講演情報

[27-O-P202-05]“共育(共に育つ)”の仕組みづくりOJTを通じて新入社員と中堅社員が共に成長する現場

山口県 山内 智予, 清水 華織, 岩崎 聡美 (介護老人保健施設 好日苑)
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【はじめに】
 当施設では、新入社員の育成現場おいて「教える人によって手順が違う」「指導内容の引継ぎがうまくいかない」といった声があり、その状況を問題視していた。この状況を教育委員会で協議し、介護手順の見直し、育成基準の作成、指導内容・進捗の可視化、が必要であると判断した。そこで、指導者側の成長も大切にする“共育(共に育つ)”という考えを軸に、誰もが安心して学べる育成体制と現場の知識・技術の統一を目的に取り組んだ。また、「生産性向上ガイドライン」にも着目し、業務の標準化を介護手順の見直しと同時に進めた。本発表では、OJTを活用した“共育”の仕組みづくりと、業務の標準化を通じた現場の変化について報告する。

【方法】
“共育(共に育つ)”をキーワードに、育成内容の統一とOJTを中心とした育成体制の整備。
(1)介護手順書の作成
 1.食事・排泄・入浴などの日常支援について、標準的な手順書を作成し、育成内容の統一を図った。
 2.新入社員と指導者が共通の理解で育成に関われるように、手順書をファイルで整備し、現場で一緒に確認しながら活用できるようにした。
(2)育成の見える化
 1.OJTで得た学びを記録・共有できるよう、「レベル表」「スケジュール表」「振り返り・目標・指導コメント」を含む共育ノート(OJTファイル)を整備し、育成の見える化を行った。
 2.主任と教育担当者とが進捗確認を行い、現場の指導者は日々の声かけやOJTファイルへの記録を担うことで、職制も含めた組織全体で育成を支える体制をつくった。

【結果と考察】
 (1)の介護手順書を作成し活用することで、業務内容の確認のズレが減少し、育成のばらつきが少なくなった。誰が教えても同じ視点で指導できるようになり、指導者の負担は軽減され、新人も安心して取り組める環境に繋がった。
 (2)の指導内容・進捗がOJTファイルを通じて、可視化されたことで、指導の属人化を防ぎ、組織全体で育成を共有できるようになった。新入社員からは「教わったことの確認ができて安心する」、指導者からは「教えることで自分の理解も深まる」といった声が聞かれ、“共に育つ”実感が生まれている。さらに、教育への関心や組織の協力意識も高まり、組織全体で育てようとする雰囲気が根付きつつあると感じている。

【終わりに】
 新入社員育成現場における「手順の違い」や「引継ぎの難しさ」に対して、共通の基準づくりと“共育”の視点をもったOJTの仕組みが効果的であることが確認できた。また、生産性向上ガイドラインに沿った業務の標準化も達成し、現場全体の支援の質や連携のしやすさが向上した。今後は、OJTファイルの運用を継続的に見直し、定着させていくことともに、中堅職員の育成や組織全体での“共育(共に育つ)“の仕組みづくりにつなげていきたい。