講演情報
[27-O-P204-05]通所リハにおける多様なリハビリ提供の推進スタッフ行動変容による選択肢拡充の効果
北海道 ○冨崎 允夫, 保坂 理香 (リラコート愛全)
【はじめに】
平成26年度「高齢者の地域における新たなリハビリテーションの在り方検討会報告書」において、身体機能の改善だけを目指すのではなく、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることで日常生活の活動性を高め、生きがいづくりや社会参加を促す必要性について言及されている。
令和4年度の「地域における高齢者リハビリテーションの推進に係る調査検証事業」では全国の通所リハビリで提供されているリハビリの内、ADL練習の実施割合が平成26年度の10%程度から、30~40%程度と実施割合に変化が見られている。
一方、令和6年8月時点での当施設通所リハのADL・IADL練習実施割合は、5%未満と全国平均とかけ離れた数値となっており、「活動」「参加」に向けたリハビリの実施が課題となっている。
そこで職員教育、施設内の環境設定にアプローチすることで、スタッフのリハビリプログラムをバリエーション豊かに展開できるよう支援することとした。
【目的】
利用者の在宅療養、生きがいづくりや社会参加の支援に向けたリハビリを多くの選択肢の中から、適切に提供できるスタッフを育成する。
【対象】
当施設通所リハビリを利用されている要支援・要介護高齢者。
前期評価145名、後期評価182名。
【評価期間】
前期評価を令和6年8月、後期評価を令和7年5月に実施。
【評価方法】
対象者のリハビリ内容を「生活期リハビリテーションに関する実態調査」を参考に20項目に分類した。
各項目の実施割合(複数選択可)を算出し、前期と後期の群間でカイ二乗検定を行い、実施内容の変化を統計的に比較した。
また、利用者毎にリハビリ内容の選択項目数を算出し、群間における平均値について、マン・ホイットニーU検定を用いて統計的差異を評価した。
データの統計解析はMicrosoft Excelを使用し、有意水準はp<0.05とした。
【介入方法】
月1回の研修会を令和6年8月~令和7年5月まで計10回実施。主な内容として、介護報酬関連の指針を振り返り、「活動」「参加」レベルで想定されるリハビリについてブレインストーミングを実施し、カテゴライズした中から優先事項の選定をディスカッションした。
その後3~4名の小グループに分け、それぞれのグループで中堅職員をコア層としてまとめ役を選出した。各グループに優先事項に関するリハビリ実施内容について目的、概要、必要物品等をまとめた企画書を作成し、プレゼンテーション形式で提案するよう促した。
提案内容に合わせ、役職者を中心に施設内の環境整備を実施。実際のリハビリ内容に反映できるよう支援を継続して行った。
【結果】
「IADL練習」や「趣味活動」の項目において、後期で実施率が有意に増加した。IADL練習の実施率は前期0.0%(0名)から後期16.5%(30名)(p=0.0000008)へと大きく上昇し、趣味活動も前期1.4%(2名)から後期10.4%(19名)(p=0.002)と同様に増加した。一方、その他の項目では有意な変化は認められなかった。
また、リハビリ内容の選択項目数は前期1.86±0.92件から後期2.17±1.24件と後期で有意な増加が認められた(p=0.021)。
以上より、後期に一部のリハビリ内容の実施が促進され、選択肢の増加が示唆された。
【考察】
「IADL練習」「趣味活動」が有意に増加した要因として、研修会で提案されたリハビリ内容が園芸・畑作業、調理に関するものがあった事が挙げられる。
一部項目で活動の幅が広がり、リハビリの選択肢が増加した要因として、研修会の中で地域における高齢者のリハビリに求められる事について改めて共通認識を持ち、優先テーマを明文化した事。また、数名の中堅職員をコア層としてチームで行動した事が職員の行動変容を促す鍵となり、部署全体の風土改革に良い変化を生み出した事が挙げられる。
更に、提案から環境調整までを速やかに行い、施設全体の取り組みとして稼働させる事が、発案者の承認機会となり、スタッフのモチベーションを向上させたと考えた。
これらの事から、今回の取り組みはある程度の期間は要したが、スタッフが主体的にプログラムを再考する機会となり、利用者のリハビリを多くの選択肢の中から、適切に提供できるスタッフを育成する為の一助となったと考えた。
利用者の中には畑仕事に生きがいを感じると話す方や、自宅でも調理を再び行うようになったとの声も聞かれており、当施設の利用をきっかけに変化も見え始めている。
今後は、取り組みに対する利用者アウトカムについても集計を行い、多くの利用者に対し生きがいづくりや社会参加に繋げられるリハビリの選択肢を提供できるよう、心がけていきたい。
平成26年度「高齢者の地域における新たなリハビリテーションの在り方検討会報告書」において、身体機能の改善だけを目指すのではなく、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることで日常生活の活動性を高め、生きがいづくりや社会参加を促す必要性について言及されている。
令和4年度の「地域における高齢者リハビリテーションの推進に係る調査検証事業」では全国の通所リハビリで提供されているリハビリの内、ADL練習の実施割合が平成26年度の10%程度から、30~40%程度と実施割合に変化が見られている。
一方、令和6年8月時点での当施設通所リハのADL・IADL練習実施割合は、5%未満と全国平均とかけ離れた数値となっており、「活動」「参加」に向けたリハビリの実施が課題となっている。
そこで職員教育、施設内の環境設定にアプローチすることで、スタッフのリハビリプログラムをバリエーション豊かに展開できるよう支援することとした。
【目的】
利用者の在宅療養、生きがいづくりや社会参加の支援に向けたリハビリを多くの選択肢の中から、適切に提供できるスタッフを育成する。
【対象】
当施設通所リハビリを利用されている要支援・要介護高齢者。
前期評価145名、後期評価182名。
【評価期間】
前期評価を令和6年8月、後期評価を令和7年5月に実施。
【評価方法】
対象者のリハビリ内容を「生活期リハビリテーションに関する実態調査」を参考に20項目に分類した。
各項目の実施割合(複数選択可)を算出し、前期と後期の群間でカイ二乗検定を行い、実施内容の変化を統計的に比較した。
また、利用者毎にリハビリ内容の選択項目数を算出し、群間における平均値について、マン・ホイットニーU検定を用いて統計的差異を評価した。
データの統計解析はMicrosoft Excelを使用し、有意水準はp<0.05とした。
【介入方法】
月1回の研修会を令和6年8月~令和7年5月まで計10回実施。主な内容として、介護報酬関連の指針を振り返り、「活動」「参加」レベルで想定されるリハビリについてブレインストーミングを実施し、カテゴライズした中から優先事項の選定をディスカッションした。
その後3~4名の小グループに分け、それぞれのグループで中堅職員をコア層としてまとめ役を選出した。各グループに優先事項に関するリハビリ実施内容について目的、概要、必要物品等をまとめた企画書を作成し、プレゼンテーション形式で提案するよう促した。
提案内容に合わせ、役職者を中心に施設内の環境整備を実施。実際のリハビリ内容に反映できるよう支援を継続して行った。
【結果】
「IADL練習」や「趣味活動」の項目において、後期で実施率が有意に増加した。IADL練習の実施率は前期0.0%(0名)から後期16.5%(30名)(p=0.0000008)へと大きく上昇し、趣味活動も前期1.4%(2名)から後期10.4%(19名)(p=0.002)と同様に増加した。一方、その他の項目では有意な変化は認められなかった。
また、リハビリ内容の選択項目数は前期1.86±0.92件から後期2.17±1.24件と後期で有意な増加が認められた(p=0.021)。
以上より、後期に一部のリハビリ内容の実施が促進され、選択肢の増加が示唆された。
【考察】
「IADL練習」「趣味活動」が有意に増加した要因として、研修会で提案されたリハビリ内容が園芸・畑作業、調理に関するものがあった事が挙げられる。
一部項目で活動の幅が広がり、リハビリの選択肢が増加した要因として、研修会の中で地域における高齢者のリハビリに求められる事について改めて共通認識を持ち、優先テーマを明文化した事。また、数名の中堅職員をコア層としてチームで行動した事が職員の行動変容を促す鍵となり、部署全体の風土改革に良い変化を生み出した事が挙げられる。
更に、提案から環境調整までを速やかに行い、施設全体の取り組みとして稼働させる事が、発案者の承認機会となり、スタッフのモチベーションを向上させたと考えた。
これらの事から、今回の取り組みはある程度の期間は要したが、スタッフが主体的にプログラムを再考する機会となり、利用者のリハビリを多くの選択肢の中から、適切に提供できるスタッフを育成する為の一助となったと考えた。
利用者の中には畑仕事に生きがいを感じると話す方や、自宅でも調理を再び行うようになったとの声も聞かれており、当施設の利用をきっかけに変化も見え始めている。
今後は、取り組みに対する利用者アウトカムについても集計を行い、多くの利用者に対し生きがいづくりや社会参加に繋げられるリハビリの選択肢を提供できるよう、心がけていきたい。
