講演情報
[27-O-P202-01]移乗介助に新たな選択肢を加え介助者の身体を守ろう!
神奈川県 ○松井 駿真 (ハートフル瀬谷)
【はじめに】利用者の介助を行なう為には介助者の身体が基盤となるが、介助を積み重ねる事で腰痛等のリスクも増加していく。当施設でも腰痛を抱えながら従事している職員が一定数おり、離床及び臥床介助を連続して行なった後には一時的に膝や腰に痛みを伴う経験をされる職員も多く存在する。そこで痛みの原因となりやすい移乗介助に着目し、腰の負担を減らした移乗方法を習得できないかと考え介護職員のスーパートランスの技術獲得を目指していく事とした。スーパートランスとは、主に車椅子とベッド間の移乗時に介護者の腰を守る為に用いられる技術である。手順としては、端座位になっている利用者の両腿裏を90度に位置する職員の片腿の上に掛ける。そこから利用者を前傾にして臀部を浮かせ、全体重を職員の片腿に乗せて移動する介護技術である。現時点でスーパートランスを習得している職員は極一部に限られており、他職員も4年前に受講したものの習得難易度の高さや自信の無さに挫折し未習得となっていた。本研究ではスーパートランスの習得過程とその後の変化について報告する。【目的】本取り組みの目的は、スーパートランスという技術を皆が自然に使用するという空気感作りである。習得者が増える事によって難易度が高いイメージを払拭でき、利用者・職員が共に安心で安全な移乗介助を利用者の身体状況や場面に応じて選択できる事を目的とする。【方法】男性職員2名、女性職員2名を対象者とし事前にスーパートランスに関するアンケートを徴取。そのアンケートを基に講習を開き、先ずは職員を相手にスーパートランスを実践する。指導者の補助有でも利用者相手に使用可能であると判断したら、全介助且つ拘縮のある利用者を対象に実践し技術の習得を狙っていく。その際、体格等にて習得期間の差や課題が顕在化されたら、後学にも活かしていく。また最後に習得前後の変化等についてアンケートを徴取する。【実施期間】2025年4月10日~6月30日【結果】講習から実技までの期間を約2ヵ月半設けたが、結果として3名の職員が習得する事に成功した。対象者4名は4年前にスーパートランスの講習を受けていた事もあり手順の理解はスムーズであったが、拘縮のある利用者を相手にすると感覚が掴めず苦戦を強いられた。しかし習得者3名は実践3回目以降には感覚を掴んでいき、10回にも満たない回数にて自立レベルの技術を習得する事に成功した。唯一未習得となった女性職員は最も低身長であり、利用者の重心を乗せる為の大腿部の長さが他職員より5~10cm程短く難航する事となった。実践回数を多く設けるも利用者の臀部を浮かし自身の大腿部に重心を乗せるといった点が不得意であり、指導者の補助を必要とする期間が続いた。しかし自身の身長に合わせてベッドの高低を調整する、スムーズに乗せる為にスライディングシートを大腿部に挟む等の工夫を凝らした事で上達していく姿も窺え、習得の兆しは見えていた。今後も練習を重ねれば習得は充分可能であると思われる。【考察】スーパートランスを習得できた職員は日々の業務に取り入れ実践出来ている。自身の大腿部に利用者の膝裏及び臀部を乗せる以上、大腿部の長さは実施のし易さに影響が出やすいが、当施設の入所者を相手にする分には差し支えない程度であった。習得後のアンケートにも「腰への負担が少ない事を実感できた。」という意見が聞かれており、腰痛予防の効果は得られている。今後も介助量の多い利用者相手には積極的に実践していく事が有効であると考えられる。
課題としては、対象職員と出勤日が重なる日に業務の合間を縫って個別で纏まった時間を作る事である。日々変化するフロアの状況に於いては、この時間を生み出す事が何よりも難しく、技術の習得が長期化する要因の一つとなった。
またアンケートに興味を惹く回答があり「残存機能を活かす老健に於いて、スーパートランスの実施は相手の残存機能を殺してしまうのではないか?」というものであった。この意見に関しては同じ見解であるが、介助量の多い方には介助者の身体を守るという意味合いでも有効であると考えている。【まとめ】スーパートランスは日々継続して使用する事が介助者の自信に大きく結び付く為、介助量が多い方にも積極的に使用を勧めていきたいと考えている。通常のトランスファーより準備や時間が掛かってしまうが、腰痛予防に大きく貢献していくものと思われる。
今回の習得者が指導者となり他職員へ技術を伝達していくことで、将来的には全介護職員が基礎技術としてスーパートランスを習得しているといった状況を目指せるよう今後も邁進していきたいと思う。
課題としては、対象職員と出勤日が重なる日に業務の合間を縫って個別で纏まった時間を作る事である。日々変化するフロアの状況に於いては、この時間を生み出す事が何よりも難しく、技術の習得が長期化する要因の一つとなった。
またアンケートに興味を惹く回答があり「残存機能を活かす老健に於いて、スーパートランスの実施は相手の残存機能を殺してしまうのではないか?」というものであった。この意見に関しては同じ見解であるが、介助量の多い方には介助者の身体を守るという意味合いでも有効であると考えている。【まとめ】スーパートランスは日々継続して使用する事が介助者の自信に大きく結び付く為、介助量が多い方にも積極的に使用を勧めていきたいと考えている。通常のトランスファーより準備や時間が掛かってしまうが、腰痛予防に大きく貢献していくものと思われる。
今回の習得者が指導者となり他職員へ技術を伝達していくことで、将来的には全介護職員が基礎技術としてスーパートランスを習得しているといった状況を目指せるよう今後も邁進していきたいと思う。
