が向きやすくなったことも一つの要因になったのではないかと思われる。反省点としては、改善が得られた一方で実施頻度ついては1週間に1~2回程度と低い結果となった。原因としては提示した全ての運動が床上での臥位、座位での運動であったため簡単に運動が行えなかったためではないかと思われる。日本整形外科学会作成の腰痛ガイドラインでは、運動と腰痛予防、改善には関連があり、活動的な日常生活と慢性腰痛の予防には弱いエビデンスが存在し、適度な運動を取り入れた健康的な生活習慣が推奨される2)とある。今回の腰痛予防対策では、実施頻度は週1~2回程度と少ない状態であったが、腰痛に若干の改善が見られた。そのため実施頻度の増加と継続が図れれば、より高い効果が出たのではないかと思われた。
【今後の課題】今後の課題としては効果が実感しやすく、いつでも簡単に行える運動を職員に提案する必要があると思われる。腰痛予防対策指針においても、介護・看護作業等の腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に 対し、適宜、筋疲労回復、柔軟性、リラクセーションを高めることを目的として、腰痛予防体操を 実施させること1)と明記されており、運動を継続して行っていく必要性は高いと思われる。今後も実施頻度の増加と、継続して行える運動を検討し、職員の業務における腰痛予防と腰痛の軽減につなげていきたい。
【参考文献】1)職場における腰痛予防対策指針 厚生労働省
2)腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版 南江堂
