講演情報
[27-O-O004-02]誤嚥・窒息時対応の改善に向けた取り組み実態調査を踏まえて
鹿児島県 ○山元 美鈴, 久保 直人, 宮迫 千鶴 (垂水市立介護老人保健施設コスモス苑)
【はじめに】
厚生労働省の人口動向調査によると、65歳以上の不慮の事故原因として「窒息」は「転倒・転落」に次いで多く、特に誤嚥による気道閉塞がその大半を占めている。誤嚥・窒息事故は、発生頻度は少ないものの、重篤な結果を生じやすく損害賠償請求に発展するケースが多いため、介護現場においては大きなリスクのひとつである。当苑では2019年に誤嚥・窒息事故が1件発生して以降新たな見守り体制を導入し、無事故が続いていたが、2023年~2024年にかけて3件の誤嚥・窒息事故が発生し、その際の介護職員の対応において緊急時の対応力不足、他職種との連携準備不足、報告体制の不備等の課題が浮き彫りとなった。そこで介護職員の誤嚥・窒息時対応力に関する実態調査、介護職員主体の講義、誤嚥・窒息時の対応シミュレーションを実施、看護師への報告や職員間の連携等の対応力向上を目的とした取り組みを行った。
【目的】
介護職員の誤嚥・窒息時対応に関する知識や能力を把握し、研修を行うことで看護師への報告や連携等の対応力向上や不安軽減を図る。
【研究方法】
研究対象、研究期間:介護職員35名。2024年7月~12月
研究手法:研修実施前アンケートを行い、それを基にコスモス苑独自の対応フローチャートを作成した。講義及びシミュレーションによる研修を実施し、その後に研修後アンケートを実施した。研修前後の同一設問について単純集計、比較分析を実施した。
【結果】
研究前アンケートでは、全職員が誤嚥・窒息に対して不安を抱えており、「非常にそう思う」が71%、「そう思う」が29%であった。迅速な対応に不安を抱える職員が半数以上であり、緊急時報告や緊急時セットの把握に課題がみられた。
研究後のアンケートでは、不安の軽減には大きな変化はみられなかったが、「迅速な対応ができる」の回答が、46%から54%に改善した。また緊急時のセットの把握については46%から74%へ改善がみられた。全ての職員が定期的な研修の必要性を感じているという結果も得られた。
【考察】
誤嚥・窒息事故は高齢者における重大事故の一つであり、職員は経験の有無に関わらず、強い不安を抱えている。フローチャートの作成やシミュレーション研修を通して、報告内容の明確化や対応手順の理解が進んだ一方で、ハイムリック法等の実技面の未実施が不安軽減に繋がらなかった可能性がある。また対応力を高めるには、定期的な訓練が重要であると考えられた。
【結語】
今後は誤嚥・窒息時対応の実技訓練の充実と継続した教育を通じ、安全な食事支援体制の構築を図っていきたい。
厚生労働省の人口動向調査によると、65歳以上の不慮の事故原因として「窒息」は「転倒・転落」に次いで多く、特に誤嚥による気道閉塞がその大半を占めている。誤嚥・窒息事故は、発生頻度は少ないものの、重篤な結果を生じやすく損害賠償請求に発展するケースが多いため、介護現場においては大きなリスクのひとつである。当苑では2019年に誤嚥・窒息事故が1件発生して以降新たな見守り体制を導入し、無事故が続いていたが、2023年~2024年にかけて3件の誤嚥・窒息事故が発生し、その際の介護職員の対応において緊急時の対応力不足、他職種との連携準備不足、報告体制の不備等の課題が浮き彫りとなった。そこで介護職員の誤嚥・窒息時対応力に関する実態調査、介護職員主体の講義、誤嚥・窒息時の対応シミュレーションを実施、看護師への報告や職員間の連携等の対応力向上を目的とした取り組みを行った。
【目的】
介護職員の誤嚥・窒息時対応に関する知識や能力を把握し、研修を行うことで看護師への報告や連携等の対応力向上や不安軽減を図る。
【研究方法】
研究対象、研究期間:介護職員35名。2024年7月~12月
研究手法:研修実施前アンケートを行い、それを基にコスモス苑独自の対応フローチャートを作成した。講義及びシミュレーションによる研修を実施し、その後に研修後アンケートを実施した。研修前後の同一設問について単純集計、比較分析を実施した。
【結果】
研究前アンケートでは、全職員が誤嚥・窒息に対して不安を抱えており、「非常にそう思う」が71%、「そう思う」が29%であった。迅速な対応に不安を抱える職員が半数以上であり、緊急時報告や緊急時セットの把握に課題がみられた。
研究後のアンケートでは、不安の軽減には大きな変化はみられなかったが、「迅速な対応ができる」の回答が、46%から54%に改善した。また緊急時のセットの把握については46%から74%へ改善がみられた。全ての職員が定期的な研修の必要性を感じているという結果も得られた。
【考察】
誤嚥・窒息事故は高齢者における重大事故の一つであり、職員は経験の有無に関わらず、強い不安を抱えている。フローチャートの作成やシミュレーション研修を通して、報告内容の明確化や対応手順の理解が進んだ一方で、ハイムリック法等の実技面の未実施が不安軽減に繋がらなかった可能性がある。また対応力を高めるには、定期的な訓練が重要であると考えられた。
【結語】
今後は誤嚥・窒息時対応の実技訓練の充実と継続した教育を通じ、安全な食事支援体制の構築を図っていきたい。
