講演情報

[27-P-P101-05]災害対応の確立災害未経験でのマニュアル作成の困難さ

山口県 河野 高明 (介護老人保健施設ふれんず)
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高齢者認知症療養棟での災害避難誘導の難しさ施設内収容者50名90歳から100歳以上の利用者は46% 要介護4以上25%年齢に伴う認知で短期記憶障害や指示が通らないために、災害が発生すればそれが理解できず避難ができない状態になるのではないかと予測されます。要介護者は、「感染症に罹ると重症化しやすい」「自然災害による避難は身体不自由な高齢者にとっては命の危険がある」など、健常者よりも多くのリスクを抱えています。この数年で発生している感染疾患に対しては実際に目の当たりにしながら経過を追い、マニュアルを修正し日々の感染防止対応もしてきました。しかし災害に対しては書面上の対応で実践経験がない為、誘導の行動が不確かでした。縦長の施設での避難方法としては、まずセキュリティの開錠方法からスタッフの周知から開始しました。この対応を療養棟で検討している経過中に、災害に対しての集合研修が開催され災害の机上体験をしました。事前に災害に直面した時のスタッフの意識調査とて簡単なアンケートを実施してみました。総体的に危機感のない返答で防災グッズ準備に関しても「今までないので大丈夫」「準備できていない」の意見で半分を占めている。このアンケート結果を含めて行動レベルに明文化することが必要であると再認識しどの様にこの研修をスタッフにフィードバックするべきなのかを考慮しました。その経過をここに報告することにします。     1.検討期間R6年7月~R7年5月2.実施と明文化1)シミュレーションをしながらのマニュアル作成は、みんなの災害仮説が多く完成していません。防火に対しては施設内での2回/年の実施があるため可視化したマニュアルを作成しスタッフと共有し折々に気づきを修正してきました。しかし地震災害は瞬時の対応にプラスし継続する対応も必要であり想定するものが大きくいまだに検討中になっています。この検討が始まって1か月後に日向灘の地震がありました。災害アラームを聞いて急いで各階の利用者の状態を確認に回りましたが、スタッフは利用者を食堂に集めテレビで情報取得をしていました。災害避難のマニュアル作成が始まったばかりの対応ではありますがみんなで考え作成していくことの大切さを実感し未完成ではありますが初動はできました。2)災害初動災害の状態にもよりますが、まず免振防炎の施設内であるため安全な一定場所を瞬時に判断して誘導し、情報機関にて情報取得を行い次の行動を冷静に検討する停電により各階の情報がタイムリーに共有ができないこともある為誘導手段を4ルートを作成して当日のリーダーは他階のリーダーとともに検討して誘導手段を指示していくとした。3)情報取得後避難が必要と判断したら最大限で安全な搬送を開始します搬送用の担架で抱え用と背負い用の2種類を準備し実施してみました。利用者の通常の移手段 年齢 体重を一覧表にしてフロアー移動が発生した場合には搬送順位と方法を書面上で検討をしました。その後避難内容をケースごとに検討をしてみました課題(ア)火災の場合は火元の反対側のベランダに搬送 問題対策)セキュリティの解除が困難でマニュアルに解除方法を明確にしておく(イ)地震後の津波は高さによっては上階または屋上階への移動問題対策)体重が40台であったとしてもかなりの重量負担で階段の搬送は厳しいものでした。階段も狭小で2人がかりでは搬送の十分なボディメカニズムが十分使えず複数の搬送には厳しいものでした。3.施設での災害BCP研修実施1)事前アンケート実施回答 54名/99名職員 回答54%の悪さから災害に関しての意識の希薄を痛感します  特に昼夜問わず預かりの療養棟の回答が約15%でした・非常ベルの反応     非常ベルに意識はする 90%・防災グッズの準備    なんとなくの準備でそれが非常時に十分かの根拠なし・ダイアル171の試行   できないが40%強・救急処置について    救急対応ができない 49%・非常食に意識      非常食の体験はなし 70%・感染対応の意識     研修会を開催しているにも関わらず10%知らない6点を集計して漠然とした回答が多いことは、岩国のこの地が自然に恵まれ大きな災害がなく危機感が持てないことを実感しどのように現実視できるのかを考えました。2)災害BCP研修  机上訓練を実施する 岩国で震度6の地震が発生です 停電・断水もあります。などの災害状況です。 まりふ会が福祉協定避難施設であることから被災者への対応も付加されてくるという重責もあり誘導や避難生活の実際は想像できず通り一遍のマニュアルでは消化できるものではないことを実感しました。ロールプレイを実施した後のアンケートは事前の集計に比べて責任感のある内容が多く自分の行動を認識している内容に変化していました。しっかりとしたマニュアルを継続して責務を自覚できるようなフィードバックを今後もしていきたいと思います。4.終わりにまだまだ未完成の災害マニュアルです。シミュレーションをしながらプランをPDCAを繰り返してより的確で地域の役割に対応できる施設になれるようにマニュアル作成をしていきたいと思います。