講演情報
[27-O-P203-04]外国人材育成プロジェクト~外国人職員が抱える課題と育成への取り組み~
福岡県 ○輝平 省太朗, エーソー ソーモー (介護老人保健施設 桜丘)
【はじめに】
当施設は、北九州市にある合馬内科クリニックを母体とした、入所・通所・訪問リハ機能を備えている介護老人保健施設(以下、老健)である。介護人材不足が深刻な近年、特に外国人材の力は必要不可欠な存在と予測されていたことから、当施設では2018年より外国人留学生の受け入れを積極的に開始した。現在では老健を含むグループ内に外国人材31名(正社員13名、留学生18名)が日々業務に励んでいる。
このたび、介護現場の外国人職員が抱える不安や課題について把握する機会があった。当施設では育成と支援を今以上に組織的に実施するためには、サービスの質向上と安定運営継続を行う上での業務改善と外国人材育成は急務であると再認識した。今回、『外国人材育成プロジェクト』を立ち上げ、伴走型での外国人育成を中心にその経過を報告する。
【目的・目標】
・人材不足の解消と現場業務負担の軽減と平準化
・不安・課題点の解決と離職防止
・多職種連携によるサービスの質向上
・外国人材へ指導可能な外国人職員リーダー育成
【方法】
0.老健北九州ブロックアンケートの分析
<外国人職員の雇用に関する実態と課題より>
老健側:医療・介護の専門用語の教育、記録業務や急変時の対応などに対する指導や資格取得の支援体制などに対して困難さを感じている。指導役の選任に難航している。
外国人職員側:社員となってからもさらなる日本語教育や、資格取得の支援なども必要・希望としている。
1.プロジェクト立ち上げ
業務改善活動の体制構築のため、入所職員全員に対しプロジェクトキックオフミーティングを開催。入所目標別にグルーピングを行い、多職種連携でのサービスの質向上の一つとして外国人職員の抱える不安や課題を把握・改善する『外国人職員育成チーム』の立ち上げを行う。日本人職員(役職者)をリーダーとし、メンバーに入所外国人正職員が全員加入。コミュニケーションを取る中で不安点や文化の違いについて把握し、以後月1回以上の活動場面を設けることとした。
2.外国人職員へアンケート実施・自己目標設定用紙の配布
現在、介護職として勤務する中で外国人職員個々人が思っている課題や支援してほしい内容などを調査する為にアンケートを実施。書面による達成課題の明確化と期間・到達度を把握した。
【経過及び結果】
〇アンケート結果を踏まえての支援と指導
今回、アンケートを実施した中で外国人職員が抱える不安や課題として「電話対応」「書類文章の作成」が多く上げられた。これらにおいては、長期的な視点で老健側と外国人側が新たな価値(成功体験・自律・業務の見える化など)を生み出すプラットホームの形成が必要と思われたため、伴走型支援を取り入れた。
〇電話対応の指導
電話対応について「言葉を上手く聞き取り、伝えられるか心配」「クレームに繋がったらどうしよう」など言葉による不安があった。指導内容として、施設の内線を使用し日本人職員が過去にあった問い合わせ内容を元に家族役を行い、外国人職員に電話に出て対応する訓練を繰り返し実施した(問い合わせ内容はランダムに抽出)。
〇書類文章作成の指導
外国人職員の意見で特に多く上がったのが、業務の中で、記録やモニタリングシート・事故ひやりはっと報告書など様々な書類関係の業務があり、会話よりも文章を書く事の方が難しく伝わる文章になっているか不安があるとの事だった。
〇サービス担当者会議等への参加
見学参加を含め、自己のケア内容の発言・ケアプラン評価文章作成などで、自身で伝え・理解する機会を設けた。
結果として、それぞれ定期的に訓練を行う事で落ち着いて対応出来るようになってきている。
【まとめ】
本取り組みにより、個々人が感じていた苦手業務に対し個別指導や実技学習会において一定の成果が見られ始めている。
当施設の外国人材の採用スキームとして、約3年間で留学生(日本語学校・介護養成学校)を卒業・就職の流れとなっている。正社員として勤務開始するも専門用語の理解や日常会話で戸惑う事は多く、卒業後に日本語を学ぶ機会や指導者が居らず、独学でも限界がある事が多くあり、その必要性に今日まで重点を置けていなかった。日本語は世界的にも難易度が高い言語な為、外国人材の課題では無く「私たち」の課題として、社会人になってからも学ぶ機会を作る事で外国人職員の日本語に対する不安を取り除き、専門職としての自信に繋げる事で全体の業務負担の軽減となると思われる。
今後新たに就職する外国人材へも耳を傾け、寄り添い・安心できる環境下で共に業務が出来るよう努めていきたい。
当施設は、北九州市にある合馬内科クリニックを母体とした、入所・通所・訪問リハ機能を備えている介護老人保健施設(以下、老健)である。介護人材不足が深刻な近年、特に外国人材の力は必要不可欠な存在と予測されていたことから、当施設では2018年より外国人留学生の受け入れを積極的に開始した。現在では老健を含むグループ内に外国人材31名(正社員13名、留学生18名)が日々業務に励んでいる。
このたび、介護現場の外国人職員が抱える不安や課題について把握する機会があった。当施設では育成と支援を今以上に組織的に実施するためには、サービスの質向上と安定運営継続を行う上での業務改善と外国人材育成は急務であると再認識した。今回、『外国人材育成プロジェクト』を立ち上げ、伴走型での外国人育成を中心にその経過を報告する。
【目的・目標】
・人材不足の解消と現場業務負担の軽減と平準化
・不安・課題点の解決と離職防止
・多職種連携によるサービスの質向上
・外国人材へ指導可能な外国人職員リーダー育成
【方法】
0.老健北九州ブロックアンケートの分析
<外国人職員の雇用に関する実態と課題より>
老健側:医療・介護の専門用語の教育、記録業務や急変時の対応などに対する指導や資格取得の支援体制などに対して困難さを感じている。指導役の選任に難航している。
外国人職員側:社員となってからもさらなる日本語教育や、資格取得の支援なども必要・希望としている。
1.プロジェクト立ち上げ
業務改善活動の体制構築のため、入所職員全員に対しプロジェクトキックオフミーティングを開催。入所目標別にグルーピングを行い、多職種連携でのサービスの質向上の一つとして外国人職員の抱える不安や課題を把握・改善する『外国人職員育成チーム』の立ち上げを行う。日本人職員(役職者)をリーダーとし、メンバーに入所外国人正職員が全員加入。コミュニケーションを取る中で不安点や文化の違いについて把握し、以後月1回以上の活動場面を設けることとした。
2.外国人職員へアンケート実施・自己目標設定用紙の配布
現在、介護職として勤務する中で外国人職員個々人が思っている課題や支援してほしい内容などを調査する為にアンケートを実施。書面による達成課題の明確化と期間・到達度を把握した。
【経過及び結果】
〇アンケート結果を踏まえての支援と指導
今回、アンケートを実施した中で外国人職員が抱える不安や課題として「電話対応」「書類文章の作成」が多く上げられた。これらにおいては、長期的な視点で老健側と外国人側が新たな価値(成功体験・自律・業務の見える化など)を生み出すプラットホームの形成が必要と思われたため、伴走型支援を取り入れた。
〇電話対応の指導
電話対応について「言葉を上手く聞き取り、伝えられるか心配」「クレームに繋がったらどうしよう」など言葉による不安があった。指導内容として、施設の内線を使用し日本人職員が過去にあった問い合わせ内容を元に家族役を行い、外国人職員に電話に出て対応する訓練を繰り返し実施した(問い合わせ内容はランダムに抽出)。
〇書類文章作成の指導
外国人職員の意見で特に多く上がったのが、業務の中で、記録やモニタリングシート・事故ひやりはっと報告書など様々な書類関係の業務があり、会話よりも文章を書く事の方が難しく伝わる文章になっているか不安があるとの事だった。
〇サービス担当者会議等への参加
見学参加を含め、自己のケア内容の発言・ケアプラン評価文章作成などで、自身で伝え・理解する機会を設けた。
結果として、それぞれ定期的に訓練を行う事で落ち着いて対応出来るようになってきている。
【まとめ】
本取り組みにより、個々人が感じていた苦手業務に対し個別指導や実技学習会において一定の成果が見られ始めている。
当施設の外国人材の採用スキームとして、約3年間で留学生(日本語学校・介護養成学校)を卒業・就職の流れとなっている。正社員として勤務開始するも専門用語の理解や日常会話で戸惑う事は多く、卒業後に日本語を学ぶ機会や指導者が居らず、独学でも限界がある事が多くあり、その必要性に今日まで重点を置けていなかった。日本語は世界的にも難易度が高い言語な為、外国人材の課題では無く「私たち」の課題として、社会人になってからも学ぶ機会を作る事で外国人職員の日本語に対する不安を取り除き、専門職としての自信に繋げる事で全体の業務負担の軽減となると思われる。
今後新たに就職する外国人材へも耳を傾け、寄り添い・安心できる環境下で共に業務が出来るよう努めていきたい。
