講演情報
[27-O-P202-02]認知症対応におけるチームケアの取り組み~コミュニケーション技術の実践力向上を目指して~
石川県 ○影山 あかね, 内田 有咲 (金沢春日ケアセンター)
【はじめに】
当フロアは定員40名の認知症専門棟であるが、担当する職員の職歴や経験も様々で、各職員の認知症ケアに関する習熟度やコミュニケーション技術に差があることがチームケアにおける課題であった。そこで認知症に関する勉強会や事例検討の取り組みを行いコミュニケーション技術の向上を図った。その過程と取り組みで得た効果について報告する。
【取り組み内容】
1.認知症利用者対応について、職員の意識を調査するためアンケートを行った。調査対象は当施設内介護職員で95名より回答を得た。
2.調査結果を基に、フロア職員全員を対象とした認知症の基礎勉強会、コミュニケーション技法についての勉強会を複数回開催した。
3.フロア職員を3グループに分け、事例検討の取り組みを行った。活動期間は令和6年6月~令和6年12月(2ヶ月間の準備と実施5ヶ月)で、取り組み終了後、評価を行った。
【活動実績1 意識調査】
職員が認知症利用者に対してどの場面の対応に苦手意識やストレスを感じているのかを明確にするため、アンケートを実施、職員の属性別にどのような傾向があるのかを集計した。
【活動実績2 勉強会の実施】
7月-認知症の基礎(中核症状、BPSD) 10月-OFF-JTとして認知症フォーラムに参加(フロア内で伝達講習を行い共有)11月-コミュニケーション技法の勉強会を開催(バリデーション、ユマニチュード)
【活動実績3 事例検討】
フロア職員を若手、中堅、ベテラン混合の3チームに分け、中堅職員をリーダーとしあえてベテラン職員にはチームの相談役となってもらう。各チームはアンケート結果を参考にそれぞれ対象利用者を決め、取り組みを開始、再アセスメント、課題の抽出、介護計画を立案、実施した。毎月のミーティングで中間報告を行い再アセスメント、計画修正しながら繰り返しケアを実施した。
【活動実績4 事例研究発表】
グループごとの取り組みで特に成果の見られた利用者A様の事例について、施設内で発表会を行った。以下、発表内容を紹介する。
「A様(女性・87歳) アルツハイマー型認知症。入浴や着脱で関わる際、強い拒否が見られる。何に対して不快感を抱いているのかアセスメント行う。そこからAさんは羞恥心が強いこと、入浴前後に「寒い」の訴えが強いこと、顔にお湯がかかることに対して強い不快感、恐怖心を感じている事がわかった。それらに配慮したケアが必要だと考え計画を立案した。まずA様への信頼を得ることを目標とし誘導時の声かけの際は目線を合わせる、手を握る、行きたいと思えるようなポジティブな声かけを行った。羞恥心に関しては人の目が気にならないよう脱衣場での椅子を壁に向けて設置することで、他者が視界に入らないよう配慮し入浴者が少なくなる最後の方に誘導を行った。寒さの訴えに関しては脱衣場と浴室内の温度を上げ室内環境を整えた他、バスタオルを肩にかけた状態で脱衣を行った。洗髪時の不快感・恐怖心に対してはシャンプーハットを使用し、顔面にお湯がかかることを防いだ。またケアの統一を図る為、手順書と記録用紙を作成し、入浴時の記録を基に手順書の更新を随時行いながらケア内容を共有した。これらの取り組みを継続して行った結果、浴室までの誘導がスムーズになり、以前のような大きな拒否反応が和らいだ。」
【考察(取り組みによる効果)】
取り組み期間終了後に実施したフロア職員向けアンケートでは、認知症利用者対応での困りごとが減少していた。またフロア職員の「認知症」への理解度がアップし、効果的なアプローチを意識して行うことで、介助の際の拒否反応が明らかに和らいだことは、主観ではあるが日常でのコミュニケーション技術が向上したといえるのではないか。
【まとめ】
この一連の取り組みでは認知症の方にとっての快適とはなにかを真剣に考え、それを理解するためのアセスメントの重要性を再認識できた。また職員が様々な思い込みを捨てて、利用者様のペースに合わせたケアを行うことが最も大切であり、加えて職員間の連携強化により、情報の共有化・可視化を図ることで、統一したより良いケアを実施できることを確認できた。BPCDへの対応にはまだまだ課題が残るが、認知症専門棟といて利用者が安心して過ごすことができる環境を、今後も提供していきたいと思う。
当フロアは定員40名の認知症専門棟であるが、担当する職員の職歴や経験も様々で、各職員の認知症ケアに関する習熟度やコミュニケーション技術に差があることがチームケアにおける課題であった。そこで認知症に関する勉強会や事例検討の取り組みを行いコミュニケーション技術の向上を図った。その過程と取り組みで得た効果について報告する。
【取り組み内容】
1.認知症利用者対応について、職員の意識を調査するためアンケートを行った。調査対象は当施設内介護職員で95名より回答を得た。
2.調査結果を基に、フロア職員全員を対象とした認知症の基礎勉強会、コミュニケーション技法についての勉強会を複数回開催した。
3.フロア職員を3グループに分け、事例検討の取り組みを行った。活動期間は令和6年6月~令和6年12月(2ヶ月間の準備と実施5ヶ月)で、取り組み終了後、評価を行った。
【活動実績1 意識調査】
職員が認知症利用者に対してどの場面の対応に苦手意識やストレスを感じているのかを明確にするため、アンケートを実施、職員の属性別にどのような傾向があるのかを集計した。
【活動実績2 勉強会の実施】
7月-認知症の基礎(中核症状、BPSD) 10月-OFF-JTとして認知症フォーラムに参加(フロア内で伝達講習を行い共有)11月-コミュニケーション技法の勉強会を開催(バリデーション、ユマニチュード)
【活動実績3 事例検討】
フロア職員を若手、中堅、ベテラン混合の3チームに分け、中堅職員をリーダーとしあえてベテラン職員にはチームの相談役となってもらう。各チームはアンケート結果を参考にそれぞれ対象利用者を決め、取り組みを開始、再アセスメント、課題の抽出、介護計画を立案、実施した。毎月のミーティングで中間報告を行い再アセスメント、計画修正しながら繰り返しケアを実施した。
【活動実績4 事例研究発表】
グループごとの取り組みで特に成果の見られた利用者A様の事例について、施設内で発表会を行った。以下、発表内容を紹介する。
「A様(女性・87歳) アルツハイマー型認知症。入浴や着脱で関わる際、強い拒否が見られる。何に対して不快感を抱いているのかアセスメント行う。そこからAさんは羞恥心が強いこと、入浴前後に「寒い」の訴えが強いこと、顔にお湯がかかることに対して強い不快感、恐怖心を感じている事がわかった。それらに配慮したケアが必要だと考え計画を立案した。まずA様への信頼を得ることを目標とし誘導時の声かけの際は目線を合わせる、手を握る、行きたいと思えるようなポジティブな声かけを行った。羞恥心に関しては人の目が気にならないよう脱衣場での椅子を壁に向けて設置することで、他者が視界に入らないよう配慮し入浴者が少なくなる最後の方に誘導を行った。寒さの訴えに関しては脱衣場と浴室内の温度を上げ室内環境を整えた他、バスタオルを肩にかけた状態で脱衣を行った。洗髪時の不快感・恐怖心に対してはシャンプーハットを使用し、顔面にお湯がかかることを防いだ。またケアの統一を図る為、手順書と記録用紙を作成し、入浴時の記録を基に手順書の更新を随時行いながらケア内容を共有した。これらの取り組みを継続して行った結果、浴室までの誘導がスムーズになり、以前のような大きな拒否反応が和らいだ。」
【考察(取り組みによる効果)】
取り組み期間終了後に実施したフロア職員向けアンケートでは、認知症利用者対応での困りごとが減少していた。またフロア職員の「認知症」への理解度がアップし、効果的なアプローチを意識して行うことで、介助の際の拒否反応が明らかに和らいだことは、主観ではあるが日常でのコミュニケーション技術が向上したといえるのではないか。
【まとめ】
この一連の取り組みでは認知症の方にとっての快適とはなにかを真剣に考え、それを理解するためのアセスメントの重要性を再認識できた。また職員が様々な思い込みを捨てて、利用者様のペースに合わせたケアを行うことが最も大切であり、加えて職員間の連携強化により、情報の共有化・可視化を図ることで、統一したより良いケアを実施できることを確認できた。BPCDへの対応にはまだまだ課題が残るが、認知症専門棟といて利用者が安心して過ごすことができる環境を、今後も提供していきたいと思う。
