講演情報

[27-O-P204-02]安心して仕事が出来る為に教育する側・受ける側の視点の共有について

長野県 小泉 和也 (介護老人保健施設グレイスフル下諏訪)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【目的】2024年12月にEPA職員(フィリピン国籍)が2名入職した。以前もEPA職員の受け入れを行っており、その反省点を踏まえ、入職してから日々の業務を教育していく中で、教育する職員側は、誰がいつ何をどこまで教育したのか、教育される側がどこまで理解して業務を行っているのか、など明確になっていなかった。また職員間でも不規則勤務の中、上手く情報の共有ができておらず、同じ内容を教育していることや教育できていないまま経過し、後なり慌てて教育を行うようなことがあった。教育を受ける側も、いつまでにどんな業務を教わるのか分からないまま日々の業務を行っていた。EPA職員、日本人職員双方が教育しやすい、教わりやすい職場環境を作るために新たなツールを用いて取り組むこととした。【対象・方法】2024年度12月25日にEPA職員(フィリピン国籍)が2名入職となる。同事業所内では、2021年度にフィリピン国籍の入職者が2名。2023年度にフィリピン国籍の入職者が1名あり、現在も就労している。今回の取り組みは初めて受け入れを行うフロアでの取り組みの報告を行う。6ヶ月間の期間を設定し、早番と遅番の業務の独り立ちを目指すこととした。新たなツールとして「教育スケジュール」を作成した。パソコン内でデータ管理として、いつでも誰でも確認することができる。スケジュールは、利用者の顔と名前を覚えることから始まり、食事面であれば、食事の一部介助の対応、全介助の対応、水分のトロミの付け方、ベッド上での介助、記録入力までを行う。排泄介助、移乗介助、口腔ケア、巡回、バイタル測定といったケア内容の他に、特記記録の入力、事故報告書の作成方法、内線の使用方法、伝言板への入力方法など全24項目として、いつまでに習得するかを設定した。日々の業務において教育を行う職員が、その日に教育を行った内容を入力していく。評価方法は、どの利用者様のどの介助方法を伝えたか、付き添いで行った。職員が見て助言をしながら行った、職員は見守りし助言なく行った。一人で行ってもらい特に質問等もなく行えていた、等のように他の職員が見ても分かりやすく入力し、入力した職員名、日付も入力する。最終的にリーダーが各項目の独り立ちの判断を行うこととした。【結果】入職してから6ヶ月で早番、遅番の日勤帯の業務の独り立ちを目安として、教育スケジュールを基に教育を行ったが、入職してから3ヶ月でスケジュール項目の20項目が1人で行えると判断し、3月末より早番、遅番の業務をEPA職員一人で行えるようになった。以前までは教育したことの共有ができていなかったことで同じ内容のことを何回も教育している現状があったが、教育スケジュールを使用したことにより、トイレ誘導のA様の教育が済んでいる、B様はこれから教育していく等の情報共有ができた。その日に担当した職員が今日は何を教育すれば良いのかも明確になり、以前に比べて教育しやすい等の意見が聞かれた。C様の介助に難しさを感じているため再度確認を行うなど、心配な面や不安な面も共有することで、解消することができた。EPA職員も、いつまでに何を習得すればいいか分かり、個別に任される事も少しずつ増えていく為、自信にもつながった等の前向きな意見が上がっている。【考察】新たなツールを用いて教育を行い、結果を残すことができた。以前は教育する側は一方的に伝える意識が強く、教育を受ける側と進捗状況の確認はしつつも、他の職員と共有される手段はなかった。意識も低かったことから、教育を受ける側の不安やストレスも多くあったと考えられる。教育をする側の情報共有を行う仕組みができたことで教育する側の直近のゴールも明確になり、教育を受ける側との共通の意識が生まれたと思われる。各職員からの意見を基に、独り立ちの判断基準の明確化、評価の簡潔化、教育項目の見直し、細分化を行い、教育スケジュールの見直しを諮り、EPA職員の教育に活用していくことだけでなく、今年度の新卒職員への教育にも用いている。