講演情報
[27-O-O004-01]福祉機器導入後のリスクマネージャーとしての取り組み導入した福祉用具の不使用をなくしたい
高知県 ○橋本 竜也 (介護老人保健施設ピアハウス高知)
【はじめに】
ノーリフティングとは、リフトなどの福祉用具を使用するケアのことではなく、医療や福祉の現場から腰痛をなくす取り組みそのものである。腰痛予防は個人の努力や技術だけでは限界があるため、事業者が職員を守り、職員を守ることで利用者を守るという考え方のもとに、安全に安心して働ける職場を作ることが必要である。
少子高齢化の進行する高知県では、ノーリフティングケアを通じて介護業界の意識と働き方を変える取り組みを推進し、介護する側、される側双方の健康と安全を守るために、平成28年からノーリフティングケアの普及、実践に努めており、当施設においても、ノーリフティング実践施設(優良事業所)として、体制整備・リスクマネジメント・健康管理・教育環境整備等に力を入れている。
今回、職員の腰痛予防、介助負担軽減を目的に、浴室内に据え置き型リフトを導入したが、導入後の運用に関してのリスク管理が不十分であったため、想定外のアクシデントの発生により、対応策の実施を余儀なくされた。リスクマネージャーとして、導入した福祉用具の使用にネガティブな印象を持たせ、使用自体を控えることとならないように、原因の分析、対応策の検討を行ったので報告する。
【方法】
アクシデントの発生要因を分析し、対応策を実施した。
【結果】
アクシデントの発生要因を分析すると、隣接する福祉機器それぞれの動作範囲が重なる空間があること。職員の注意すべき空間が複数あることがあげられる。福祉機器それぞれの動作範囲について、水平方向のみではなく、垂直方向も確認し、動作範囲が重なる空間の洗い出しを行った。その結果に基づき、動作範囲の重なる空間を物理的に埋めることで対応した。
実際の特浴を使用した入浴場面でのリフト、特浴、利用者、職員の動きを確認すると、職員の注意すべき空間は、福祉機器の動作範囲の重なる空間と特殊浴槽(以下特浴)の操作パネルに加えて、特浴の寝台に横たわる利用者と複数の空間となることが分かった。職員への聞き取りによると、注意しているのは、利用者>操作パネル>福祉機器の動作範囲の順に大きかった。そこで、操作位置から物理的にも遠く、注意の向きにくい福祉機器の動作範囲についての注意喚起表示を操作パネル上に配置することで対応した。
【考察】
今回、特浴を使用した重介助者の入浴における移乗場面での、職員の腰痛予防、介助負担軽減を目的に、リフトを導入し、特浴に隣接する位置にリフトを設置した。導入にあたり、使用マニュアルを作成し、マニュアルには想定されたリスクについて明記し、注意喚起をおこなっていた。しかし、マニュアルに記載したリスクは、リフト単体での使用上のリスクであり、一連の入浴介助動作の中で、起こり得るリスクを想定できていなかったため、使用を開始後に、アクシデントが連続して発生してしまった。新しい福祉用具を導入する場合、導入する福祉用具が従来の動作手順において、使用される位置、タイミングがどのように組み込まれるのかを想定して、その新しい動作手順において、リスク管理を行うことが必要と感じた。
また、今後のリスク想定において考慮すべき点として、福祉機器の使用後の取り扱いがあげられる。今回のアクシデントは、リフト使用時ではなく、リフト不使用時に発生したことであり、アクシデントを報告した職員に、アクシデント発生時の状況を聞き取りした際も、「リフトは使用していなかったので、リフトがどのような状況にあるか分かりません」との返答があり、再発防止のために、どのように注意喚起していくかが難しいと感じた。
今回のアクシデントに伴い、高額な修理費用を要したが、事業所の立場から言えば、修理費用よりも導入した福祉機器の使用が控えられることが重大なリスクであると考えており、今後の福祉機器導入の際には、導入前の一連の介護業務の中に、どのように組み込まれ使用されていくのかを話し合い、より効果的に使用できるように努めていきたい。
ノーリフティングとは、リフトなどの福祉用具を使用するケアのことではなく、医療や福祉の現場から腰痛をなくす取り組みそのものである。腰痛予防は個人の努力や技術だけでは限界があるため、事業者が職員を守り、職員を守ることで利用者を守るという考え方のもとに、安全に安心して働ける職場を作ることが必要である。
少子高齢化の進行する高知県では、ノーリフティングケアを通じて介護業界の意識と働き方を変える取り組みを推進し、介護する側、される側双方の健康と安全を守るために、平成28年からノーリフティングケアの普及、実践に努めており、当施設においても、ノーリフティング実践施設(優良事業所)として、体制整備・リスクマネジメント・健康管理・教育環境整備等に力を入れている。
今回、職員の腰痛予防、介助負担軽減を目的に、浴室内に据え置き型リフトを導入したが、導入後の運用に関してのリスク管理が不十分であったため、想定外のアクシデントの発生により、対応策の実施を余儀なくされた。リスクマネージャーとして、導入した福祉用具の使用にネガティブな印象を持たせ、使用自体を控えることとならないように、原因の分析、対応策の検討を行ったので報告する。
【方法】
アクシデントの発生要因を分析し、対応策を実施した。
【結果】
アクシデントの発生要因を分析すると、隣接する福祉機器それぞれの動作範囲が重なる空間があること。職員の注意すべき空間が複数あることがあげられる。福祉機器それぞれの動作範囲について、水平方向のみではなく、垂直方向も確認し、動作範囲が重なる空間の洗い出しを行った。その結果に基づき、動作範囲の重なる空間を物理的に埋めることで対応した。
実際の特浴を使用した入浴場面でのリフト、特浴、利用者、職員の動きを確認すると、職員の注意すべき空間は、福祉機器の動作範囲の重なる空間と特殊浴槽(以下特浴)の操作パネルに加えて、特浴の寝台に横たわる利用者と複数の空間となることが分かった。職員への聞き取りによると、注意しているのは、利用者>操作パネル>福祉機器の動作範囲の順に大きかった。そこで、操作位置から物理的にも遠く、注意の向きにくい福祉機器の動作範囲についての注意喚起表示を操作パネル上に配置することで対応した。
【考察】
今回、特浴を使用した重介助者の入浴における移乗場面での、職員の腰痛予防、介助負担軽減を目的に、リフトを導入し、特浴に隣接する位置にリフトを設置した。導入にあたり、使用マニュアルを作成し、マニュアルには想定されたリスクについて明記し、注意喚起をおこなっていた。しかし、マニュアルに記載したリスクは、リフト単体での使用上のリスクであり、一連の入浴介助動作の中で、起こり得るリスクを想定できていなかったため、使用を開始後に、アクシデントが連続して発生してしまった。新しい福祉用具を導入する場合、導入する福祉用具が従来の動作手順において、使用される位置、タイミングがどのように組み込まれるのかを想定して、その新しい動作手順において、リスク管理を行うことが必要と感じた。
また、今後のリスク想定において考慮すべき点として、福祉機器の使用後の取り扱いがあげられる。今回のアクシデントは、リフト使用時ではなく、リフト不使用時に発生したことであり、アクシデントを報告した職員に、アクシデント発生時の状況を聞き取りした際も、「リフトは使用していなかったので、リフトがどのような状況にあるか分かりません」との返答があり、再発防止のために、どのように注意喚起していくかが難しいと感じた。
今回のアクシデントに伴い、高額な修理費用を要したが、事業所の立場から言えば、修理費用よりも導入した福祉機器の使用が控えられることが重大なリスクであると考えており、今後の福祉機器導入の際には、導入前の一連の介護業務の中に、どのように組み込まれ使用されていくのかを話し合い、より効果的に使用できるように努めていきたい。
